「エルドラージ覚醒」SPDC向け評価
2010年5月28日 ゲーム気を取り直して、「エルドラージ覚醒」のスタンダード・コモン構築向けの評価をまとめたいと思います。
もう今シーズンは開幕しちゃってるので、厳密には予想ではなかったりするのですが。
どうも自分的にしっくり来てなかったので、これまでとは少し評価測度を変えてお届けします。
■デッキに入りそう
既に実績を残しているアーキタイプに入るであろうカードや、そうしたアーキタイプに良く効くサイドボードになりそうなカードです。
・《血儀式の発動者/Bloodrite Invoker》
3マナ3/1というだけではなかなか使われないので、入れるなら能力の起動が前提でしょう。
ジャンド・ランプには《心臓刺しの蚊》《圧倒する雷》《カビのシャンブラー》なんかが入るわけですが、そのどこかに割って入れるのでは。
8マナで6点の《圧倒する雷》の半分の威力しかありませんけど、それを(マナが余ってるなら)毎ターン使えるのは悪くないです。
もうひとつ、3マナの生物としてターン3に出しておけるというのもメリットです。
相手がアグロだったら、《ステップのオオヤマネコ》や《コジレックの捕食者》なんかと相討ちしてくれれば満足ですし、相手がコントロールだったら、うっかり2回くらい殴れる展開もあるかも。
・《死者のインプ/Cadaver Imp》
デッキに《グレイブディガー》が8枚!
《巡礼者の目》も、賛美と組み合わせたりしたら意外と強かったし、これも、能力だけじゃなくて、1/1飛行としての評価もあるかもしれません。
色拘束がちょっと厳しいのですが、2色デッキなら問題なく運用できることでしょう。
・《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker》
緑白中速のフィニッシャーになりそうな気がします。
・《剥奪/Deprive》
亀コンや青黒が喜んで入れそうです。
そして《ハリマーの深み》や《カビーラの交差路》や《ボジューカの沼》を戻しそうです。
青赤は《ぐらつく峰》を戻して《窯の悪鬼》が何度も強まったりするのかしら。
・《進化する未開地/Evolving Wilds》
デッキに《広漠なる変幻地》が8枚!
多色コントロールにはますます追い風ですね。
・《窯の悪鬼/Kiln Fiend》
黒赤デッキに余裕で四積みでしょう。
ターン2にこいつ。
ターン3に《荒廃稲妻》(または《血の署名》)。
ターン4に《破壊者のゼンディコン》。
・《孤独な宣教師/Lone Missionary》
コントロールのアグロ対策として、《疲弊の休息》にとって代わる存在かと。
ゲインは4点ですが、ブロックで相討ちが取れるか、または、相手の除去を2点か3点分引き受けることができます。
あまつさえ、《グレイブディガー》や《不気味な発見》で再利用もできます。
・《記憶の壁/Mnemonic Wall》
何かを墓地から拾うクリーチャーは、常に使われる可能性はあります。
《不気味な発見》で拾って出すと、何故か土地1枚のアドバンテージが。
亀コンは《圧倒する雷》を拾いたいでしょう。
わたしも早速デッキを一つ作りました。
・《虚身の勇者/Null Champion》
黒赤アグロはこれを使うような気がします。
5マナ使った挙句に《噴出の稲妻》で処理されちゃうのはさすがにどうか、という気もしなくもないですが、デッキの大部分がソーサリーやインスタントで、マナにはけっこう余裕があるデッキですからね。
特に、トップ勝負になってから引いたら鬼のように強い気がします。
・《オンドゥの巨人/Ondu Giant》
土地をくれる《ロウクスの瞑黙者》。
《ロウクスの瞑黙者》を使っていて分かりましたが、2/4というボディはかなり頼もしいものがあります。
4マナも出てたらもう土地なんていらないっていうデッキもあるでしょうけど、そうでないデッキもあります。
ジャンド・ランプとか。
あるいは、エルドラージを使うようなデッキも、これを入れたいかもしれません。
・《草茂る胸壁/Overgrown Battlement》
マナの出る壁。
序盤はタップ・アウトして《オンドゥの巨人》とかを呼んで、中盤はブロックしつつ《巨森の蔦》を構えつつ。
7マナ8マナに達したらフィニッシャーを出すとかそういう感じで使える気がします。
別段壁デッキとかでなくても、《根の壁》みたいな感じで活躍しそう。
・《予言のプリズム/Prophetic Prism》
《虹色のレンズ》は良く使われました。
《ゆらめく岩屋》はそれほどでもありませんでしたが、でも、採用したデッキはいくつかありました。
でも、《マナの大鉢》は使われませんでした。
たぶん、タップだけで(1)を出す能力がないと、厳しいんだと思います。
でも、こいつはカードを1枚くれます。
加えて、《消しえる火》の問題があるので、(青)を出せるカードがデッキに何枚か入っているというのは、心強いものがあるでしょう。
ターン2のアクションとして、《断ち割る尖塔》を置くのと、《流砂》を置いて《予言》のプリズム、というのと、マナ・サポート的にはほとんど変わらないですが、カードが引けるのはいいような。
《断ち割る尖塔》を使うデッキがあるんだから、これを使うデッキがあってもいい気がします。
むしろプリズムを《コーの空漁師》でバウンスしてカードを引くとか。
・《刺し込む光/Puncturing Light》
白待望の軽量インスタント除去。
赤や黒を使わないコントロール・デッキが、黒赤アグロや赤白上陸に対処するための選択肢になることでしょう。
・《略奪の爆撃/Raid Bombardment》
早速落し子デッキが4積みで使い始めました。
複数枚貼るとエライコトに。
そうでなくても、《ドラゴンの餌》や《カターリの爆撃兵》を使うタイプのデッキにも入りそうな気がします。
ブロッカーは《くすぶる尖塔》と《ゴブリンの近道抜け》で何とかして下さいな。
・《海門の神官/Sea Gate Oracle》
今シーズンは、こいつが《コーの空漁師》で手札に戻っていくところがしばしば目撃される気がします。
わたしも早速デッキに入れました。
・《先読み/See Beyond》
《渦まく知識》には及びませんが、十分強いでしょう。
シャッフル機能内蔵なのがいいです。
《思案》をこれで置き換えられるかどうかは、マナ域の問題もあるので何とも言えませんが、試してみたいところです。
・《分かち合う発見/Shared Discovery》
《兵員への参加》を使うデッキには、クリーチャーを4体タップするのはさして難しくなさそうです。
この時代に同盟者を使うヒトがいるかどうかは分かりませんが。
他にも、《カルニの庭》や《カターリの爆撃兵》、落し子なんかも良さそうですね。
・《強打/Smite》
待望の白のインスタント除去その2。
《板金鎧の土百足》など、序盤から大きなサイズで殴ってくる連中には良く効くので、白の入るコントロール・デッキのサイドボードに需要がある気がします。
とはいえ、ブロックされてないと使えないので、基本飛んでる白青とか、ブロッカーを除去してくる黒赤とか、「それではブロックできない」とか言い始める赤単とかにはあまり効きません。
エルドラージは・・・、なるべくならブロックする前に殺したいものです。
・《よろめきショック/Staggershock》
すごい強いかな、と思いきや、実はこの環境、タフネス2以下のクリーチャーはそれほど多くなかったりして、そうそう1対2交換が取れることはないようです。
とはいえ、3マナで4点のプレイヤー火力という使い方でも十分強いです。
《炎の投げ槍》以来ジャマイカ.
赤単には4枚入るのでは。
・《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
確かに、こいつを何とかする方法はいくらでもありますが、必要なときにあるとは限らず。
一度でも滅殺2が誘発するようなことがあれば、だいぶげんなりします。
現在でも《心臓刺しの蚊》をキッカーで唱えたり《圧倒する雷》をサイクリングしたりするランプ・デッキはありますので、8マナは出せないレベルではありません。
落し子なんぞに頼らずとも、普通に出してくるデッキはあるのでは。
他人にあんまり使って欲しくないカードですなー。
・《ズーラポートの処罰者/Zulaport Enforcer》
黒い5/5はかなり死ににくい部類に入ります。
ある程度汎用的な対処手段は《未達への旅》《忘却の輪》の除去エンチャントと《終止》くらいですか。
《ヴァレロンの異国者》が効かないという点では《墓所の切り裂き魔》以上。
13マナは確かに安くはないですが、《墓所の切り裂き魔》だって同じくらいマナを食うだろうというハナシもあり。
ただし、破壊されて《グレイブディガー》で拾い直した後や、《コーの奉納者》で除去エンチャントから救出した後にも、やっぱり13マナかかるというのが些かイタダケナイところです。
多少弱点はありつつも、黒単も白黒コントロールも、これは使いたいのじゃないかと思いますが。
■新たなアーキタイプに依存する
こんなデッキが成り立つならば、そこには入るでしょう、という種類のカード。
デッキが成り立つかどうかの予測はなかなか難しいんですが、成り立ち度を高中低の3段階評価してみました。
●オーラ・デッキ ― 中成り立ち
《オーラのナーリッド》を中心としたデッキができるかもしれません。
とか言いつつ実は、あんまりできそうな気はしないのですが一応。
・《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》
デッキのキーですから当然4積みになることでしょう。
・《蛇の陰影/Snake Umbra》
陰影の中でもとりわけ強いカードなので、何か使い道がないかと思うチャレンジャーはいるのではないかと。
しかし、リミテッドではともかく、追放系やタフネス減少系の多いSPDCにおいては、陰影はカード・アドバンテージを失いがちなカードであることは間違いありません。
ハードルは高そうです。
だがしかし、オーラ・デッキに入れると言っても、他にロクな陰影はないわけで・・・。
・《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest》
オーラ・デッキなら4積みでしょう。
《サングライトの反発》とか《広がりゆく海》とか《破壊者のゼンディコン》とかを引っ張れます。
●落し子デッキ ― 高成り立ち
落し子をいっぱい出して使い倒すデッキができるかもしれません。
・《群れの誕生/Brood Birthing》
・《戦慄の徒食者/Dread Drone》
・《エムラクールの孵化者/Emrakul’s Hatcher》
・《成長の発作/Growth Spasm》
・《コジレックの捕食者/Kozilek’s Predator》
・《巣の侵略者/Nest Invader》
これらは落し子を出す役割のカード達です。
デッキにするためには、落し子を使う役割のカードも必要ですが、このセットの中にも、既存のカードにも、大量のトークンやマナを活かすものはあるので、それには困らないことでしょう。
・《エムラクールの手/Hand of Emrakul》
手だけで7/7。
ターン2《巣の侵略者》、ターン3《群れの誕生》から《エムラクールの手》っていう流れはやっぱり強いです。
単純にマナ加速で9マナはけっこう大変ですから、たぶん、落し子デッキでだけ使われるのではないかしら。
ただし、すべての落し子デッキに入るとは思えませんけども。
・《野心の発動者/Wildheart Invoker》
今のランプ・デッキは、コントロール寄りのものだけですが、落し子を使うとなると、アグロ系になるだろうと思います。
すると、こんなカードも有望じゃないかと思いますがどうかしら。
●白ウィニー ― 低成り立ち
ゴキブリと・・・とは言われますが、「ワールドウェイク」環境には白ウィニーはいませんでした。
今シーズンも成立するような気はあんまりしないんですが、一応。
・《隊商の随員/Caravan Escort》
余ったマナで鍛錬を重ねると、5/5先制攻撃に。
とはいえ(11)(白)は非常に重いです。
・《コーの綱投げ/Kor Line-Slinger》
かつての白ウィニーでは、《ゴールドメドウの侵略者》が使われた実績もありました。
もしかすると、マナを食わない分、それより優秀かも。
でもパワー0だからなぁ・・・。
《刺し込む光》の方が優先かもしれません。
・《闇の追い返し/Repel the Darkness》
白ウィニーの場合、ブロッカーを2体タップできたらゲームが終る状況はけっこうある気がします。
●濃霧デッキ ― 低成り立ち
濃霧を撃って時間を稼いでいる間に悪いことをするデッキができる・・・ような気はあんまりしないんですが、一応。
・《無害な突撃/Harmless Assault》
・《もやの蛙/Haze Frog》
《濃霧》《天使歌》《絡め汁》と合わせて、これで濃霧効果を持つカードがスタンダードに5種類。
《陽の泉の探検》や《疲弊の休息》も似たようなもんだと思うと、更に増えますね。
数はあるんですが、問題はフィニッシャーです。
《ハリマーの採掘者》とかか、あるいは《孔の歩哨》なのか。
●緑単 ― 低成り立ち
・《葉の矢/Leaf Arrow》
今は緑単はほとんどないんですが。
成り立つなら、サイドボードに入るような気がします。
●壁デッキ ― 中成り立ち
壁を並べて何か悪いことをするデッキができるかもしれません。
濃霧系のカードももしかしたらこっちに入るのかも。
・《断固たる盾持ち/Stalwart Shield-Bearers》
壁が高くなる壁。
2枚並ぶとわりとすごいことに。
しかし、この環境のデッキは、《ウラモグの破壊者》に対応できるようにできているはずなので、例えタフネス8だってどうにもならないわけではないことには注意すべきかと。
・《孔の歩哨/Vent Sentinel》
2枚並ぶと、毎ターン4マナで4点ずつ削れるってことですね。
攻め手がこれだけだと、線が細過ぎますし、《孔の歩哨》だけ除去されたらお疲れさまでしたってことになり兼ねないので、何か他にも工夫がいるだろうとは思いますが。
■入るかどうか微妙
それなりに役に立つので、入るような気もするけど不安要素も大きい、という種類のカード。
不安要素を何とかできるようなら入るんでしょう。
・《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman》
毎ターン《ぐらつく峰》は普通に強そうではありますが。
4マナと重いのが玉に瑕。
この重さを正当化できるようなアグロ・デッキがあるなら入ると思いますが、それってどんなデッキかしら。
・《汚染された地/Contaminated Ground》
黒を使うアグロ・デッキには入る可能性があると思います。
相手のデッキにも依りますが、1枚あたり6ダメージくらい入るのじゃないでしょうか。
色マナを縛りつつそれだけダメージ入るなら優秀ですよね。
・《短刀背のバジリスク/Daggerback Basilisk》
もしも緑単デッキが成立するなら、入る可能性はあるかもしれません。
でも《命取りの出家蜘蛛》の方が優先度は高いですよね。
例えば《蛇の陰影》や《ハイエナの陰影》を使うとかで、接死を8枚入れたいということにならない限りは出番はないような。
・《ひずみの一撃/Distortion Strike》
要するに青い本体火力カードで、その性能は対象に依存します。
「このターンだけ攻撃を通したい」生物に使うのはありかもしれません。
例えば《窯の悪鬼》や上陸生物や《ぐらつく峰》で強化した生物などです。
《ウラモグの破壊者》なんかも候補かもしれませんね。
接死クリーチャーが待ち構えているとか、《死者のインプ》の無限ブロックをかいくぐって殴りたいとかで。
が、カード・アドバンテージは失うので、基本的にアグロ・デッキでしか使われないはずです。
青の入るアグロ・デッキっていうのがどのくらいあるのか、というのがまずは疑問。
加えて、赤いデッキの場合、これより優先すべき非クリーチャー呪文がたくさんあるので、その中に割って入るのは難しそうです。
青が入って赤が入っていないアグロ・デッキで、上陸生物や《ウラモグの破壊者》なんかを使うデッキ・・・。
まあ、わたしが考えつかないだけかもしれませんが。
・《炎の斬りつけ/Flame Slash》
アグロ・デッキとしては、亀コンに当たったときに無駄カードになるのがちょっと痛いところ。
コントロールとしては、ソーサリーというのがイタダケません。
帯に短し襷に長しで、ぴったりの居場所がないような。
・《長魚の陰影/Eel Umbra》
軽くて瞬速がついてて、陰影の中では使いやすさはナンバー・ワンです。
しかし、肝心の効果が+1/+1するだけってのがどうもイタダケません。
緑が入るなら、《巨森の蔦》でいいや、ってことになりそうです。
緑が入らないデッキでならワンチャンスあるのかないのか。
・《本質の給餌/Essence Feed》
落し子が3つも出てくるのは確かにうれしいんですが。
肝心の機能が、6マナも払って本体3点ドレインだけというのが微妙です。
《ヴィスの吸収》もあまり使われてませんし。
よほどのオトシゴスキーなら使うのかも。
・《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》
タフネス2と相討ちができる1/1。
《吸血鬼の貴族》などと組み合わせると、《板金鎧の土百足》や《縫い目のドレイク》に効いたりすることもあります。
赤単で使うことも考えられるので、一応この場所に。
・《ハリマーの波見張り/Halimar Wavewatch》
レベル・アップ系のクリーチャーはどれもそうですが、めちゃくちゃマナを食うので、それを正当化できるデッキでないと使えません。
こいつは、最終奥義に達しても単なる6/6島渡り。
相手が島をコントロールしていない限り、用はなさそうです。
何かの具合でサイドボードでワン・チャンスある可能性もあるので、一応ここに。
ほら、亀コンがこれをサイド・インしたら、対処できないデッキもけっこうあるかもですし。
・《熱光線/Heat Ray》
普通に《噴出の稲妻》でいいような。
タフネス5以上のクリーチャーに対処したいという場合は、《破滅の刃》や《終止》があります。
黒は使いたくないのなら《マグマの裂け目》が。
理論上は、「赤は出るけど黒は出ない、湯水のようにマナが出るデッキ」でならば出番がなくはないはずですが。
果たしてそんなデッキからお呼びが掛かるのかどうなのか。
ウルザの頃、リミテッドで良くプレイしたカードで、懐かしさはあるんですが。
・《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》
先日実戦で相手に使われたばかりだというのにこんなところに置いといてすみません。
とはいえやはりなかなか構築デッキに居場所を求めるのは難しい気がするのですが。
接死生物に付けたらけっこううるさいので(《命取りの出家蜘蛛》とか)、そういう方面でワンチャンスあるのかないのか。
・《岸壁安息所の騎士/Knight of Cliffhaven》
赤白の飛行&バーンというアーキテクチャがありまして、そこには《グリフィンの歩哨》に代わってすぐにも入りそうです。
が、そんなアーキテクチャはもう成り立たないという説が有力なので、そうなると5マナ2/3飛行に居場所はないかも。
・《溶岩気の発動者/Lavafume Invoker》
《ラッパの一吹き》の方がハナシが早いような。
生物であることを生かしてどうこうというようなハナシがあるのなら、ワン・チャンスあるかもしれずないかもしれず。
・《大群の力/Might of the Masses》
生物を守る目的で入れるのなら《巨森の蔦》の方を優先すべきでしょうから、これを選ぶなら、フィニッシュ・ブローとしての役割を期待するということですよね。
同じような役割のカードには、《ゴブリンの奇襲隊》とか《ラッパの一吹き》とかがあると思います。
比較すると、軽いのは確かに利点ですが、対応されやすいのが問題という気もします。
それでも使うヒトもいるかもしれないので一応ここに。
・《睡眠発作/Narcolepsy》
青単にはもしかしたら入るのかもしれないなどと思ったりも。
しかし、環境は《コーの空漁師》で溢れかえってるので、この系統のオーラはアドバンテージを失い易く、メインには入れ難いと思います。
逆に、サイドボードには居場所がある可能性はあります。
例えば赤緑の落し子エルドラージにだったら効くかもしれませんよね。
・《オーガの歩哨/Ogre Sentry》
赤の入るデッキが単なる壁を欲しがる理由が分かりません。
赤が攻撃クリーチャーをコントロールしたいなら、除去を積めばいいと思うんですが。
もしかして、《孔の歩哨》デッキでワン・チャンスあるかもしれないので一応この場所に。
・《敬慕される教師/Venerated Teacher》
良く分かりませんが、レベル・アップ・デッキみたいのが成立するなら入れてもいいかもしれませんけど、そんなデッキ、重たくて回らない気がするんですが。
そうでもないものができるのなら。
■たぶんデッキには入らない
・《古きものの活性/Ancient Stirrings》
序盤はマナ基盤整備用カード。中盤以降は無色専用の《妖精からの助言》。
無色用途に意義を見出せるデッキには入るのかもしれませんが。
せいぜい《冒険者の装具》《大祖始の遺産》くらいかな?
もっと、デッキの1/4とか1/3とかが無色なら、教示者的に使えるかもしれませんが、そんなデッキは多分ない。
・《オーラの術策/Aura Finesse》
オーラを動かしたいのなら、このカードを入れるのじゃなくて、動かしたいオーラの枚数を増やせばいいですよね。
動かしたいオーラが4枚じゃ足らない、というならハナシは別ですが、4枚では足らず、しかも状況によって動かしたいオーラというと、《蛇の陰影》くらいしか思いつきません。
それだけのハナシなら、オーラを動かすのじゃなくて、ブロッカーを除去するとか、《巨森の蔦》を入れるとかする方が汎用性が高いんじゃないかしら。
ハナシとしては、《忌むべき者の頸木》を、能力が誘発したところで移動できたら面白いですね。《ぬかるみの荒廃》でもいいですが。
でも、そんなこと考えずに《破滅の刃》を入れる方が早いと思います。
・《バーラ・ゲドの蠍/Bala Ged Scorpion》
今のところこれのターゲットとして有力なのは、《ハリマーの採掘者》くらいですか。
《板金鎧の土百足》《ステップのオオヤマネコ》《オンドゥの僧侶》あたりをどうにかしたいのだったら、《水膨れ虫》でいいですもんね。
あるいは《ヴィティアのとげ刺し》とか。
となると、こいつに4マナ払う必要はなさそうです。
・《戦闘塁壁/Battle Rampart》
こいつの能力の対象として、アタッカーを選ぶ場合、そのアタッカーが3マナ以下なのであれば、こいつの代わりにもう1枚アタッカーを入れる方がハナシが早いですよね。
4マナ以上のファッティ(例えば《ロウクスの粗暴者》)を使う場合は、入る可能性もあるのかもしれません。
が、それにしたって、純粋なアグロ・デッキなら、こいつの代わりに2マナ3/2を入れるような気がしますが。
タップ能力持ちをターゲットにする可能性はあるかもしれませんが、現状使われているタップ能力持ちというと、《ヴィティアのとげ刺し》くらいでして、そのために入れる気にもならないような。
・《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》
現状《吸血鬼の貴族》も使われてませんからねぇ。
・《勇者のドレイク/Champion’s Drake》
レベル・アップ生物がたくさん入ったデッキでないと、安定して4/4飛行にはなれません。
が、レベル・アップ生物がたくさん入ったデッキは、重くて回らないと思います。
というか、レベル3のクリーチャーをコントロールしているのなら、それで殴ればいいような。
殴るのが仕事ではないレベル・アップ生物はコモンにはほとんどいませんし。
・《死の信者/Death Cultist》
《無残な収穫》が現役の頃であれば、悪いこともできたかもしれませんが。
《風切るイグアナール》や《忌むべき者の頸木》あたりと組み合わせて何か悪さができないかとか考えましたが、カード・アドバンテージを失うのは避けられないような。
・《悪魔の食欲/Demonic Appetite》
ただ+3/+3するだけのオーラでこの維持コストはなかなか厳しいものがあります。
《御身の刃》は使われましたが、あれは《夜空のミミック》の能力が誘発するからですし。
・《啓蒙/Demystify》
この環境、エンチャントを壊す需要はけっこうあります。
メインに入れてもそう外れないくらいには。
しかし、そのためには、《クァーサルの群れ魔道士》や《コーの奉納者》など、いいカードがあります。
アーティファクトが壊せないのも残念な感じ。
・《エランドの陰影/Eland Umbra》
タフネスを参照してどうこうするカードってあんまりないんですよね。
どうしても守りたい生物につける、って言っても、この環境《未達への旅》とかが普通にありますし・・・。
・《地割れの孔/Fissure Vent》
わざわざ除去したい特殊土地っていうと《断ち割る尖塔》か《流砂》くらいしかないですし、その2枚もそんなにいろんなデッキに入ってるわけでもありません。
《乱動する地形》か《破砕》で十分かと。
・《一瞬の散漫/Fleeting Distraction》
もしかすると《板金鎧の土百足》を殺すのに役に立つかもしれません。
あと、《バーラ・ゲドの蠍》とのコンボ。
それ以外の用途はちょっと思いつかないです。
・《霜風の発動者/Frostwind Invoker》
青くてマナを伸ばすデッキということですと、被覆クリーチャーを使うことになろうかと思います。
こいつは重い上に格好の除去の的になりそうな。
《嵐呼びの加護》4枚では不足だ、というデッキでもあれば別ですが、それもなさそうに思います。
・《薄暗狩り/Gloomhunter》
《ケリノアのコウモリ》が使われてませんので。
・《栄光の探求者/Glory Seeker》
《巣立つグリフィン》が使われてませんので。
というか、同じセットに《岸壁安息所の騎士》がいるっつーの。
・《ゴブリンのトンネル掘り/Goblin Tunneler》
ブロックされたくなければ火力でブロッカーを焼けばいいので、使われないでしょう。
・《グロータグの包囲抜け/Grotag Siege-Runner》
どうしても破壊したい防衛持ちっていうと、何でしょう?
《マキンディの盾の仲間》は、そうかもしれませんね。
それ以外だと、《孔の歩哨》くらい?
でも、普通は、防衛を持つクリーチャーを破壊したければ、クリーチャー除去呪文を入れるんだろうと思います。
クリーチャーであることやゴブリンであることが重要だっていうことであればまた別ですが。
そんなことよりも《方解石のカミツキガメ》を何とかすることを考えた方がいいと思います。
・《護衛の任務/Guard Duty》
《未達への旅》を使えばいいような。
今環境には《コーの空漁師》がいっぱいいるので、オーラで足止めするのはアドバンテージを失いがちなんですよね。
・《イキーラルの先導/Ikiral Outrider》
2/6警戒は弱くはないです。
《板金鎧の土百足》に対する一応の回答にもなりますし、《青ざめた出家蜘蛛》も止まります。
しかし、それだけだったら、もうちょっと安いカードがあります。
・《絶望の誘導/Induce Despair》
デッキに入るクリーチャーというと、たいていの場合は4マナまでだろうと思います。
一部には、《腐肉団》とか《青ざめた出家蜘蛛》とか《ウラモグの破壊者》とか、そりゃありますけども。
それに、実用上は-4/-4できれば十分だと思います。一部の例外を除けば。
そして3マナ-4/-4というだけなら、《墳墓の呪詛》でいいような。
生物と土地、どっちが手札に置いときやすいかと言えば土地ですよね。
そして、《墳墓の呪詛》もほとんど使われません。
・《ジュワー島の小走り/Jwari Scuttler》
《盲目の幻》が使われたという記憶はありません。
・《最後の口づけ/Last Kiss》
《薄暗がりへの消失》が帰ってきました。
が、さすがにこの環境には居場所はないような。
・《ラガークトカゲ/Lagac Lizard》
4マナも払うなら、他にもっといい生物がいると思います。
・《解明/Lay Bare》
《取り消し》ですら4枚入るデッキは少ないと言うのに、手札を見るために1マナ多く立たせておくことはできないです。
・《生命の運命/Living Destiny》
《疲弊の休息》と比べると泣けてきます。
・《マキンディのグリフィン/Makindi Griffin》
《縫い目のドレイク》は止まりますが。
4マナのクリーチャーは、もうちょっと具体的なアドバンテージがないと、なかなかデッキには入らないです。
・《マーフォークの観察者/Merfolk Observer》
《ハリマーの深み》を入れたくないとか4枚では足らないというデッキがあれば。
・《帰化/Naturalize》
《帰化》は今でも環境にあるカードですが、ほとんど使われてないのです。
今はもっといいカードがあるんですね。
・《ネーマの沈泥潜み/Nema Siltlurker》
い、いまどき《鉄の根の樹人族》。
《ブランチウッド・ツリーフォーク》は、《レッドウッド・ツリーフォーク》はどこいった。
《包囲マストドン》も使われてませんからねぇ。
・《夜霞/Nighthaze》
沼渡りが欲しいのなら、いいクリーチャーがいますし、ブロックされたくないのなら《ひずみの一撃》の方が。
・《思考の消滅/Perish the Thought》
《強要》ですなー。
ですがしかし、環境にはもともと同種のカードである《脳噛みつき》がありました。
確かに《思考の消滅》の方が軽いし青じゃなくても使えるしなんですけど、《思考の消滅》に需要があるなら《脳噛みつき》がもっと使われててもいいんじゃないかという気がします。
つまり、この環境にはそういう需要はないのでは。
・《逆行/Regress》
戻してうれしいパーマネントは確かにたくさんあるんですが、そのために《逆行》を使うかというと。
カード1枚くれる《乱動への突入》とか、ついでにもひとつ戻せる《上天の貿易風》とか、2/3飛行がついてくる《コーの空漁師》とかは確かに使われています。
何かそういうオマケがないと、これだけじゃ厳しい気がしますが。
・《補強された防壁/Reinforced Bulwark》
確かに、こいつが複数並ぶと、ウザイことこの上ないというのは分かります。
例えば緑白ウィニーは、ちょっと苦労させられるでしょう。
だがしかし、上陸デッキや黒赤は、こいつをラクラクと乗り越えてダメージを与えて来ます。
弱くはないんですけど、環境にマッチしないのではないかと。
・《減縮/Shrivel》
インスタントだったら環境に与えるインパクトは大きかったのですが。
ソーサリーだと《ゴブリンの奇襲隊》にも《方解石のカミツキガメ》にも効かないんですよね。
・《空見張りの達人/Skywatcher Adept》
《風乗りの長魚》ですらほとんど使われなかったのに、これが使われる理由はなさそうな気がするんですが。
・《魂の従者/Soul’s Attendant》
《魂の管理人》ですが、《魂の管理人》が使われてないですからねぇ。
8管理人デッキを組むというハナシならいざ知らず。
しかし、亀対策の《地鳴りの揺るぎ》が蔓延している昨今、8管理人デッキが強いとも思えないですが。
・《産卵の息/Spawning Breath》
入るとすれば落し子デッキくらいでしょうが、さすがに1点火力をデッキに入れる余裕はないような気がしますが。
・《蜘蛛の陰影/Spider Umbra》
《蜘蛛糸の網》もほとんど使われていません。
飛行ブロッカーが欲しいなら、最初から飛んでる(か到達を持っている)クリーチャーをデッキに入れればいいのではないかと。
オーラ・デッキとしても、うれしくはないと思います。
だって、折角オーラつけてるのに、ブロックなんてしたくないですよね。
・《胞子頭の蜘蛛/Sporecap Spider》
何のために入れるのか不明です。
・《踏みつけの仔/Stomper Cub》
そういえば《モストドン》も使われませんでした。
・《血の復讐/Vendetta》
《破滅の刃》じゃなくてこれを使う理由が良く分かりません。
・《炎の覆い/Wrap in Flames》
ブロック不可能にするカードなら、《くすぶる尖塔》や《ゴブリンの近道抜け》があります。
3体も同時にブロック不可能にしなくちゃならず、かつ、そうしたなら勝てる、という状況はたぶんほとんどない。
タフネス1のクリーチャーをいっぱい使うデッキが流行るということがあれば、もしかしたら出番があるかもしれませんが。
今も使われてないわけじゃないですが、被覆を持ってたり、速攻で殴ってきたりするので、このカードでは間に合いません。
赤白上陸だけは《板金鎧の土百足》と《ステップのオオヤマネコ》を使いますが、4マナ出るまで両方生かしておいたらこっちが死ぬる。
・《ゾフの影/Zof Shade》
色拘束の弱いシェイド。
弱いと言いつつ(黒)(黒)くらいは出ないと実用的じゃないでしょうから、やっぱり黒はある程度濃くないといけません。
また、黒はある程度濃くすることによって、《堕落の触手》や《ぬかるみの代価》など、活きてくるカードも数多くあります。
そう考えると《墓所の切り裂き魔》に軍配が上がるでしょう。
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■他のセットとの比較
・・・と言っても、今回から評価測度を変えたので、ストレートな比較はできないんですが。
「ゼンディカー」のときはこう予想しました。
・「使われるでしょう」:8 = 8%
・「使われてもおかしくない」:18 = 19%
・「どうだろう」:29 = 30%
・「ないでしょう」:42 = 43%
4枚足らないのは、何故か《雨雲の翼》《ニッサに選ばれし者》《気高き面影》《蜘蛛糸の網》が漏れてたからなのですが。
不注意でしょう。
「ワールドウェイク」ではこうでした。
・「使われるでしょう」:9 = 15%
・「使われてもおかしくない」:10 = 17%
・「どうだろう」:12 = 20%
・「ないでしょう」:29 = 48%
「ワールドウェイク」の方が少し両極端に寄ってますね。
ブロックの最初のセットの場合、環境が一度リセットされるので、はっきりしたことが言い難いということが反映されていると思います。
そして、肯定的な評価の割合が少し(5%)増えています。
誤差の範囲かもしれませんし、少し強く見えたのかもしれませんし。
今回の「エルドラージ覚醒」ではこうです。
「デッキに入りそう」:21 = 21%
「新たなアーキタイプに依存する」:19 = 19%
「入るかどうか微妙」:17 = 17%
「たぶんデッキには入らない」:43 = 43%
測度が変わってるところもありますが、それを加味しても、だいぶ傾向が変わりました。
「使われるでしょう」なカードの割合がずいぶん増えてます。
「ワールドウェイク」シーズンでは本当にいろんなカードが使われたので、その影響を少し引きずってる可能性もあります。
あるいは、カード・プールが広がってくると、それだけいろんなデッキの可能性が増えて、使われるカードの種類も増加するのじゃないか、ということもあるかもしれません。
続いて実績です。
「ゼンディカー」シーズンにおける「ゼンディカー」のコモン・カードでは、
・「良く使われた」:13 = 13%
・「ときどき使われた」:8 = 8%
・「ほとんど/全く使われなかった」:80 = 80%
でした。
これが「ワールドウェイク」シーズンになると、同じ「ゼンディカー」のコモンでも、
・「良く使われた」:19 = 19%
・「ときどき使われた」:15 = 15%
・「ほとんど/全く使われなかった」:67 = 66%
となりました。
「ワールドウェイク」シーズンにおける「ワールドウェイク」のコモン・カードは、
・「良く使われた」:17 = 28%
・「ときどき使われた」:9 = 15%
・「ほとんど/全く使われなかった」:34 = 57%
でした。
実績を見ると、
「ゼンディカー」よりも「ワールドウェイク」の方が、使われたカードの割合が多いです。
だから「ワールドウェイク」の方が強いセットだったかっていうと、必ずしもそうじゃないかもしれないのですが。
特殊な役割のカードがサイドボードで使われた例もありましたから。
「エルドラージ覚醒」の予測の割合は、前2作とはちょっと異なります。
わたしが最近の傾向を踏まえて/引きずって評価したせいなのか、それとも評価の精度が上がってきたからなのかは、あと何ヶ月かすると分かるんですなー。
それまでガンバルー.
もう今シーズンは開幕しちゃってるので、厳密には予想ではなかったりするのですが。
どうも自分的にしっくり来てなかったので、これまでとは少し評価測度を変えてお届けします。
■デッキに入りそう
既に実績を残しているアーキタイプに入るであろうカードや、そうしたアーキタイプに良く効くサイドボードになりそうなカードです。
・《血儀式の発動者/Bloodrite Invoker》
3マナ3/1というだけではなかなか使われないので、入れるなら能力の起動が前提でしょう。
ジャンド・ランプには《心臓刺しの蚊》《圧倒する雷》《カビのシャンブラー》なんかが入るわけですが、そのどこかに割って入れるのでは。
8マナで6点の《圧倒する雷》の半分の威力しかありませんけど、それを(マナが余ってるなら)毎ターン使えるのは悪くないです。
もうひとつ、3マナの生物としてターン3に出しておけるというのもメリットです。
相手がアグロだったら、《ステップのオオヤマネコ》や《コジレックの捕食者》なんかと相討ちしてくれれば満足ですし、相手がコントロールだったら、うっかり2回くらい殴れる展開もあるかも。
・《死者のインプ/Cadaver Imp》
デッキに《グレイブディガー》が8枚!
《巡礼者の目》も、賛美と組み合わせたりしたら意外と強かったし、これも、能力だけじゃなくて、1/1飛行としての評価もあるかもしれません。
色拘束がちょっと厳しいのですが、2色デッキなら問題なく運用できることでしょう。
・《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker》
緑白中速のフィニッシャーになりそうな気がします。
・《剥奪/Deprive》
亀コンや青黒が喜んで入れそうです。
そして《ハリマーの深み》や《カビーラの交差路》や《ボジューカの沼》を戻しそうです。
青赤は《ぐらつく峰》を戻して《窯の悪鬼》が何度も強まったりするのかしら。
・《進化する未開地/Evolving Wilds》
デッキに《広漠なる変幻地》が8枚!
多色コントロールにはますます追い風ですね。
・《窯の悪鬼/Kiln Fiend》
黒赤デッキに余裕で四積みでしょう。
ターン2にこいつ。
ターン3に《荒廃稲妻》(または《血の署名》)。
ターン4に《破壊者のゼンディコン》。
・《孤独な宣教師/Lone Missionary》
コントロールのアグロ対策として、《疲弊の休息》にとって代わる存在かと。
ゲインは4点ですが、ブロックで相討ちが取れるか、または、相手の除去を2点か3点分引き受けることができます。
あまつさえ、《グレイブディガー》や《不気味な発見》で再利用もできます。
・《記憶の壁/Mnemonic Wall》
何かを墓地から拾うクリーチャーは、常に使われる可能性はあります。
《不気味な発見》で拾って出すと、何故か土地1枚のアドバンテージが。
亀コンは《圧倒する雷》を拾いたいでしょう。
わたしも早速デッキを一つ作りました。
・《虚身の勇者/Null Champion》
黒赤アグロはこれを使うような気がします。
5マナ使った挙句に《噴出の稲妻》で処理されちゃうのはさすがにどうか、という気もしなくもないですが、デッキの大部分がソーサリーやインスタントで、マナにはけっこう余裕があるデッキですからね。
特に、トップ勝負になってから引いたら鬼のように強い気がします。
・《オンドゥの巨人/Ondu Giant》
土地をくれる《ロウクスの瞑黙者》。
《ロウクスの瞑黙者》を使っていて分かりましたが、2/4というボディはかなり頼もしいものがあります。
4マナも出てたらもう土地なんていらないっていうデッキもあるでしょうけど、そうでないデッキもあります。
ジャンド・ランプとか。
あるいは、エルドラージを使うようなデッキも、これを入れたいかもしれません。
・《草茂る胸壁/Overgrown Battlement》
マナの出る壁。
序盤はタップ・アウトして《オンドゥの巨人》とかを呼んで、中盤はブロックしつつ《巨森の蔦》を構えつつ。
7マナ8マナに達したらフィニッシャーを出すとかそういう感じで使える気がします。
別段壁デッキとかでなくても、《根の壁》みたいな感じで活躍しそう。
・《予言のプリズム/Prophetic Prism》
《虹色のレンズ》は良く使われました。
《ゆらめく岩屋》はそれほどでもありませんでしたが、でも、採用したデッキはいくつかありました。
でも、《マナの大鉢》は使われませんでした。
たぶん、タップだけで(1)を出す能力がないと、厳しいんだと思います。
でも、こいつはカードを1枚くれます。
加えて、《消しえる火》の問題があるので、(青)を出せるカードがデッキに何枚か入っているというのは、心強いものがあるでしょう。
ターン2のアクションとして、《断ち割る尖塔》を置くのと、《流砂》を置いて《予言》のプリズム、というのと、マナ・サポート的にはほとんど変わらないですが、カードが引けるのはいいような。
《断ち割る尖塔》を使うデッキがあるんだから、これを使うデッキがあってもいい気がします。
むしろプリズムを《コーの空漁師》でバウンスしてカードを引くとか。
・《刺し込む光/Puncturing Light》
白待望の軽量インスタント除去。
赤や黒を使わないコントロール・デッキが、黒赤アグロや赤白上陸に対処するための選択肢になることでしょう。
・《略奪の爆撃/Raid Bombardment》
早速落し子デッキが4積みで使い始めました。
複数枚貼るとエライコトに。
そうでなくても、《ドラゴンの餌》や《カターリの爆撃兵》を使うタイプのデッキにも入りそうな気がします。
ブロッカーは《くすぶる尖塔》と《ゴブリンの近道抜け》で何とかして下さいな。
・《海門の神官/Sea Gate Oracle》
今シーズンは、こいつが《コーの空漁師》で手札に戻っていくところがしばしば目撃される気がします。
わたしも早速デッキに入れました。
・《先読み/See Beyond》
《渦まく知識》には及びませんが、十分強いでしょう。
シャッフル機能内蔵なのがいいです。
《思案》をこれで置き換えられるかどうかは、マナ域の問題もあるので何とも言えませんが、試してみたいところです。
・《分かち合う発見/Shared Discovery》
《兵員への参加》を使うデッキには、クリーチャーを4体タップするのはさして難しくなさそうです。
この時代に同盟者を使うヒトがいるかどうかは分かりませんが。
他にも、《カルニの庭》や《カターリの爆撃兵》、落し子なんかも良さそうですね。
・《強打/Smite》
待望の白のインスタント除去その2。
《板金鎧の土百足》など、序盤から大きなサイズで殴ってくる連中には良く効くので、白の入るコントロール・デッキのサイドボードに需要がある気がします。
とはいえ、ブロックされてないと使えないので、基本飛んでる白青とか、ブロッカーを除去してくる黒赤とか、「それではブロックできない」とか言い始める赤単とかにはあまり効きません。
エルドラージは・・・、なるべくならブロックする前に殺したいものです。
・《よろめきショック/Staggershock》
すごい強いかな、と思いきや、実はこの環境、タフネス2以下のクリーチャーはそれほど多くなかったりして、そうそう1対2交換が取れることはないようです。
とはいえ、3マナで4点のプレイヤー火力という使い方でも十分強いです。
《炎の投げ槍》以来ジャマイカ.
赤単には4枚入るのでは。
・《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher》
確かに、こいつを何とかする方法はいくらでもありますが、必要なときにあるとは限らず。
一度でも滅殺2が誘発するようなことがあれば、だいぶげんなりします。
現在でも《心臓刺しの蚊》をキッカーで唱えたり《圧倒する雷》をサイクリングしたりするランプ・デッキはありますので、8マナは出せないレベルではありません。
落し子なんぞに頼らずとも、普通に出してくるデッキはあるのでは。
他人にあんまり使って欲しくないカードですなー。
・《ズーラポートの処罰者/Zulaport Enforcer》
黒い5/5はかなり死ににくい部類に入ります。
ある程度汎用的な対処手段は《未達への旅》《忘却の輪》の除去エンチャントと《終止》くらいですか。
《ヴァレロンの異国者》が効かないという点では《墓所の切り裂き魔》以上。
13マナは確かに安くはないですが、《墓所の切り裂き魔》だって同じくらいマナを食うだろうというハナシもあり。
ただし、破壊されて《グレイブディガー》で拾い直した後や、《コーの奉納者》で除去エンチャントから救出した後にも、やっぱり13マナかかるというのが些かイタダケナイところです。
多少弱点はありつつも、黒単も白黒コントロールも、これは使いたいのじゃないかと思いますが。
■新たなアーキタイプに依存する
こんなデッキが成り立つならば、そこには入るでしょう、という種類のカード。
デッキが成り立つかどうかの予測はなかなか難しいんですが、成り立ち度を高中低の3段階評価してみました。
●オーラ・デッキ ― 中成り立ち
《オーラのナーリッド》を中心としたデッキができるかもしれません。
とか言いつつ実は、あんまりできそうな気はしないのですが一応。
・《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》
デッキのキーですから当然4積みになることでしょう。
・《蛇の陰影/Snake Umbra》
陰影の中でもとりわけ強いカードなので、何か使い道がないかと思うチャレンジャーはいるのではないかと。
しかし、リミテッドではともかく、追放系やタフネス減少系の多いSPDCにおいては、陰影はカード・アドバンテージを失いがちなカードであることは間違いありません。
ハードルは高そうです。
だがしかし、オーラ・デッキに入れると言っても、他にロクな陰影はないわけで・・・。
・《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest》
オーラ・デッキなら4積みでしょう。
《サングライトの反発》とか《広がりゆく海》とか《破壊者のゼンディコン》とかを引っ張れます。
●落し子デッキ ― 高成り立ち
落し子をいっぱい出して使い倒すデッキができるかもしれません。
・《群れの誕生/Brood Birthing》
・《戦慄の徒食者/Dread Drone》
・《エムラクールの孵化者/Emrakul’s Hatcher》
・《成長の発作/Growth Spasm》
・《コジレックの捕食者/Kozilek’s Predator》
・《巣の侵略者/Nest Invader》
これらは落し子を出す役割のカード達です。
デッキにするためには、落し子を使う役割のカードも必要ですが、このセットの中にも、既存のカードにも、大量のトークンやマナを活かすものはあるので、それには困らないことでしょう。
・《エムラクールの手/Hand of Emrakul》
手だけで7/7。
ターン2《巣の侵略者》、ターン3《群れの誕生》から《エムラクールの手》っていう流れはやっぱり強いです。
単純にマナ加速で9マナはけっこう大変ですから、たぶん、落し子デッキでだけ使われるのではないかしら。
ただし、すべての落し子デッキに入るとは思えませんけども。
・《野心の発動者/Wildheart Invoker》
今のランプ・デッキは、コントロール寄りのものだけですが、落し子を使うとなると、アグロ系になるだろうと思います。
すると、こんなカードも有望じゃないかと思いますがどうかしら。
●白ウィニー ― 低成り立ち
ゴキブリと・・・とは言われますが、「ワールドウェイク」環境には白ウィニーはいませんでした。
今シーズンも成立するような気はあんまりしないんですが、一応。
・《隊商の随員/Caravan Escort》
余ったマナで鍛錬を重ねると、5/5先制攻撃に。
とはいえ(11)(白)は非常に重いです。
・《コーの綱投げ/Kor Line-Slinger》
かつての白ウィニーでは、《ゴールドメドウの侵略者》が使われた実績もありました。
もしかすると、マナを食わない分、それより優秀かも。
でもパワー0だからなぁ・・・。
《刺し込む光》の方が優先かもしれません。
・《闇の追い返し/Repel the Darkness》
白ウィニーの場合、ブロッカーを2体タップできたらゲームが終る状況はけっこうある気がします。
●濃霧デッキ ― 低成り立ち
濃霧を撃って時間を稼いでいる間に悪いことをするデッキができる・・・ような気はあんまりしないんですが、一応。
・《無害な突撃/Harmless Assault》
・《もやの蛙/Haze Frog》
《濃霧》《天使歌》《絡め汁》と合わせて、これで濃霧効果を持つカードがスタンダードに5種類。
《陽の泉の探検》や《疲弊の休息》も似たようなもんだと思うと、更に増えますね。
数はあるんですが、問題はフィニッシャーです。
《ハリマーの採掘者》とかか、あるいは《孔の歩哨》なのか。
●緑単 ― 低成り立ち
・《葉の矢/Leaf Arrow》
今は緑単はほとんどないんですが。
成り立つなら、サイドボードに入るような気がします。
●壁デッキ ― 中成り立ち
壁を並べて何か悪いことをするデッキができるかもしれません。
濃霧系のカードももしかしたらこっちに入るのかも。
・《断固たる盾持ち/Stalwart Shield-Bearers》
壁が高くなる壁。
2枚並ぶとわりとすごいことに。
しかし、この環境のデッキは、《ウラモグの破壊者》に対応できるようにできているはずなので、例えタフネス8だってどうにもならないわけではないことには注意すべきかと。
・《孔の歩哨/Vent Sentinel》
2枚並ぶと、毎ターン4マナで4点ずつ削れるってことですね。
攻め手がこれだけだと、線が細過ぎますし、《孔の歩哨》だけ除去されたらお疲れさまでしたってことになり兼ねないので、何か他にも工夫がいるだろうとは思いますが。
■入るかどうか微妙
それなりに役に立つので、入るような気もするけど不安要素も大きい、という種類のカード。
不安要素を何とかできるようなら入るんでしょう。
・《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman》
毎ターン《ぐらつく峰》は普通に強そうではありますが。
4マナと重いのが玉に瑕。
この重さを正当化できるようなアグロ・デッキがあるなら入ると思いますが、それってどんなデッキかしら。
・《汚染された地/Contaminated Ground》
黒を使うアグロ・デッキには入る可能性があると思います。
相手のデッキにも依りますが、1枚あたり6ダメージくらい入るのじゃないでしょうか。
色マナを縛りつつそれだけダメージ入るなら優秀ですよね。
・《短刀背のバジリスク/Daggerback Basilisk》
もしも緑単デッキが成立するなら、入る可能性はあるかもしれません。
でも《命取りの出家蜘蛛》の方が優先度は高いですよね。
例えば《蛇の陰影》や《ハイエナの陰影》を使うとかで、接死を8枚入れたいということにならない限りは出番はないような。
・《ひずみの一撃/Distortion Strike》
要するに青い本体火力カードで、その性能は対象に依存します。
「このターンだけ攻撃を通したい」生物に使うのはありかもしれません。
例えば《窯の悪鬼》や上陸生物や《ぐらつく峰》で強化した生物などです。
《ウラモグの破壊者》なんかも候補かもしれませんね。
接死クリーチャーが待ち構えているとか、《死者のインプ》の無限ブロックをかいくぐって殴りたいとかで。
が、カード・アドバンテージは失うので、基本的にアグロ・デッキでしか使われないはずです。
青の入るアグロ・デッキっていうのがどのくらいあるのか、というのがまずは疑問。
加えて、赤いデッキの場合、これより優先すべき非クリーチャー呪文がたくさんあるので、その中に割って入るのは難しそうです。
青が入って赤が入っていないアグロ・デッキで、上陸生物や《ウラモグの破壊者》なんかを使うデッキ・・・。
まあ、わたしが考えつかないだけかもしれませんが。
・《炎の斬りつけ/Flame Slash》
アグロ・デッキとしては、亀コンに当たったときに無駄カードになるのがちょっと痛いところ。
コントロールとしては、ソーサリーというのがイタダケません。
帯に短し襷に長しで、ぴったりの居場所がないような。
・《長魚の陰影/Eel Umbra》
軽くて瞬速がついてて、陰影の中では使いやすさはナンバー・ワンです。
しかし、肝心の効果が+1/+1するだけってのがどうもイタダケません。
緑が入るなら、《巨森の蔦》でいいや、ってことになりそうです。
緑が入らないデッキでならワンチャンスあるのかないのか。
・《本質の給餌/Essence Feed》
落し子が3つも出てくるのは確かにうれしいんですが。
肝心の機能が、6マナも払って本体3点ドレインだけというのが微妙です。
《ヴィスの吸収》もあまり使われてませんし。
よほどのオトシゴスキーなら使うのかも。
・《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》
タフネス2と相討ちができる1/1。
《吸血鬼の貴族》などと組み合わせると、《板金鎧の土百足》や《縫い目のドレイク》に効いたりすることもあります。
赤単で使うことも考えられるので、一応この場所に。
・《ハリマーの波見張り/Halimar Wavewatch》
レベル・アップ系のクリーチャーはどれもそうですが、めちゃくちゃマナを食うので、それを正当化できるデッキでないと使えません。
こいつは、最終奥義に達しても単なる6/6島渡り。
相手が島をコントロールしていない限り、用はなさそうです。
何かの具合でサイドボードでワン・チャンスある可能性もあるので、一応ここに。
ほら、亀コンがこれをサイド・インしたら、対処できないデッキもけっこうあるかもですし。
・《熱光線/Heat Ray》
普通に《噴出の稲妻》でいいような。
タフネス5以上のクリーチャーに対処したいという場合は、《破滅の刃》や《終止》があります。
黒は使いたくないのなら《マグマの裂け目》が。
理論上は、「赤は出るけど黒は出ない、湯水のようにマナが出るデッキ」でならば出番がなくはないはずですが。
果たしてそんなデッキからお呼びが掛かるのかどうなのか。
ウルザの頃、リミテッドで良くプレイしたカードで、懐かしさはあるんですが。
・《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》
先日実戦で相手に使われたばかりだというのにこんなところに置いといてすみません。
とはいえやはりなかなか構築デッキに居場所を求めるのは難しい気がするのですが。
接死生物に付けたらけっこううるさいので(《命取りの出家蜘蛛》とか)、そういう方面でワンチャンスあるのかないのか。
・《岸壁安息所の騎士/Knight of Cliffhaven》
赤白の飛行&バーンというアーキテクチャがありまして、そこには《グリフィンの歩哨》に代わってすぐにも入りそうです。
が、そんなアーキテクチャはもう成り立たないという説が有力なので、そうなると5マナ2/3飛行に居場所はないかも。
・《溶岩気の発動者/Lavafume Invoker》
《ラッパの一吹き》の方がハナシが早いような。
生物であることを生かしてどうこうというようなハナシがあるのなら、ワン・チャンスあるかもしれずないかもしれず。
・《大群の力/Might of the Masses》
生物を守る目的で入れるのなら《巨森の蔦》の方を優先すべきでしょうから、これを選ぶなら、フィニッシュ・ブローとしての役割を期待するということですよね。
同じような役割のカードには、《ゴブリンの奇襲隊》とか《ラッパの一吹き》とかがあると思います。
比較すると、軽いのは確かに利点ですが、対応されやすいのが問題という気もします。
それでも使うヒトもいるかもしれないので一応ここに。
・《睡眠発作/Narcolepsy》
青単にはもしかしたら入るのかもしれないなどと思ったりも。
しかし、環境は《コーの空漁師》で溢れかえってるので、この系統のオーラはアドバンテージを失い易く、メインには入れ難いと思います。
逆に、サイドボードには居場所がある可能性はあります。
例えば赤緑の落し子エルドラージにだったら効くかもしれませんよね。
・《オーガの歩哨/Ogre Sentry》
赤の入るデッキが単なる壁を欲しがる理由が分かりません。
赤が攻撃クリーチャーをコントロールしたいなら、除去を積めばいいと思うんですが。
もしかして、《孔の歩哨》デッキでワン・チャンスあるかもしれないので一応この場所に。
・《敬慕される教師/Venerated Teacher》
良く分かりませんが、レベル・アップ・デッキみたいのが成立するなら入れてもいいかもしれませんけど、そんなデッキ、重たくて回らない気がするんですが。
そうでもないものができるのなら。
■たぶんデッキには入らない
・《古きものの活性/Ancient Stirrings》
序盤はマナ基盤整備用カード。中盤以降は無色専用の《妖精からの助言》。
無色用途に意義を見出せるデッキには入るのかもしれませんが。
せいぜい《冒険者の装具》《大祖始の遺産》くらいかな?
もっと、デッキの1/4とか1/3とかが無色なら、教示者的に使えるかもしれませんが、そんなデッキは多分ない。
・《オーラの術策/Aura Finesse》
オーラを動かしたいのなら、このカードを入れるのじゃなくて、動かしたいオーラの枚数を増やせばいいですよね。
動かしたいオーラが4枚じゃ足らない、というならハナシは別ですが、4枚では足らず、しかも状況によって動かしたいオーラというと、《蛇の陰影》くらいしか思いつきません。
それだけのハナシなら、オーラを動かすのじゃなくて、ブロッカーを除去するとか、《巨森の蔦》を入れるとかする方が汎用性が高いんじゃないかしら。
ハナシとしては、《忌むべき者の頸木》を、能力が誘発したところで移動できたら面白いですね。《ぬかるみの荒廃》でもいいですが。
でも、そんなこと考えずに《破滅の刃》を入れる方が早いと思います。
・《バーラ・ゲドの蠍/Bala Ged Scorpion》
今のところこれのターゲットとして有力なのは、《ハリマーの採掘者》くらいですか。
《板金鎧の土百足》《ステップのオオヤマネコ》《オンドゥの僧侶》あたりをどうにかしたいのだったら、《水膨れ虫》でいいですもんね。
あるいは《ヴィティアのとげ刺し》とか。
となると、こいつに4マナ払う必要はなさそうです。
・《戦闘塁壁/Battle Rampart》
こいつの能力の対象として、アタッカーを選ぶ場合、そのアタッカーが3マナ以下なのであれば、こいつの代わりにもう1枚アタッカーを入れる方がハナシが早いですよね。
4マナ以上のファッティ(例えば《ロウクスの粗暴者》)を使う場合は、入る可能性もあるのかもしれません。
が、それにしたって、純粋なアグロ・デッキなら、こいつの代わりに2マナ3/2を入れるような気がしますが。
タップ能力持ちをターゲットにする可能性はあるかもしれませんが、現状使われているタップ能力持ちというと、《ヴィティアのとげ刺し》くらいでして、そのために入れる気にもならないような。
・《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》
現状《吸血鬼の貴族》も使われてませんからねぇ。
・《勇者のドレイク/Champion’s Drake》
レベル・アップ生物がたくさん入ったデッキでないと、安定して4/4飛行にはなれません。
が、レベル・アップ生物がたくさん入ったデッキは、重くて回らないと思います。
というか、レベル3のクリーチャーをコントロールしているのなら、それで殴ればいいような。
殴るのが仕事ではないレベル・アップ生物はコモンにはほとんどいませんし。
・《死の信者/Death Cultist》
《無残な収穫》が現役の頃であれば、悪いこともできたかもしれませんが。
《風切るイグアナール》や《忌むべき者の頸木》あたりと組み合わせて何か悪さができないかとか考えましたが、カード・アドバンテージを失うのは避けられないような。
・《悪魔の食欲/Demonic Appetite》
ただ+3/+3するだけのオーラでこの維持コストはなかなか厳しいものがあります。
《御身の刃》は使われましたが、あれは《夜空のミミック》の能力が誘発するからですし。
・《啓蒙/Demystify》
この環境、エンチャントを壊す需要はけっこうあります。
メインに入れてもそう外れないくらいには。
しかし、そのためには、《クァーサルの群れ魔道士》や《コーの奉納者》など、いいカードがあります。
アーティファクトが壊せないのも残念な感じ。
・《エランドの陰影/Eland Umbra》
タフネスを参照してどうこうするカードってあんまりないんですよね。
どうしても守りたい生物につける、って言っても、この環境《未達への旅》とかが普通にありますし・・・。
・《地割れの孔/Fissure Vent》
わざわざ除去したい特殊土地っていうと《断ち割る尖塔》か《流砂》くらいしかないですし、その2枚もそんなにいろんなデッキに入ってるわけでもありません。
《乱動する地形》か《破砕》で十分かと。
・《一瞬の散漫/Fleeting Distraction》
もしかすると《板金鎧の土百足》を殺すのに役に立つかもしれません。
あと、《バーラ・ゲドの蠍》とのコンボ。
それ以外の用途はちょっと思いつかないです。
・《霜風の発動者/Frostwind Invoker》
青くてマナを伸ばすデッキということですと、被覆クリーチャーを使うことになろうかと思います。
こいつは重い上に格好の除去の的になりそうな。
《嵐呼びの加護》4枚では不足だ、というデッキでもあれば別ですが、それもなさそうに思います。
・《薄暗狩り/Gloomhunter》
《ケリノアのコウモリ》が使われてませんので。
・《栄光の探求者/Glory Seeker》
《巣立つグリフィン》が使われてませんので。
というか、同じセットに《岸壁安息所の騎士》がいるっつーの。
・《ゴブリンのトンネル掘り/Goblin Tunneler》
ブロックされたくなければ火力でブロッカーを焼けばいいので、使われないでしょう。
・《グロータグの包囲抜け/Grotag Siege-Runner》
どうしても破壊したい防衛持ちっていうと、何でしょう?
《マキンディの盾の仲間》は、そうかもしれませんね。
それ以外だと、《孔の歩哨》くらい?
でも、普通は、防衛を持つクリーチャーを破壊したければ、クリーチャー除去呪文を入れるんだろうと思います。
クリーチャーであることやゴブリンであることが重要だっていうことであればまた別ですが。
そんなことよりも《方解石のカミツキガメ》を何とかすることを考えた方がいいと思います。
・《護衛の任務/Guard Duty》
《未達への旅》を使えばいいような。
今環境には《コーの空漁師》がいっぱいいるので、オーラで足止めするのはアドバンテージを失いがちなんですよね。
・《イキーラルの先導/Ikiral Outrider》
2/6警戒は弱くはないです。
《板金鎧の土百足》に対する一応の回答にもなりますし、《青ざめた出家蜘蛛》も止まります。
しかし、それだけだったら、もうちょっと安いカードがあります。
・《絶望の誘導/Induce Despair》
デッキに入るクリーチャーというと、たいていの場合は4マナまでだろうと思います。
一部には、《腐肉団》とか《青ざめた出家蜘蛛》とか《ウラモグの破壊者》とか、そりゃありますけども。
それに、実用上は-4/-4できれば十分だと思います。一部の例外を除けば。
そして3マナ-4/-4というだけなら、《墳墓の呪詛》でいいような。
生物と土地、どっちが手札に置いときやすいかと言えば土地ですよね。
そして、《墳墓の呪詛》もほとんど使われません。
・《ジュワー島の小走り/Jwari Scuttler》
《盲目の幻》が使われたという記憶はありません。
・《最後の口づけ/Last Kiss》
《薄暗がりへの消失》が帰ってきました。
が、さすがにこの環境には居場所はないような。
・《ラガークトカゲ/Lagac Lizard》
4マナも払うなら、他にもっといい生物がいると思います。
・《解明/Lay Bare》
《取り消し》ですら4枚入るデッキは少ないと言うのに、手札を見るために1マナ多く立たせておくことはできないです。
・《生命の運命/Living Destiny》
《疲弊の休息》と比べると泣けてきます。
・《マキンディのグリフィン/Makindi Griffin》
《縫い目のドレイク》は止まりますが。
4マナのクリーチャーは、もうちょっと具体的なアドバンテージがないと、なかなかデッキには入らないです。
・《マーフォークの観察者/Merfolk Observer》
《ハリマーの深み》を入れたくないとか4枚では足らないというデッキがあれば。
・《帰化/Naturalize》
《帰化》は今でも環境にあるカードですが、ほとんど使われてないのです。
今はもっといいカードがあるんですね。
・《ネーマの沈泥潜み/Nema Siltlurker》
い、いまどき《鉄の根の樹人族》。
《ブランチウッド・ツリーフォーク》は、《レッドウッド・ツリーフォーク》はどこいった。
《包囲マストドン》も使われてませんからねぇ。
・《夜霞/Nighthaze》
沼渡りが欲しいのなら、いいクリーチャーがいますし、ブロックされたくないのなら《ひずみの一撃》の方が。
・《思考の消滅/Perish the Thought》
《強要》ですなー。
ですがしかし、環境にはもともと同種のカードである《脳噛みつき》がありました。
確かに《思考の消滅》の方が軽いし青じゃなくても使えるしなんですけど、《思考の消滅》に需要があるなら《脳噛みつき》がもっと使われててもいいんじゃないかという気がします。
つまり、この環境にはそういう需要はないのでは。
・《逆行/Regress》
戻してうれしいパーマネントは確かにたくさんあるんですが、そのために《逆行》を使うかというと。
カード1枚くれる《乱動への突入》とか、ついでにもひとつ戻せる《上天の貿易風》とか、2/3飛行がついてくる《コーの空漁師》とかは確かに使われています。
何かそういうオマケがないと、これだけじゃ厳しい気がしますが。
・《補強された防壁/Reinforced Bulwark》
確かに、こいつが複数並ぶと、ウザイことこの上ないというのは分かります。
例えば緑白ウィニーは、ちょっと苦労させられるでしょう。
だがしかし、上陸デッキや黒赤は、こいつをラクラクと乗り越えてダメージを与えて来ます。
弱くはないんですけど、環境にマッチしないのではないかと。
・《減縮/Shrivel》
インスタントだったら環境に与えるインパクトは大きかったのですが。
ソーサリーだと《ゴブリンの奇襲隊》にも《方解石のカミツキガメ》にも効かないんですよね。
・《空見張りの達人/Skywatcher Adept》
《風乗りの長魚》ですらほとんど使われなかったのに、これが使われる理由はなさそうな気がするんですが。
・《魂の従者/Soul’s Attendant》
《魂の管理人》ですが、《魂の管理人》が使われてないですからねぇ。
8管理人デッキを組むというハナシならいざ知らず。
しかし、亀対策の《地鳴りの揺るぎ》が蔓延している昨今、8管理人デッキが強いとも思えないですが。
・《産卵の息/Spawning Breath》
入るとすれば落し子デッキくらいでしょうが、さすがに1点火力をデッキに入れる余裕はないような気がしますが。
・《蜘蛛の陰影/Spider Umbra》
《蜘蛛糸の網》もほとんど使われていません。
飛行ブロッカーが欲しいなら、最初から飛んでる(か到達を持っている)クリーチャーをデッキに入れればいいのではないかと。
オーラ・デッキとしても、うれしくはないと思います。
だって、折角オーラつけてるのに、ブロックなんてしたくないですよね。
・《胞子頭の蜘蛛/Sporecap Spider》
何のために入れるのか不明です。
・《踏みつけの仔/Stomper Cub》
そういえば《モストドン》も使われませんでした。
・《血の復讐/Vendetta》
《破滅の刃》じゃなくてこれを使う理由が良く分かりません。
・《炎の覆い/Wrap in Flames》
ブロック不可能にするカードなら、《くすぶる尖塔》や《ゴブリンの近道抜け》があります。
3体も同時にブロック不可能にしなくちゃならず、かつ、そうしたなら勝てる、という状況はたぶんほとんどない。
タフネス1のクリーチャーをいっぱい使うデッキが流行るということがあれば、もしかしたら出番があるかもしれませんが。
今も使われてないわけじゃないですが、被覆を持ってたり、速攻で殴ってきたりするので、このカードでは間に合いません。
赤白上陸だけは《板金鎧の土百足》と《ステップのオオヤマネコ》を使いますが、4マナ出るまで両方生かしておいたらこっちが死ぬる。
・《ゾフの影/Zof Shade》
色拘束の弱いシェイド。
弱いと言いつつ(黒)(黒)くらいは出ないと実用的じゃないでしょうから、やっぱり黒はある程度濃くないといけません。
また、黒はある程度濃くすることによって、《堕落の触手》や《ぬかるみの代価》など、活きてくるカードも数多くあります。
そう考えると《墓所の切り裂き魔》に軍配が上がるでしょう。
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■他のセットとの比較
・・・と言っても、今回から評価測度を変えたので、ストレートな比較はできないんですが。
「ゼンディカー」のときはこう予想しました。
・「使われるでしょう」:8 = 8%
・「使われてもおかしくない」:18 = 19%
・「どうだろう」:29 = 30%
・「ないでしょう」:42 = 43%
4枚足らないのは、何故か《雨雲の翼》《ニッサに選ばれし者》《気高き面影》《蜘蛛糸の網》が漏れてたからなのですが。
不注意でしょう。
「ワールドウェイク」ではこうでした。
・「使われるでしょう」:9 = 15%
・「使われてもおかしくない」:10 = 17%
・「どうだろう」:12 = 20%
・「ないでしょう」:29 = 48%
「ワールドウェイク」の方が少し両極端に寄ってますね。
ブロックの最初のセットの場合、環境が一度リセットされるので、はっきりしたことが言い難いということが反映されていると思います。
そして、肯定的な評価の割合が少し(5%)増えています。
誤差の範囲かもしれませんし、少し強く見えたのかもしれませんし。
今回の「エルドラージ覚醒」ではこうです。
「デッキに入りそう」:21 = 21%
「新たなアーキタイプに依存する」:19 = 19%
「入るかどうか微妙」:17 = 17%
「たぶんデッキには入らない」:43 = 43%
測度が変わってるところもありますが、それを加味しても、だいぶ傾向が変わりました。
「使われるでしょう」なカードの割合がずいぶん増えてます。
「ワールドウェイク」シーズンでは本当にいろんなカードが使われたので、その影響を少し引きずってる可能性もあります。
あるいは、カード・プールが広がってくると、それだけいろんなデッキの可能性が増えて、使われるカードの種類も増加するのじゃないか、ということもあるかもしれません。
続いて実績です。
「ゼンディカー」シーズンにおける「ゼンディカー」のコモン・カードでは、
・「良く使われた」:13 = 13%
・「ときどき使われた」:8 = 8%
・「ほとんど/全く使われなかった」:80 = 80%
でした。
これが「ワールドウェイク」シーズンになると、同じ「ゼンディカー」のコモンでも、
・「良く使われた」:19 = 19%
・「ときどき使われた」:15 = 15%
・「ほとんど/全く使われなかった」:67 = 66%
となりました。
「ワールドウェイク」シーズンにおける「ワールドウェイク」のコモン・カードは、
・「良く使われた」:17 = 28%
・「ときどき使われた」:9 = 15%
・「ほとんど/全く使われなかった」:34 = 57%
でした。
実績を見ると、
「ゼンディカー」よりも「ワールドウェイク」の方が、使われたカードの割合が多いです。
だから「ワールドウェイク」の方が強いセットだったかっていうと、必ずしもそうじゃないかもしれないのですが。
特殊な役割のカードがサイドボードで使われた例もありましたから。
「エルドラージ覚醒」の予測の割合は、前2作とはちょっと異なります。
わたしが最近の傾向を踏まえて/引きずって評価したせいなのか、それとも評価の精度が上がってきたからなのかは、あと何ヶ月かすると分かるんですなー。
それまでガンバルー.
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