6/26の土曜日にMOでスタンダード・コモン構築の大会が開催されました。
わたしが在籍しているクラン「The Dark」の主催大会、「第27回The Darkクラン・トーナメント」です。
公式報告はこちらです。
http://73420.diarynote.jp/201006300034523020/

今回の参加者は10名で、スイス4ラウンドの持ち時計30分3本勝負で争いました。
全体の成績はこちらにあります。
http://www4.atpages.jp/kakoiku/competition.php?lang=Japanese&id=645

わたしは3勝1敗の9MPで、オポ差の3位でした。
だいぶ遅くなりましたけど、以下はそのレポートです。

■デッキ選定経緯
まあ、選定経緯っていうか・・・。
ここまでMPDCやSPDCの結果を見てきて、この環境は、多くのTier 1デッキの存在する、極めて稀有な環境だということが分かってきました。
つまり、概ね何を使ってもいいってこってす。
とはいえ、デッキによって有利不利はありますから、メタを読むのが重要になります。

「The Dark」のクラン大会は伝統的にアグロ・デッキが多いので、アグロに弱いデッキ(5色コンとか)を持ち込むのは、あまり得策とは言い難いものが。
そして、ビートダウンに強いデッキと言えば、今も昔もコンボ・デッキ。
ビートダウン側には、コンボを邪魔するカードはあまり多くは入れられませんからね。
じゃあ、アグロ・コンボでも使いますか。

■青赤緑トークン
土地 (20)
4 《進化する荒野/Evolving Wilds》
3 《森/Forest》
2 《島/Island》
4 《カルニの庭/Khalni Garden》
3 《山/Mountain》
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》

クリーチャー (21)
4 《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
4 《巣の侵略者/Nest Invader》
4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
2 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
3 《茨団のヴィーアシーノ/Thorn-Thrash Viashino》
4 《コジレックの捕食者/Kozilek’s Predator》

その他の呪文 (19)
2 《思案/Ponder》
3 《分かち合う発見/Shared Discovery》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
3 《予言のプリズム/Prophetic Prism》
3 《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》

サイドボード (15)
3 《否認/Negate》
3 《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》
3 《帰化/Naturalize》
3 《略奪の爆撃/Raid Bombardment》
3 《枝分かれの稲妻/Branching Bolt》

クリーチャーをいっぱい並べて、《ラッパの一吹き》するか、または、巨大な《茨団のヴィーアシーノ》につなげ、それを《巨森の蔦》で守るかして勝ちます。
それらフィニッシャーとなる6枚のカードを引けないと何も起きないので、デッキを掘り起こすためのカードがいっぱい入ってます。
《思案》《分かち合う発見》《予言のプリズム》《エルフの幻想家》《海門の神官》。
これらは、第2ゲーム以降、サイドのカードを引っ張るのにも役立ちます。特に《思案》。
そう考えると《予言のプリズム》より《思案》の方がいいんじゃないのかっていう感じがするかもしれないんですが、どっこい、プリズムは非常に重要です。
落し子から色マナが出るので、タップ・アウトしてるのに《稲妻》や《巨森の蔦》が使えるのがとても強い。
フィニッシャーが3枚+3枚なのは工夫したところで、4枚+4枚だと、クリーチャー出てないのに手札にフィニッシャーばっかっていう種類の事故が多くなりがちなんですよね。
《国境地帯のレインジャー》のスロットは、普通は《成長の発作》なのですが、このデッキは他の同型デッキに比べてそんなにマナ加速する必要がないので、0/1よりも2/2を優先しています。

《否認》は主にバーン対策です。色的に《孤独な宣教師》を入れられないので、苦肉の策ですね。
あとは、カウンター(《魂の操作》とか)やコンバット・トリックを使ってくる相手にもサイド・インします。
こっちは基本的にはタップ・アウトするので、相手のターンの呪文にはあまり効果がないですが。
(でも、《予言のプリズム》が出てるとそうでもなかったりも。)
《地鳴りの揺るぎ》は同型対策です。自滅したらバカなので、こっちが早めに《茨団のヴィーアシーノ》を出して、それから使います。
《帰化》は緑白オーラと同型に使います。同型がこちらのデッキに対策するには《睡眠発作》を入れてくるはずなので。
って、こっちは《睡眠発作》入れなくていいの? っていうと、それはだいじょぶです。
同型の他のビルドは《ウラモグの破壊者》を使っているのが多いので、《茨団のヴィーアシーノ》を使うこちらの方が圧倒的に早いですから。
そしていくらでも巨大になれる《茨団のヴィーアシーノ》が、そのまま《ウラモグの破壊者》対策にもなっているところがおしゃれ。
《略奪の爆撃》はコントロール対策です。
相手が普通のクリーチャー・ビートダウンだと、ブロッカーを並べられてしまうので、《略奪の爆撃》はカード・アドバンテージを喪うだけのカードになりがちです。
賛美とか警戒とかが入る緑白系は最悪ですなー。
が、バーンや亀コン、白黒コンなどは、ブロッカーを残すったって難しいので、《略奪の爆撃》があるといっぱい削れます。
今回の環境はビートダウンが多いと読んで、《略奪の爆撃》はサイド。
《枝分かれの稲妻》は墓地対策です。
どこが? ってことですが、つまり、《コーの空漁師》で《グレイブディガー》を戻そうとしたところで使います。
まあ、普通に、《コーの空漁師》を使うビートダウンにはサイド・インして損はないかと。

以下は対戦の様子です。

■第1ラウンド vs maaさん
イベントが始まる前に、ちょっとだけ練習のお相手をしたのですが、そのときは同型を使ってらっしゃったmaaさん。
果たしてそのままのデッキで来るのかしら。

・第1ゲーム
開口一番、

「実は赤単」
「マジで!」

こちらが先手でお互い初手キープ。

そしてあちらの第1ターンが《広漠なる変幻地》。

「赤単なのにExpanse ...」
「w」
「《焼尽の猛火》か!」
「y」

ところがその《広漠なる変幻地》から引っ張ってきたのは《島》。
赤単に《島》が入ってるだけってことでは多分ない。

「騙された!」

するとあちらは《山》を置いて、

「カウンター・バーン」

今の環境にそんなデッキないから。
これはもう十中八九、同型でしょう。
同型ということは、メインにはファッティに対する回答は無い筈です。
そこで早速ターン4に《エルフの幻想家》2を貪食して6/6をプレイ。
ところがこれは、いくらもアドバンテージを取らないうちに、《エムラクールの孵化者》と《カルニの庭》でパーマネントを増やしたあちらの《大群の力》で返り討ちにされてしまいます。
めげずにこちらは《分かち合う発見》2発で引いた生物でパーマネントを増やし、《ラッパの一吹き》であちらの生物をごっそり削っておいてから16/16の《茨団のヴィーアシーノ》。
《大群の力》3枚引かれてたら投了ですが。

あちらが投了でした。

さて、あちらはおそらく《睡眠発作》をサイド・インしてくるでしょう。
それは、《巨森の蔦》で防ぐことにしてもいいんですが、そうなるとタップ・アウトできない不便さがあるので、《帰化》を入れます。

IN: 《帰化》3
OUT:《巨森の蔦》1《分かち合う発見》1《国境地帯のレインジャー》1

・第2ゲーム
先手を選んだあちらが痛恨のダブル・マリガン。
一方こちらは初手キープ。

あちらが序盤の躓きから立ち直れないうちに、ターン7の《ラッパの一吹き》で10点削り取ってから、ターン8に10/10《茨団のヴィーアシーノ》。
投了でした。

単なるラッキーですが、勝ちは勝ちですなー。

■第2ラウンド vs satto25さん
第1ラウンドの対戦が早く終ったので、各テーブルを偵察。
それによると、satto25さんは白青黒コントロールを使っておられる模様。
《グレイブディガー》で何度でも甦る《コーの空漁師》の進路を黒除去でこじ開けて殴るデッキですなー。たぶん。
こちらの《茨団のヴィーアシーノ》は、あちらの黒除去のすべては躱しきれないのと、サイド後は《減縮》も撃たれるだろうし、《否認》《剥奪》で《ラッパの一吹き》が打ち消されるようなことがあると万事休す、ということで、基本的には苦手なマッチアップだと思います。

・第1ゲーム
こちらが先手となり、初手キープ。
あちらは1マリガンで、これはもしかすると相性差をひっくり返してイケるかも。

《コーの空漁師》2体をプレイしてマナの伸びないあちらに対して、こちらは毎ターン土地を伸ばして生物を並べます。
2体の飛行生物が攻撃に出ていてブロックがほぼお留守になったターン6に《ラッパの一吹き》して、残り15点のライフを削り切りました。

だがしかし、こちらのライフも10点まで削られてましたので、これはちょっと展開が遅れると間に合いませんなー。
アグロ・コンボがコントロールのビートダウンに間に合わないっていうのはどういうことなのかと。

ともあれ、用意のサイドボーディングを致しましょう。

IN: 《枝分かれの稲妻》2
OUT:《国境地帯のレインジャー》2

様子見に、《枝分かれの稲妻》は2枚だけに抑えてみましたが、どうかしら。

・第2ゲーム
あちらが先手を選んで初手キープ。
こちらは《島》1枚の初手をマリガンして、《森》《進化する未開地》の6枚をキープ。

ターン2の《ハリマーの波見張り》に《稲妻》を使ってしまったら、ターン3の《コーの空漁師》とターン6の《潮の虚ろの大梟》に殴られ続けて負けてしまいました。
こちらは、生物の頭数は揃って、あと必要なのはフィニッシャーだけという状況だったのですが。
途中の《思案》で、《エルフの幻想家》《分かち合う発見》に目がくらんで、フィニッシャーのいない3枚をシャッフルしなかったのが良くなかったようです。
やっと除去と《茨団のヴィーアシーノ》が引けたときには、もうこちらのライフが残り3点で、どうにもなりませんでした。
対戦相手より12枚も多く引いてるのに負けるとは珍しい。

やっぱり除去を増やしましょう。
それと、《減縮》で少し減速された反省から、タフネス1を引っ込めてタフネス2を使うことに。

IN: 《国境地帯のレインジャー》2《帰化》1《枝分かれの稲妻》1
OUT:《エルフの幻想家》4

《帰化》は除去です。
《潮の虚ろの大梟》用の。

・第3ゲーム
先手を選んでお互い初手キープ。

こちらのトークンは一度《減縮》で流されますが、すぐに《コジレックの捕食者》で取り返しました。
が、その後続が続かず、切れ気味です。
3マナしか出なかったときに、《海門の神官》で《島》と《ラッパの一吹き》がめくれて《島》を選ばざるを得なかったのが不運でした。
《茨団のヴィーアシーノ》は2枚あるのですが、《巨森の蔦》がありません。
しかし、動かなければジリ貧なので、まずは《茨団のヴィーアシーノ》1号機を6/6で出してみると、《苦悶のねじれ》2枚で除去されました。
てことは、《破滅の刃》はないんですね。
そこで2号機を6/6で出しました。
《コジレックの捕食者》も貪食すれば8/8で出すこともできたんですが、さすがにそこまで冒険はできず。
この2号機は除去されなかったのですが、あちらも6/6《ハリマーの波見張り》を立てていて、殴りにはいけません。
手札の《稲妻》を恃んで、《コジレックの捕食者》だけで攻撃しますが、これはあちらも心得ていてスルーします。
4回殴ってあちらのライフが8点になったところで、手札に3枚あった《稲妻》を本体に投げ始めました。
でも赤マナ源が1つしかないので、削りきるまでに3ターンかかります。
その間にこちらは《コジレックの捕食者》も《茨団のヴィーアシーノ》も失って、あちらの《ハリマーの波見張り》を止める手段がありません。
カウンターか《孤独な宣教師》をトップ・デッキされたら負けですなー。
しかし結局どちらも引かれず、3ターン後に勝ちました。

■第3ラウンド vs hacchi1987さん
前回優勝された方です。
あのときは青黒赤緑同盟者だったんでした。
今日も同じアーキタイプのデッキで出られているようです。

・第1ゲーム
あちらが先手で初手キープ。
こちらは《森》1枚の初手をマリガンして、《進化する未開地》《広漠なる変幻地》の6枚をキープです。

最初に出てきた《ウマーラの猛禽》は《稲妻》で退けました。
後から出てきた《ニマーナの売剣》《灰色革の狩人》《オラン=リーフの生き残り》などには、8/8《茨団のヴィーアシーノ》をブロッカーに立たせて時間を稼ぎ、その間に《分かち合う発見》で引いて更に生物を並べました。
いっぱい並んだところで《ラッパの一吹き》と《巨森の蔦》キッカーで一気に12点削って勝ちました。

《ウマーラの猛禽》さえ除去すれば自然に勝つので、除去を追加しましょう。

IN: 《枝分かれの稲妻》3
OUT:《エルフの幻想家》2《予言のプリズム》1

・第2ゲーム
あちらが先手を選んで共に初手キープ。

しかし、このゲームはあちらの引きが悪かったようです。
《オラン=リーフの生き残り》《高地の狂戦士》《ニマーナの売剣》《ボジューカの盗賊》と、4体の同盟者を出した後、ターン6にはクリーチャーを唱えられません。
そのチャンスにこちらは生物を並べて《ラッパの一吹き》。しかし、それには《地鳴りの揺るぎ》を合わせられ、12ダメージ止まり。一撃で決めるには至りませんでした。
が、その攻防であちらのブロッカーが激減したので、次のターンの一斉攻撃を《巨森の蔦》キッカーで強化して、残り8点を削り切りました。

こちらに細かいミスがいくつかあってグダグダになり掛けましたが、ドローに助けられてなんとか勝てました。
気の緩みですかなー。
いけません。

■第4ラウンド vs M2panakinさん
お互い3連勝で迎えた最終ラウンド。
勝てば優勝です。

・第1ゲーム
あちらが先手でキープ。
こちらは《山》1枚の初手をマリガンし、《進化する未開地》《広漠なる変幻地》の6枚をキープ。

あちらのデッキは黒赤バーンでした。
ターン4の《焼尽の猛火》を皮切りに、本体に火力を叩きつけられ、《血の署名》2発で弾丸を補給しつつ、ターン7に手札1枚残しで20点削りきられてしまいました。
途中、《破壊者のゼンディコン》の攻撃を《海門の神官》でブロックしなかったのはマズかったですが、どうも大勢に影響はなかったみたい。

フィニッシュまで7ターンというと、こちらのデッキと速度的に遜色ないですね。
これは先手勝負かもしれません。

IN: 《否認》3《略奪の爆撃》3
OUT:《茨団のヴィーアシーノ》3《巨森の蔦》3

・第2ゲーム
こちらが先手を選んでお互い初手キープ。

ところがあちらは《乱動する地形》でマナを攻めてきました。
《荒廃稲妻》で土地を1枚捨てるミスもあって、ターン10まで4マナ目に到達することができず。
手札で《コジレックの捕食者》やら《分かち合う発見》やらが腐りました。
じゃあ負けたかっていうと、《略奪の爆撃》重ね張りで植物トークンを殴らせて《ラッパの一吹き》して4点ずつ削っていき、なんとか先に削り切りました。なんやそれ。

IN: 《巨森の蔦》1
OUT:《ラッパの一吹き》1

ちょっとだけ変更。

・第3ゲーム
あちらが先手を選んで1マリガン。
こちらは土地3枚の初手をキープです。

こちらがターン1にプレイした《広漠なる変幻地》をすぐに起動して《島》を引っ張ったら、そこに《汚染された地》。
警戒してませんでした。
2枚目の《島》も《乱動する地形》で壊されてしまい、これで《予言のプリズム》を引くまで青マナは出ません。
手札の青いカードが腐る中、《乱動する地形》を2発撃たれて生物も展開できません。
第1ゲームと同様、7ターンで削りきられてしまいました。

■結果
最終戦で負けて3勝1敗の9MPですが、オポ差が悪くて3位に終りました。
でも、賞品は《Tropical Island》でほくほく。

■感想
10名のデッキ選択のうち、「エルドラージ覚醒」的なデッキは、3名が使った青赤緑トークンだけでした。
緑白オーラも青黒レベル・アップも壁コンもジャンド《ウラモグの破壊者》もなし。
そういうデッキでは戦えないという判断なのだとしたら、実はわたしも同感なのですが。
いろいろデッキは組めるんですけど、トークンを除き、いまいちTier-1になれない感じです。

優勝デッキも、昔ながらの黒赤バーンでした。
白黒コン4色コン5色コンが日常的に《孤独な宣教師》をぐるぐる回しているSPDC/MPDCでは淘汰されてしまったアーキタイプですが、「The Darkトーナメントでは誰も《孤独な宣教師》なんて使わない」と思い切れれば、一転して有力候補になり得ます。
盲点でした。
しかも、優勝者のビルドは、サイドから土地破壊に移行できるのが工夫してあって、同じくらいの速度のデッキに対してかなり有利になっていると思います。
素晴らしい。

翻ってトークンですが、この後全く同じビルドでMPDC 9.06に参加してみたら準優勝しました。
決勝は、本来相性がいいはずの緑白中速で、ダブル・マリガン2回で負けました。
それまでダブル・マリガンなんて一度も無かったのに・・・。
というわけで、優勝できるポテンシャルは持っているアーキタイプだろうと思います。
もうちょっとマナ・ベースとフィニッシャーの構成を工夫すれば、更に安定するんじゃなかろうか。
ちょっと試してみますかなー。

この後、ぎゃじぃの方には棋譜を載せる予定です。

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