3/20の土曜日にMOでスタンダード・コモン構築の大会が開催されました。
わたしが在籍しているクラン「The Dark」の主催大会、「第24回The Darkクラン・トーナメント」です。
公式報告はこちらです。
http://73420.diarynote.jp/201003232255361420/

今回の参加者は8名で、スイス4ラウンドの持ち時計30分3本勝負で争いました。
全体の成績はこちらにあります。
http://www4.atpages.jp/kakoiku/competition.php?lang=Japanese&id=482

わたしは2勝2敗の6MPで、8人中5位でした。
以下はそのレポートです。

■デッキ選定経緯
今回は、「ワールドウェイク」発売後初のスタンダード・コモン構築の大会ということで、新たな環境の理解から始めることにしました。
前環境からあるデッキ21種類と、新しい環境でありそうなデッキ10種類、両方のサンプル・レシピを作って、実際に対戦し、実力や問題点を探りました。
その結果、成績良好ということで残ったのが、次の11個のアーキタイプでした。

・高速ビートダウン
白黒赤上陸ビートダウン
ジャンド・ビートダウン
ナヤ上陸ビートダウン
ナヤ・ズー
緑白ウィニー

・中速ビートダウン
ジャンド・ランプ
黒緑白同盟者

・バーン
赤白バーン&フライヤー
5色《爆発する境界》バーン

・コントロール
青赤亀コントロール
黒緑白コントロール

アグロばっかですなー。
これらを更に精査して、最終的に次の3種類に絞り込みました。
以下、有望だった順に。

■赤白バーン&フライヤー
4 《山/Mountain》
11 《平地/Plains》
4 《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》

4 《エイヴンの従者/Aven Squire》
4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《嵐前線のペガサス/Stormfront Pegasus》
4 《天頂の鷹/Apex Hawks》
4 《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel》

4 《冒険者の装具/Adventuring Gear》
4 《噴出の稲妻/Burst Lightning》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
1 《溶岩の斧/Lava Axe》

サイドボード
4 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
4 《未達への旅/Journey to Nowhere》
4 《真面目な捧げ物/Solemn Offering》
3 《刃牙の猪/Bladetusk Boar》

クリーチャーも入ってますが、全員回避持ちであり、デッキの動きとしてはバーンに近いです。
つまり、火力は、飛行ブロッカーを排除する以外は、なるべく本体に使う感じです。
足が遅いデッキには強いですが、高速ビートダウンに対しては火力を除去に使わざるを得ない場面が多く、引き勝負になりがちです。

サイドの《刃牙の猪》は、《消しえる火》の方が良かったようです。
赤いクリーチャーの入ってないデッキよりも(青)が出ないデッキの方が多いので。
むしろ《グリフィンの歩哨》を抜いて《消しえる火》でしたか。
《大祖始の遺産》と《未達への旅》は、墓地を使ってくるタイプの相手に。
黒赤なんかも含みますが、《聖域のガーゴイル》×2とか、《グレイブディガー》《コーの空漁師》でぐるぐるされると、火力を消耗させられますので。
《真面目な捧げ物》は、主に《冒険者の装具》対策です。

■ジャンド・ランプ
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
5 《森/Forest》
4 《ジャンドの全景/Jund Panorama》
2 《カルニの庭/Khalni Garden》
6 《山/Mountain》
2 《沼/Swamp》
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》

4 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》
4 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
4 《ロウクスの粗暴者/Rhox Brute》
4 《腐肉団/Carrion Thrash》

4 《噴出の稲妻/Burst Lightning》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《不屈の自然/Rampant Growth》
4 《圧倒する雷/Resounding Thunder》
4 《荒廃稲妻/Blightning》

サイドボード
2 《自然の要求/Nature’s Claim》
3 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3 《破滅の刃/Doom Blade》
3 《ヴィティアのとげ刺し/Vithian Stinger》
4 《帰化/Naturalize》

序盤を除去と《荒廃稲妻》で減速した後、4/4の群れを投入し、《圧倒する雷》サイクリングと併せて勝負を決めるデッキです。
4/4は、赤い除去にある程度耐性があり、亀も突破できます(悪くても相討ち)。
中速なので、どうしてもバーンには弱いのですが。
同盟者も大きくなりますが、最初は小さいですよね。
だったら最初から大きいのを使えばいいじゃん。みたいな。

サイドの《自然の要求》《帰化》は、《冒険者の装具》と、除去エンチャント対策です。
《ヴィティアのとげ刺し》は、上陸と同盟者。最初はちっちゃいですからね。

■黒緑白コントロール
3 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
3 《森/Forest》
3 《平地/Plains》
5 《沼/Swamp》
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》

4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
4 《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
4 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
4 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
4 《ロウクスの瞑黙者/Rhox Meditant》
2 《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》
4 《グレイブディガー/Gravedigger》
4 《青ざめた出家蜘蛛/Pale Recluse》

4 《見栄え損ない/Disfigure》
4 《墳墓の呪詛/Tomb Hex》
4 《荒原の境界石/Wildfield Borderpost》

サイドボード
2 《蜘蛛糸の網/Spidersilk Net》
3 《影餌付け/Shadowfeed》
4 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》
2 《秘宝の破壊/Relic Crush》

クリーチャーが30枚も入っててコントロール? ってわけですが、殴るためのクリーチャーはほとんどいないので、一応コントロールです。
《エルフの幻想家》と《ロウクスの瞑黙者》でカードをいっぱい引いて、《国境地帯のレインジャー》も使いながらたくさんマナを並べ、《心臓刺しの蚊》も使いながらクリーチャーの数的優位を確立し、それから一斉に殴ります。
ナヤ上陸を警戒して、クリーチャー・コントロールを強化しているデッキが多いだろうと思い。
だったら到底除去し切れない量のクリーチャーを並べたらどうだろう、というアイディアです。
このアーキタイプ自体は前環境にもあったのですが、当時は《墳墓の呪詛》がなかったので、そのスロットに《破滅の刃》を入れるか除去エンチャントを入れるか、という、白黒コントロールでも経験した二択を迫られて、うまくいきませんでした。
《破滅の刃》は黒赤に対して腐りますし、《クァーサルの群れ魔道士》や《コーの奉納者》を要するナヤ上陸に対して《未達への旅》は一時的にしか機能しないんですよね。
除去を黒に頼るコントロールとしては、《墳墓の呪詛》は待望の一枚でした。

サイドの《蜘蛛糸の網》は、当初《帆凧》だったのですが。
防御的なこのデッキは、攻撃的な《帆凧》は合わなかったので、網に変えました。
《帆凧》だと、《冒険者の装具》をつけた《コーの空漁師》がなかなか止まらなかったんですね。


これらの三種類のデッキを相互に比較した場合の相性は明らかで、赤白が圧倒的に強いです。
環境には、ナヤ上陸対策を意識した、クリーチャー・コントロールを強化したデッキが多いでしょうから、そういうデッキを食えるかもしれません。
・・・ということもあったのですが、それより何より、今回わたしは司会進行をやらないといけないということで、勝負が最も早いであろう赤白を使うことにしました。


以下は、対戦の様子です。

■第1ラウンド vs koichiさん
あちらも赤白アグロでした。
が、こちらのデッキのようなバーンもどきではなく、《コーの空漁師》の他、《ステップのオオヤマネコ》や《破壊者のゼンディコン》が入ったビートダウンのようです。

・第1ゲーム
こちらが先手になり、お互い初手キープ。
こちらは2マナ・パワー2の生物を3連打して、《ぐらつく峰》や《冒険者の装具》を利用して4点6点とダメージを入れていきます。
あちらは後攻であることが災いして、思うようにダメージ量を伸ばせません。
《稲妻》で《嵐前線のペガサス》を1体除去される以外の抵抗も受けず、ターン6でこちらが殴り切りました。

どんなデッキなのかまだ良く分からなかったので、デッキはこのままで行ってみることにしました。

・第2ゲーム
あちらが先手を選んでお互いキープで始まりました。
ところがこちらはターン1に出した《広漠なる変幻地》を起動しないボーン・ヘッド。
2マナ・パワー2のクリーチャー3体の登場が1ターンずつ遅れ、おそらく6点分くらいのダメージを入れ損ないます。
ターン10にも、折角土地をキープした状態で《焼尽の猛火》を引いたのに、土地を出すのを忘れて唱えたせいで、あちらの《コーの空漁師》を殺し損ないました。
こんなにミスばかりじゃ負けちまいますなー。
しかも今回はあちらの除去の引きも良く、思うようにクリーチャーが殴れません。
どうも思わしくないのですが、それはあちらも同様のようです。
お互いライフが一桁になってからも、あちらは5枚の手札を抱えて動きがありません。
全部土地ってこともないでしょうから、おそらく、《コーの奉納者》《真面目な捧げ物》あたりでしょう。
《冒険者の装具》を使うと、こういう余得もあります。
そういうこともあって、とっくに死んでそうな展開なのに生き長らえます。
《コーの空漁師》と《グリフィンの歩哨》の睨み合いから、《天頂の鷹》をトップしたこちらが4/4で出して均衡を崩し、温存していた火力を本体に叩き込んで勝ちました。

■第2ラウンド vs arthfingさん
あちらは黒赤アグロ。
《吸血鬼の裂断者》《グリクシスの邪刃》《ジャンドの斬刃》がはいった、コテコテのビートダウンです。

・第1ゲーム
こちらが先手でお互い初手キープ。
このゲームは、こちらがぶん回りました。
《冒険者の装具》と《ぐらつく峰》で6/4になった《エイヴンの従者》が2回殴って削りまくり、火力でトドメを刺しました。

サイドボーディングします。
IN: 《未達への旅》4
OUT:《グリフィンの歩哨》2《冒険者の装具》2

速度で勝る黒赤に対しては、あちらのクリーチャーにこちらのライフをあまり削らせないことが重要、だと思います。
クリーチャー対策を増やすのですが、何を抜くかが問題です。
アーティファクト除去をサイド・インしてくる相手なら、《冒険者の装具》を全抜きすればいいんですが・・・。
とりあえず2枚削ってみて様子を見てみます。

・第2ゲーム
あちらが先手を選んでお互い初手キープ。
土地5枚に生物2枚の初手をキープしたら、あちらは《吸血鬼の裂断者》《ジャンドの斬刃》2のぶん周りで、サイド・インしたはずの除去の引けないこちらは4ターンで殴り切られてしまいました。

IN: 《真面目な捧げ物》2
OUT:《冒険者の装具》2

速度差をライフ・ゲインとマナ拘束で埋めようかと。

・第3ゲーム
先手を選んで、土地のない初手をマリガン。
《山》2枚と1マナ火力のあるハンドをキープしてみたら、ターン11まで全く白マナが出ません。
それなのにその間に負けなかったのは、あちらはクリーチャーをサイド・アウトしてクリーチャー・除去を入れたらしく、生物が出て来なかったからです。
引き続ける白い呪文を全く使えないなか、ディスカードするよりは、と《稲妻》を本体に撃っていたら、あちらの残りライフが6に。
手札には最後の《稲妻》と白い呪文。
ここで《噴出の稲妻》でも引ければ、焼き殺せるなー、なんて思ってたらようやく平地を引きました。
ところが、出すクリーチャーが全部《忌まわしい最期》で殺されて、気が付くとこちらのライフも残り5。
最後は《焼尽の猛火》と《血の署名》で削りきられて負けてしまいました。
まあ、事故負けと言えると思いますが、それにしても変なゲームでした。

■第3ラウンド vs korhakuさん
今回初参加の方です(だと思います。違ってたらごめんなさい)。
この方のデッキも黒赤アグロでしたが、arthfingさんのものよりも更に軽量ビートダウンにシフトしているようでした。

・第1ゲーム
お互い初手キープからですが、こちらは要所で除去を食らって、なかなかダメージが伸びません。
《鼓動の追跡者》なんぞに除去を使いたくはないのですが、使わざるを得ないようではよろしくありませんなー。
そして《荒廃稲妻》でハンドの除去を使わされた後で出てきた《吸血鬼の裂断者》とか《グール・ドラズの吸血鬼》とか《腐敗したゼンディコン》とかを除去できません。
次殴られたら死亡という状況に追い込まれたところで、《溶岩の斧》をトップ・デッキして逃げ切りました。

サイドボーディングしましょう。

IN: 《未達への旅》4
OUT:《冒険者の装具》4

あちらがアーティファクト対策を入れてくると期待して。

・第2ゲーム
あちらが先手で、お互いキープ。
またしても《荒廃稲妻》で減速させられてしまいます。
加えてこちらは呪文よりも土地の方が多い状態で、5マナで止まっているあちらの繰り出してくる脅威に対処し切れません。
平地ばかり3枚引き続けたところで《血の署名》を食らって参りました。

事故で負けるのは仕方がありません。

IN: 《真面目な捧げ物》1
OUT:《溶岩の斧》1

《脈火の境界石》もそうですが、《腐敗したゼンディコン》にも当たるので、役に立ってくれそうです。

・第3ゲーム
今度は一転して土地が引けません。
山2枚を《乱動する地形》で壊され、手札の赤い呪文が使えない間に、火力をトップ・デッキされて負けてしまいました。

■第4ラウンド vs oryzaeさん
あちらのデッキは、バント・カラーの同盟者。
でっかくなるんでしょうなー。

・第1ゲーム
ところがあちらは引きが極端に悪かったようで、序盤は《不屈の自然》を撃つばかりで他に何もしてきません。
こちらの《エイヴンの従者》が延々と一人旅。
終盤に入ってようやく《オラン=リーフの生き残り》《ウマーラの猛禽》と出てきましたが、待ってましたとばかりに《焼尽の猛火》でダメージを稼ぎ、殴り切りました。

IN: 《未達への旅》4《刃牙の猪》3
OUT:《焼尽の猛火》4《冒険者の装具》2《溶岩の斧》

おっきくなる相手には、タフネスによらない除去が必要です。
赤いクリーチャーやアーティファクト・クリーチャーはいないでしょうから、《刃牙の猪》を投入してみました。

・第2ゲーム
先手を選んだあちらが1マリガン。
こちらは初手キープです。
今度もあちらはクリーチャーをなかなか引けません。
しかし、《未達への旅》を3枚引かれ、こちらもなかなか思うように殴れません。
仕方なく《グリフィンの歩哨》でこつこつと殴ったダメージが溜まったところで、火力でトドメを刺しました。

■結果
2勝2敗の6MPですが、第3ラウンドで負けたのが良くなかったらしく、オポ差の5位に終りました。
賞品は「ゼンディカー」ブースター1パック。

■感想
思ったよりも新しいアーキタイプが多くない感じもしますが・・・。
しかし、優勝のkaedama3koさんの黒赤は、《焼尽の猛火》とゼンディコンを活用したアーキタイプでした。
それも含めて、「ワールドウェイク」後のデッキと言えるものが、8名中3名。
・・・やっぱり少ないか。

優勝デッキもバーンだったということで、バーンという選択自体は正解だったようです。
ただちょっと構成が中途半端だったかも。
《グリフィンの歩哨》なんて入れてる場合じゃなかったようです。
確かに、《破壊者のゼンディコン》の方が良かった。

ただ、成績が悪かった理由は、それ以外にも、運の要素も強かったように思います。
アグロ・デッキどうしの場合、ある程度引きゲーになってしまうのは仕方のないところでしょう。
シャッフルしたデッキの上から10枚が強かった方が勝つというか。
その分、ぶん回ることもあるわけですが、今回はちょっと悪い方に出ることが続いたという感じでしょうか。

今回は黒赤が強かったわけですが、比べてみると、それぞれけっこうタイプが違っていることが分かります。
事前の環境分析で、わたしは、黒赤アグロは十把一絡げにしてしまっていましたが、それはどうやら良くなさそうです。
arthfingさんが使ったような、2マナ3/2を積んだビートダウン、kaedama3koさんが使ったようなバーン、それと、最も良く見られる、《カターリの爆撃兵》や《ゴブリンの奇襲隊》の入ったタイプ。
少なくともこの3種類は分けて考えた方が良さそうです。

次回は、今回使わなかったデッキでも使ってみますかなー。
でも、バーンにも強いデッキにした方がいいかしら。

この後、Gathiiの方では、リプレイの残っている対戦の棋譜をご紹介しようと思います。

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