そういえばこっちに載せていませんでした。
先週のスタンダード・コモン構築のイベント報告です。
公式報告(http://73420.diarynote.jp/200907271736531865/)とは別に、これは自分のレポートです。

■デッキの選定経緯
主なアーキタイプとその特徴については、前日の日記(http://81908.diarynote.jp/200907251125285338/)にまとめました。
当日のメタは、こういうふうに予測していました。

・多分、今回は少し参加者が増える。
 というか、そのためにDiaryNoteの日記も書いたりしてたので、増えてくれないと困ります。

・その中には初めての参加者も多い。
 ご新規さんが増えてくれないと困りますからなー。

・初めての参加者はビートダウンを使う。
 …ことが多い、という、これはこれまでの経験からですが。

というわけで、今回はビートダウンが多いんジャマイカ.
しかもたぶん、直球ど真ん中のステロイドが多いのではないかと予測しました。
理由は、ぶん回ったとき最も強いからです。

それで、今回はいろいろあって、詳細なマッチアップ分析をすることはできませんでした。
まあしかし、ビートダウンが多そうなら、ボード・コントロールを使っとけば間違いないでしょう。
というわけで、最近のSPDC/MPDCでの最高勝率デッキであるDark Starを、ボード・コントロールに寄せて使うことにしました。

Dark Star
メイン・デッキ (60)

土地 (25)
4 《エスパーの全景/Esper Panorama》
7 《島/Island》
6 《平地/Plains》
4 《沼/Swamp》
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》

クリーチャー (12)
4 《器用な決闘者/Deft Duelist》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《聖域のガーゴイル/Sanctum Gargoyle》

その他の呪文 (23)
4 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
2 《急使の薬包/Courier’s Capsule》
4 《否認/Negate》
2 《至福の休息/Recumbent Bliss》
4 《霊魂放逐/Remove Soul》
3 《魂の操作/Soul Manipulation》
4 《損ない/Unmake》

サイドボード (15)
4 《亡霊招き/Beckon Apparition》
3 《祓い士の薬包/Dispeller’s Capsule》
4 《アーシャへの捧げ物/Offering to Asha》
4 《ヴィダルケンの異国者/Vedalken Outlander》

Dark Starがビートダウンと対戦して負けるパターンは、おおむね、
・マナ基盤の問題(スクリュー、ショートなど)
・カウンターばかり引いて除去を引けず、盤面の脅威に対処できない
・序盤の生物で削られ、火力でトドメ
・相手ぶん回り
です。

3色デッキなので、マナ・スクリューはどうしても起こります。
キープできないことが30%くらいはあるデッキですし。
それも問題ですが、マナ・ショートもけっこう起きる問題です。
ビートダウン相手ですと、こちらの土地が2マナか3マナで2-3ターンの間止まってしまって、あちらの2マナ生物に対処しきれなくなるんですね。
一回休みでドローしても土地を引けずに、手札に満載のドローと除去を抱えたまま死ぬとかのことが起こります。
せめてもの対策に、土地をいつもの24枚から25枚に増量してみました。

カウンターは減らして、除去を増やしました。
とはいえ、コントロールを全く無視することもできないので、メインから《損ない》を4枚積んで、両睨みにしてみました。

火力には《否認》が役に立つといいんですが。
少なくとも《途方もない力》対策にはなります。

相手ぶん回りは、コントロールとビートダウンの対戦ではある程度避けられません。
リアクティブなデッキは、構造上「ぶん回る」ということができません。
手札にカウンター満載でも、相手が呪文をプレイしなかったらディスカードするだけですもんね。
強いて言えば、ビートダウンのぶん回りに完璧に対処しきれるのがコントロールの「ぶん回り」ということなんでしょうけれど。
別にぶん回りだから運がいいとか悪いとかではなく、ぶん回れることがビートダウンの特徴でありメリットであるわけです。
かようにぶん回りはビートダウンの一方的な権利なので、そうなっちゃった場合は、まあ、諦めるしかないでしょう。

デッキを仕上げて、カジュアル部屋でPauperで回した感じでは、とても強いです。
親和とか黒単とかスリヴァーとかのClassic Pauperのティア2のデッキに(マッチでは)ほとんど負けません。
これはいけるんじゃ。

直前まで、《ヴァレロンの異国者》対策に、《損ない》を何枚か《忘却の輪》《今わの際》《良心の呵責》あたりに替えようかどうしようか悩みましたが、「まあ、Shield of Valeronはいないだろう」という根拠のない予測を元に却下。
でも、DDWに対して厳しいことになってる気がするので、やっぱり《忘却の輪》は何枚かあった方が良かったですね。
これだけカウンターがあることですし、サイドの《亡霊招き》の一部を《忘却の輪》だったかな。

■対戦経過
全体の成績はこちらです。
http://www4.atpages.jp/kakoiku/competition.php?id=285

■第1ラウンド vs kaedama3koさん
いつもどっちかがマリガンしたりしてて、なかなかいい勝負にならなかったkaedama3koさんです。
てことは毎回対戦してるんですね。
今回は決着をつけますぞう、と自分だけ盛り上がっての対戦です。

・第1ゲーム
ダイスで勝ったこちらが先手を選んで島島平地の初手をキープ。
あちらもキープです。

ステロイドっぽい色の土地から、《不屈の自然》を撃ってきました。
ドメインかな? と思いきや、出てきたのも《山》。
赤緑のデッキであることは間違いないようです。
4マナ並んでから、ファッティが連発されます。
《ロウクスの粗暴者》《枝細工下げの古老》《喰らうワーム》。
《霊魂放逐》と《魂の操作》で消していきますが、けっこうギリギリですね。
この環境のコントロール・デッキは、タフネス4以上になると途端に対処が難しくなりますので、ファッティ・ビートダウンというのは一つの戦略です。
以前にも、Bog Rockやツリーフォーク・デッキが、この作戦を取っていました。
が、それに比べるとkaedama3koさんのデッキは、パワーがデカイです。
カウンターが弾切れになり、とうとう《喰らうワーム》が1体場に出てしまいますが、それには《器用な決闘者》3体が間に合いました。
やがて《損ない》を引いて《喰らうワーム》を除去し、攻勢に出て勝ちました。

デッキの強いところを引けたので何とか勝てたという感じです。
IN: 《ヴィダルケンの異国者》3
OUT:《至福の休息》2《熟考漂い》1

・第2ゲーム
これは大激戦になりました。
あちらが先手を選んでキープ。こちらも沼《広漠なる変幻地》の初手をキープ。
ただしこちらの初手には生物を消せるカウンターがなく、その後もトンと引きません。
あちらは《不屈の自然》から《ロウクスの粗暴者》《喰らうワーム》×2と、どんどんファッティをダンプしてきます。
《ヴィダルケンの異国者》で1体は止められますが、残りはムリですなー。
ただし、幸運なことに、《枝細工下げの古老》は出ていません。
最初の総攻撃は、《ヴィダルケンの異国者》で《喰らうワーム》1号を、《聖域のガーゴイル》で《喰らうワーム》2号をブロックして、《ロウクスの粗暴者》と《喰らうワーム》2号に《苦悶のねじれ》。2号を相討ちにとって、本体を1点に負けてもらいます。
《器用な決闘者》を盤面に追加して、2回目の総攻撃は、《ロウクスの粗暴者》を《ヴィダルケンの異国者》とダブル・ブロック。
どうにか相手のファッティを《喰らうワーム》1体に減らせました。
そこからこちらは《損ない》を2枚引き、あちらが土地のドローを繰り返している間にまくって勝ちました。
危なかった。

しかし、見たことのない、面白そうなデッキですね。

■第2ラウンド vs Gemstoneさん
・第1ゲーム
ダイスで勝って先手を選んで、沼1枚の初手をキープできずマリガン。
島沼《広漠なる変幻地》の6枚をキープです。
あちらはキープ。

島から《荒原の境界石》が出てきました。
バント色ですね。
素直にバント・ビートだったりすると楽なのですが、《イラクサの歩哨》とか《岸砕きのミミック》とかが出てきて、残念ながらそうでなさそうです。
《岸砕きのミミック》が入っているということは、《ぬめるボーグル》《超者の意向》《蛇変化》も入っているということです。
マリガンしている関係で、なかなかうまく対応できずに場に生物が並んでしまいますが、のらりくらりと躱しながらやっていたら、あちらが投了なさいました。

サイドボーディングはしませんでした。
入れるとすれば《祓い士の薬包》ですが、なくても何とかなるでしょう。
《祓い士の薬包》はテンポが悪いので、《天主の勢力》と《大霊の盾》以外にはあまり入れたくないんですよね。

・第2ゲーム
あちらが先手を選んでキープ。
こちらは土地のない初手をマリガンし、平地だけの6枚もマリガン。
《エスパーの全景》×2《広漠なる変幻地》の5枚をキープです。
さすがにダブル・マリガンはきつかった。
それでも途中までは、《器用な決闘者》を3つ並べて地上を止めた状態で上から殴っていって勝てそうな状況もあったんですが。
《熟考漂い》でカードを引かれて、《蛇変化》と《上機嫌の破壊》で飛行クリーチャーを除去されて、大量のクリーチャーを展開されて一斉に殴られて参りました。

・第3ゲーム
先手を選んで島沼の7枚をキープ。あちらもキープでした。
このゲームは、こちらが島沼沼の3枚で止まって何の呪文も唱えられない間に、あちらがターン2に《岸砕きのミミック》ターン3に《超者の意向》と回ってしまって負けました。
ハンドでは2枚の《損ない》が腐っていました。

多分有利なマッチアップだったと思うのですが、もったいなかったです。
第2ゲームは仕方がないのですが、問題は第3ゲームです。
マリガンすべきだったかもしれませんが、マナ基盤2色2枚でキープできないとすると、ちょっと厳しすぎる気もします。
《損ない》じゃなくて《名も無き転置》なり《恐怖》なりであれば全く問題なかったわけで、デッキの問題かもしれません。
あるいは、島沼でキープするなら、2マナのクリーチャー・コントロールがあることを条件にしないといけないということかもしれません。

■第3ラウンド vs koichiさん
・第1ゲーム
ダイスで勝って先手を選んで島《エスパーの全景》×2をキープ。
あちらは1マリガンでした。

あちらのデッキはステロイドのようでした。
あちらの土地がしばらく3枚で止まっていた関係で、1ターンにひとつのスレットしかプレイできません。
こちらはそれに一つずつ対応していって、マリガンの関係もあってどうにか切らせることに成功しました。

サイドボーディングしましょう。
あちらはサイドから《枝細工下げの古老》が入ってくるでしょうけど、まあ、こんな感じでしょうか。
IN: 《ヴィダルケンの異国者》2
OUT:《至福の休息》2

・第2ゲーム
あちらが先手を選んでキープ。
こちらも平地平地《広漠なる変幻地》をキープ。
あちらが先手なので、ターン2の《ドラゴンの餌》が通ってしまうのは仕方がありません。
《巨人釣り》を通さないようにしないといけないのですが、ターン3、ターン4と、単にトークンで殴るだけで動きがありません。
トークン2体で4ターン殴り続けられると8ダメージになってしまい、これは《巨人釣り》を食らうのと同じです。
ハンドに除去はありません。
というわけで、《熟考漂い》を想起して除去を、せめて島を引きにいったのですが。
1枚しか出せていない島をタップした隙にやっぱり《巨人釣り》が来て、大きくライフを削られてしまいました。
しかもその後も除去を引けず、場に出ようとするスレットにはすべて対処したのですが、トークンからの2点ずつのダメージをどうすることもできずに殴り切られてしまいました。

ちょっとサイドボーディングが中途半端だったのがいけなかったかな、と反省して、

IN: 《ヴィダルケンの異国者》2
OUT:《聖域のガーゴイル》1《熟考漂い》1

とサイドボーディングしました。

・第3ゲーム
先手を選びますが、島1枚だけの初手をキープできず。島《エスパーの全景》の6枚をキープ。
あちらはキープでした。
マリガンの分は《急使の薬包》で取り返せる予定だったのですが、不用意にタップ・アウトした隙に《スマッシュ》を食らって、逆に差を広げられてしまいました。
こちらはそのまま土地が詰まってしまい、何もできないうちに殴り負け。
パワー2の生物なんぞを除去することよりも、《急使の薬包》を起動することを優先しなけりゃなりませんでした。

■第4ラウンド vs Tuchanさん
・第1ゲーム
先手を選んで平地沼の初手をキープ。あちらもキープです。
あちらのデッキは、いきなり《霞の悪鬼》が出てきたので、いわゆるEsperized、白青黒のアーティファクト・ビートダウンでしょう。
その《霞の悪鬼》は《至福の休息》で止めたのですが、ターン4に5/5《武器庫を打つもの》が出てしまって、他に除去を持っておらず引けもせずで参りました。

カウンターも入れると、メインで17枚のクリーチャー・コントロールが入っているデッキなのですが、この日はなかなか引けません。
何でだろう?

IN: 《祓い士の薬包》3
OUT:《器用な決闘者》3

相手は《武器庫を打つもの》と《エーテリウムの彫刻家》と(見てないけど多分入っている)《ガラス塵の大男》以外は概ね飛んでるはずですから、《器用な決闘者》はあんまり役に立ちません。

・第2ゲーム
初手は平地3枚と青黒のカードばかりで、これはキープできません。
マリガンして島平地平地の6枚をキープ。
あちらはキープでした。

ところがこのゲームはあちらのぶん回り。
刃シリーズがズラッと並んで除去のないこちらは何もしないうちに負けました。
これはビートダウンの権利だからしょうがありません。

■成績
1勝3敗の3MPで、11名中9位でした。

メタゲーム予想はほぼ的中だったのですが、これはとても珍しいことです(わたしの場合は)。
成績が負け越しっていうのも珍しいですが、それよりも珍しい。

敗因分析ですが。
ゲーム毎に見ると、

マリガンの影響で土地や手数が不足 … 1
キープ判断の誤り … 1
プレイ上の判断の誤り … 2
相手ぶん回り … 2

という分布でした。

10ゲーム中3ゲームでマリガン4回。
マリガンしなかったけどすべきだったのが1回あったので、本当は4ゲームで5回ですね。
対戦相手は10ゲームでマリガンは1回だけです。
ビートとコントロールという違いはあれど、さすがにちょっと一方的に過ぎました。
(マナが不足でではなく)色が合わずにマリガンしなければならなかった、というのは1回だけ(本当は2回だけど)なので、純粋に初手に土地を引けていません。
60枚デッキに25枚の土地があって、初手7枚のうち、土地が1枚以下である確率は12.2%ですが、今回は10ゲームで3回ありました。
一方、初手に3-4枚の土地がある確率は52.6%。3-5枚なら60.8%です。
が、今回は10ゲームで土地に恵まれたのは4回だけで、うち1回は平地3枚だけでキープできていません。
折角土地を1枚増量したのですが、土地に関してはどうも単純に運が悪かったようです。

ビートダウンが予想されるということで、クリーチャー・コントロールをたくさん入れたんですけども。
2マナのクリーチャー・コントロールは8枚だけで、マナを整えたりドローしたりしている間に出されたクリーチャーに対処できず、速度についていけませんでした。
SPDCやMPDCで普通にステロイドを相手にしているときには特に問題なかったんですが、やっぱりThe Darkの大会はちょっとレベルが高いようです。
これは、境界石を入れることである程度解消できる問題ですが、境界石を入れたら入れたでまた別の問題が生じます。
つまり、《粉々》や《スマッシュ》のいい的になってしまうということですが。
Dark Starにとって、マナを攻められるのはクリーチャーを攻められるよりも具合が悪いので、できれば入れずに済ませたいところです。
3マナのクリーチャー・コントロールを2マナのものに入れ替える手もありますね。
こっちを先に試すべきですか。

プレイ上の判断の誤りっていうのは、どれだけ気をつけててもなかなかなくなりません。
でも10ゲームで2回っていうのはちょっと多いですね。

相手のぶん回りは自分にはコントロールできないからしょうがありませんなー。

次回は「基本セット2010」発売後です。
また環境理解から始めなくてはなりませんが、頑張りましょう。

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