ROEコモン・ソート解析の歪み
2010年5月4日 ゲーム コメント (3)前回報告した尤度計算のプログラムを使って、6枚ソートのデータを分析しています。
いろいろ分かってきました。
・全パック・データ中、現在得られている6枚ソートの候補(めんどくさいので、以下これを仮ソートと呼びます)の一部とぴったり一致しているものが、159パックある。
・一方、全然一致せず、箸にも棒にも掛からないのが251パック。
・残る150パックは、仮ソートの並びから、連続していないカードを何枚か削除したか、または連続していない位置にカードを何枚か挿入した並びになっている。
まず、削除の方について、傾向を見てみました。
・「仮ソートの中のこことここを削除すると、パックのデータと一致する」というケースは、84パックに190件ある。
・削除が生じる仮ソート中の位置は、次の通り。
o 仮ソートの4番目から32番目までの範囲の、20箇所87件
o 同じく59番目から87番目までの範囲の、20箇所103件
o それ以外の部分にはない
・削除されるカードの仮ソート中の位置には、次の規則性がある。
o 4-32の範囲では、3で割った剰余が0でない位置、つまり、4,5,7,8,10,11,...番目のカードが削除され得る。
o 59-87の範囲では、3で割った剰余が1でない位置、つまり、59,60,62,63,65,66,68,69,...番目のカードが削除され得る。
o それ以外の位置のカードが削除されるケースはない。
・仮ソート中の4-32番目または59-87番目の範囲を含むパックの場合、次の規則性がある。
o 複数のカードが削除されている場合、削除されたソート位置を3で割った剰余の値は等しい。
つまり、仮ソートの8番目のカードが削除されているパックでは、同時に5番目のカードや11番目のカードが削除されていることはあるけれど、7番目のカードや10番目のカードが削除されていることはないということです。
o あるカードが削除されているパックでは、そのカードの位置と3で割った剰余の値が等しい位置のカードはすべて削除されている。
つまり、仮ソートの6番目のカードから始まるパックであって、7番目のカードが削除されているなら(7を3で割った剰余は1ですので)、そのパックは必ず6,8,9,11,12,14番目のカードが並んでいます。
o ただし、4-32および59-87の範囲から外れた位置のカードは削除されない。
例えば仮ソートの30番目のカードから始まるパックであって、31番目のカードが削除されていても、34番目のカードは削除されず、そのパックは必ず30,32,33,34,35,36番目のカードが並んでいます。
続いて、挿入の傾向です。
・「仮ソートのこことここに1枚ずつ挿入すると、パックのデータと一致する」というケースは、69パックに131件ある。
・挿入が生じる仮ソート中の位置は、次の通り。
o 仮ソートの34番目で、2件
o 仮ソートの37番目から55番目までの範囲の、10箇所44件
o 仮ソートの92番目から最後(131番目)を回って先頭1番目までの、20箇所85件
o それ以外の部分にはない
・挿入が生じる仮ソート中の位置は、1つ置きに現れる。具体的には、次の規則性がある。
o 37-55番目の範囲で生じる挿入箇所は、仮ソート中の奇数番目にあたる。偶数番目に挿入が生じるケースは皆無である。
o 92-131番目(最後)の範囲で生じる挿入箇所は、仮ソート中の偶数番目に限られる。
先頭の1番目でも挿入が生じますが、仮ソートの長さは奇数(131)なので、つまり、1つ置きのサイクルの延長です。
仮ソートは適当に作ったものですから、奇数か偶数かに意味はありません。
重要なのは、挿入ポイントは、仮ソート上の一つ置きの位置にある、ということです。
・仮ソート中の37-55番目または92-131番目および1番目の範囲を含むパックの場合、次の規則性がある。
o カードが挿入されているパックでは、そのパック中の挿入ポイントすべてにカードが挿入されている。
つまり、例えば仮ソート中の40番目から始まるパックの場合、カードが挿入されていない40,41,42,43,44,45,46という並びになっているか、または、挿入されている、40,x,41,42,y,43という並びになっているか、どちらかだということです。40,x,41,42,43,44とか、40,41,42,y,43,44とかのパックはありません。
ただし、これには、全パック・データ中に1件だけ例外があります。(データ298)
・挿入されるカードについては、次の規則性があります。
o 挿入されるカードは、仮ソート中の挿入の生じる位置毎に異なる。
o ただし、同じ位置に挿入されるカードは、(その箇所で何件の挿入が起こっていようとも、)高々2種類である。
o 隣接する挿入ポイントに挿入される2種類ずつのカードの間には1対1の対応関係があり、同じパックでは、対応するカードの組み合わせだけが現れる。
つまり、例えば、ソート中の41番目で挿入されるカードがx1とx2、43番目で挿入されるカードがy1とy2だとしたら、x1とy1、x2とy2という対応関係があって、実際のパックは、40,x1,41,42,y1,43になっているか、または、40,x2,41,42,y2,43になっているか、どっちかだ、ということです。
さて、お気づきの通り、削除が生じる部分と挿入が生じる部分とは重なっておらず、こんな風になっています。
1:挿入ゾーン
4-32:削除ゾーン
34-55:挿入ゾーン
59-87:削除ゾーン
92-131:挿入ゾーン
挿入ゾーンと削除ゾーンの両方に跨るパックでは、挿入と削除の両方を生じることがあります。
(そういうパックは3パックあります。)
仮ソートは、確かにカバレージは低いし、めちゃくちゃなように見えますが、実はパック・データとの間にかなり規則的な関係があるようです。
さて、以上は何を示唆しているでしょうか?
前回わたしは次のような仮定をしました。
・「元になるソート」がある。
・「生産に使用されるソート」は、「元になるソート」から、何箇所かカードを取り除いたものである。
・ただし、「元になるソート」の、連続した二ヶ所を取り除くことはしない。
しかし、今回の結果を受けて、上記はより正確にはこういうことなんではないか、と思えてきました。
・Aソート(6枚ソート)には4種類ある。これを仮に、A0ソート、A1ソート、A2ソートと呼ぶ。
・A0,A1,A2ソートとは、A0ソートから、3つ置きの位置のカードを削除して作られたソートである。
位置を3で割った剰余が0の位置のカードを削除したらA0ソート、という具合に。
・パックの生産には、A,A0,A1,A2の各ソートが、ある割合でランダムに選ばれて使われる。
ある割合とは、上記の条件下で、コモン・カードの出現頻度が等しくなるように調整された割合である。
それで、仮ソートは、たぶん、こうなっているのじゃないかしら。
・「削除ゾーン」は、Aソートになっている。
実際のパック・データには、A0,A1,A2ソートのものもあるから、それらは、それぞれの位置のカードを削除した状態になっている。
・「挿入ゾーン」は、A0,A1,A2ソートのいずれかになっている。
Aソートに基づいているパックについては、挿入が生じている状態になるし、他のA0,A1,A2ソートに基づいているパックは、一見全然違うソートのように見える。
次は、この仮設が正しいかどうかの検証ですなー。
さて、どうやろうか。
いろいろ分かってきました。
・全パック・データ中、現在得られている6枚ソートの候補(めんどくさいので、以下これを仮ソートと呼びます)の一部とぴったり一致しているものが、159パックある。
・一方、全然一致せず、箸にも棒にも掛からないのが251パック。
・残る150パックは、仮ソートの並びから、連続していないカードを何枚か削除したか、または連続していない位置にカードを何枚か挿入した並びになっている。
まず、削除の方について、傾向を見てみました。
・「仮ソートの中のこことここを削除すると、パックのデータと一致する」というケースは、84パックに190件ある。
・削除が生じる仮ソート中の位置は、次の通り。
o 仮ソートの4番目から32番目までの範囲の、20箇所87件
o 同じく59番目から87番目までの範囲の、20箇所103件
o それ以外の部分にはない
・削除されるカードの仮ソート中の位置には、次の規則性がある。
o 4-32の範囲では、3で割った剰余が0でない位置、つまり、4,5,7,8,10,11,...番目のカードが削除され得る。
o 59-87の範囲では、3で割った剰余が1でない位置、つまり、59,60,62,63,65,66,68,69,...番目のカードが削除され得る。
o それ以外の位置のカードが削除されるケースはない。
・仮ソート中の4-32番目または59-87番目の範囲を含むパックの場合、次の規則性がある。
o 複数のカードが削除されている場合、削除されたソート位置を3で割った剰余の値は等しい。
つまり、仮ソートの8番目のカードが削除されているパックでは、同時に5番目のカードや11番目のカードが削除されていることはあるけれど、7番目のカードや10番目のカードが削除されていることはないということです。
o あるカードが削除されているパックでは、そのカードの位置と3で割った剰余の値が等しい位置のカードはすべて削除されている。
つまり、仮ソートの6番目のカードから始まるパックであって、7番目のカードが削除されているなら(7を3で割った剰余は1ですので)、そのパックは必ず6,8,9,11,12,14番目のカードが並んでいます。
o ただし、4-32および59-87の範囲から外れた位置のカードは削除されない。
例えば仮ソートの30番目のカードから始まるパックであって、31番目のカードが削除されていても、34番目のカードは削除されず、そのパックは必ず30,32,33,34,35,36番目のカードが並んでいます。
続いて、挿入の傾向です。
・「仮ソートのこことここに1枚ずつ挿入すると、パックのデータと一致する」というケースは、69パックに131件ある。
・挿入が生じる仮ソート中の位置は、次の通り。
o 仮ソートの34番目で、2件
o 仮ソートの37番目から55番目までの範囲の、10箇所44件
o 仮ソートの92番目から最後(131番目)を回って先頭1番目までの、20箇所85件
o それ以外の部分にはない
・挿入が生じる仮ソート中の位置は、1つ置きに現れる。具体的には、次の規則性がある。
o 37-55番目の範囲で生じる挿入箇所は、仮ソート中の奇数番目にあたる。偶数番目に挿入が生じるケースは皆無である。
o 92-131番目(最後)の範囲で生じる挿入箇所は、仮ソート中の偶数番目に限られる。
先頭の1番目でも挿入が生じますが、仮ソートの長さは奇数(131)なので、つまり、1つ置きのサイクルの延長です。
仮ソートは適当に作ったものですから、奇数か偶数かに意味はありません。
重要なのは、挿入ポイントは、仮ソート上の一つ置きの位置にある、ということです。
・仮ソート中の37-55番目または92-131番目および1番目の範囲を含むパックの場合、次の規則性がある。
o カードが挿入されているパックでは、そのパック中の挿入ポイントすべてにカードが挿入されている。
つまり、例えば仮ソート中の40番目から始まるパックの場合、カードが挿入されていない40,41,42,43,44,45,46という並びになっているか、または、挿入されている、40,x,41,42,y,43という並びになっているか、どちらかだということです。40,x,41,42,43,44とか、40,41,42,y,43,44とかのパックはありません。
ただし、これには、全パック・データ中に1件だけ例外があります。(データ298)
・挿入されるカードについては、次の規則性があります。
o 挿入されるカードは、仮ソート中の挿入の生じる位置毎に異なる。
o ただし、同じ位置に挿入されるカードは、(その箇所で何件の挿入が起こっていようとも、)高々2種類である。
o 隣接する挿入ポイントに挿入される2種類ずつのカードの間には1対1の対応関係があり、同じパックでは、対応するカードの組み合わせだけが現れる。
つまり、例えば、ソート中の41番目で挿入されるカードがx1とx2、43番目で挿入されるカードがy1とy2だとしたら、x1とy1、x2とy2という対応関係があって、実際のパックは、40,x1,41,42,y1,43になっているか、または、40,x2,41,42,y2,43になっているか、どっちかだ、ということです。
さて、お気づきの通り、削除が生じる部分と挿入が生じる部分とは重なっておらず、こんな風になっています。
1:挿入ゾーン
4-32:削除ゾーン
34-55:挿入ゾーン
59-87:削除ゾーン
92-131:挿入ゾーン
挿入ゾーンと削除ゾーンの両方に跨るパックでは、挿入と削除の両方を生じることがあります。
(そういうパックは3パックあります。)
仮ソートは、確かにカバレージは低いし、めちゃくちゃなように見えますが、実はパック・データとの間にかなり規則的な関係があるようです。
さて、以上は何を示唆しているでしょうか?
前回わたしは次のような仮定をしました。
・「元になるソート」がある。
・「生産に使用されるソート」は、「元になるソート」から、何箇所かカードを取り除いたものである。
・ただし、「元になるソート」の、連続した二ヶ所を取り除くことはしない。
しかし、今回の結果を受けて、上記はより正確にはこういうことなんではないか、と思えてきました。
・Aソート(6枚ソート)には4種類ある。これを仮に、A0ソート、A1ソート、A2ソートと呼ぶ。
・A0,A1,A2ソートとは、A0ソートから、3つ置きの位置のカードを削除して作られたソートである。
位置を3で割った剰余が0の位置のカードを削除したらA0ソート、という具合に。
・パックの生産には、A,A0,A1,A2の各ソートが、ある割合でランダムに選ばれて使われる。
ある割合とは、上記の条件下で、コモン・カードの出現頻度が等しくなるように調整された割合である。
それで、仮ソートは、たぶん、こうなっているのじゃないかしら。
・「削除ゾーン」は、Aソートになっている。
実際のパック・データには、A0,A1,A2ソートのものもあるから、それらは、それぞれの位置のカードを削除した状態になっている。
・「挿入ゾーン」は、A0,A1,A2ソートのいずれかになっている。
Aソートに基づいているパックについては、挿入が生じている状態になるし、他のA0,A1,A2ソートに基づいているパックは、一見全然違うソートのように見える。
次は、この仮設が正しいかどうかの検証ですなー。
さて、どうやろうか。
コメント
>・A0,A1,A2ソートとは、A0ソートから、3つ置きの位置のカードを削除して作られたソートである。
> 位置を3で割った剰余が0の位置のカードを削除したらA0ソート、という具合に。
おっと、こりゃ嘘ですなー。
3枚に1枚、絶対削除されないカードがあるので、A1,A2はあるけど、A0は存在しない、でしょう。
前半、後半ソートだけの区分を見ると単純な構成に見えたエルドラージ覚醒のソートですが、ここまでの仕掛けがあるとは。(現段階では仮説ですが)
ソートの話に限った事ではありませんが、僕はある問題を解いたり、解かれていくのを見たり、聞いたり、読んだりするのが好きなのです。
今まで矛盾を解決しようとかなり煮詰まっているソート解析ですが、一度肩の力を抜いて楽しんでみるつもりでやってみようかなぁと思いました。
それでは。
>これは面白いですね!
そうですなー。
なるべくエレガントに解きたいところですが、なかなかいい作戦が思いつきません。
どうやろうかなー。