わたしの評価リストと、LSVの評価との比較です。
細かいことは既に書いたので省略。

今回は赤のカード。
LSVのリストはこちらです。
http://strategy.channelfireball.com/featured-articles/magic-2011-set-review-red-2/

■評価が一致:
《反逆の行動》1.0 《古えのヘルカイト》4.0 《電弧の走り手》1.0 《チャンドラ・ナラー》4.5 《チャンドラの憤慨》3.5 《チャンドラの吐火》2.0 《サイクロプスの剣闘士》3.5 《破砕》0.5 《燃えさし運び》3.0 《焦熱のヘルハウンド》2.5 《ゴブリン気球部隊》1.0 《ゴブリンの酋長》1.0 《ゴブリンのトンネル掘り》1.5 《扇動》0.5 《業火のタイタン》4.5 《溶岩の斧》1.5 《処罰の力線》0.5 《発熱の儀式》0.0 《紅蓮地獄》3.0 《雷の一撃》2.5 《野生の喚起》0.0

■LSVの方が評価が高い:
・《血の峠の狂戦士》2.5 > D評価(1.0-1.5相当)
これも、ドラフトとシールドの差を感じます。
ドラフトで赤をピックしているという前提なら、5ドロップとしてこいつをピックしておくのは悪くないのだろうと思います。
が、シールド戦で赤を使おうかどうしようか考えてるときに、5ドロップがこいつであることが魅力的に見えるかというと、そんなことはないのではないかしら。
パックを開けたら《血の峠の狂戦士》《大気の召使い》《夜翼の影》《針刺ワーム》が出てきました。さて、あなたはどの色をやりたいですか? ということを、シールド戦では判断したいわけでして。
2.5ってことは、LSVは、赤を使うなら90%以上これをデッキに入れるってことですね。
わたしは、たとえ赤を使うにしても、(2色目のカードを含めて、)これ以外の選択肢を熱心に探すだろうと思います。

・《峡谷のミノタウルス》2.5 > D評価(1.0-1.5相当)
これも《血の峠の狂戦士》と同じ理屈だと思います。
《峡谷のミノタウルス》をデッキに入れなくていいのなら、ずいぶんいい状況と言える、というLSVの意見には賛成です。
赤をやるなら、これを入れないといけないことは多いでしょう。
でも、シールドでは、4-5ドロップが《峡谷のミノタウルス》や《血の峠の狂戦士》しかいないんだとしたら、そもそも赤をやらないことも多かろうと思います。

・《焼却》1.0 > E評価(0.0-0.5相当)
LSVは、《天界の粛清》《瞬間凍結》《死の印》には0.5をつけてるのに、何故これは1.0なのかしら。
コメントを読んでも、その理由は窺えませんでした。

・《破壊的な力》2.5 > D評価(1.0-1.5相当)
何かこれを入れる理由があればいいんですが、そうでない限り入れたくないです。
シールド戦の場合、普通は、単にカードを1枚失ってリセットするだけでしょうから。
LSVも、あんまりいいことは書いてないんですが、それなのに評価は2.5。
再生とか《組み直しの骸骨》とか使えば、とか書いてますけど、《棍棒のトロール》を再生しようと思ったら8マナですよ奥さん。
その可能性よりも、相手も《棍棒のトロール》使ってて、相手のだけが戦場に出てて、相手だけ再生できるマナがある可能性の方が高そうな気も。
ホントに90%以上デッキに入れるのかしら。

・《大地の召使い》3.0 > D評価(1.0-1.5相当)
6マナのカードはそう何枚もデッキに入れるわけにはいきません。
6マナ4/8バニラをデッキに入れなくちゃならない状況はどう見てもハズレですし、5マナ域にももっといいカードがあるかもしれません。
LSVは、こいつは《破壊的な力》を生き残れるのがエラい、と書いてます。
そんなレア・カードのことを心配してても仕方がないような。
それに、土地7枚から《破壊的な力》を撃ったら、《山》を2枚残さないとこいつは生き残れないんですけど。
2色のデッキを組んだとしても、もう一方の色の土地は残せないわけです。
そんなにうれしいかな。

・《火の召使い》3.0 > D評価(1.0-1.5相当)
5マナ4/3バニラよりもいいカードがないなら、これを入れるしかありませんが、そうでないならあまり入れたいクリーチャーではないような。
デッキに赤い火力がそれなりに入っているなら、もちろん、評価は上がります。
が、LSVは、仮にデッキに十分な量の火力がないとしても、対戦相手はこいつを放置できないだろう、とコメントしています。
なるほど。
それによって、あまり有効とは言えない方法でこのカードに対処してくれるなら、それは十分なアドバンテージを得たことになりますね。
コモンに《溶岩の斧》がある環境ですから、それは確かに説得力があります。
ましかし、仮にそれが正しいとしても、3.0は付け過ぎのような気がするんですが、これは、シナジー系カードに対するドラフトとシールドでの評価の差ということかしら。

・《火の玉》5.0 > A評価(3.5相当)
5.0は恐れ入りました。
《精神を刻む者、ジェイス》級の評価ですね。
LSVは、火の玉がタッチ可能であることを含めて評価しているようです。
ドラフトでは、タッチできるカードはピックの優先順位が高いので、高評価を付けねばなりません。
しかし、わたしの評価測度は既述の通りでして、タッチできるカードは色を決めるための強い要因にはならないので、これはA評価止まりです。
弱いって思ってるわけじゃないんですよー。

・《溜め込むドラゴン》4.0 > A評価(3.5相当)
どうやら、LSVは、5マナ4/4飛行には4.0をつける方針みたいですね。
この基準がわたしとズレてるのが、そもそもの問題です。
わたしがS評価のカードに求めたいのは、それが戦場に出た後直ちに対処されない場合、速やかな勝利につながるような能力です。
5点絆魂とか、タダで1枚引けるとか、2/2が2体出るとか、滅殺6とか、事実上攻撃されなくなるとか、そういうのが欲しい。
《溜め込むドラゴン》は、その水準ではないので、S評価にはならないです。
ということは、LSVの評価測度とわたしの測度との対応関係の決め方に問題があるんではないか、4.0はA評価に対応させるべきなのでは、と思われるかもしれないんですが。
最初に書いたことですが、LSVの評価測度では、3.5と4.0の間には明確な差があります。
それは、3.5は「そのカードの色を使いたくなる」カードであるのに対して、4.0以上は「そのカードを使いたくなる」カードであるということです。
つまり、4.0以上は、タッチしてでも使う/使いたいカードです。
この差ってけっこう大きいですよね?
なんかソコハカとなく騙された感もあり。

・《稲妻》4.0 > B評価(3.0相当)
これも既述の通りで、《破滅の刃》のときと同じ話です。
ドラフトでは《稲妻》を高評価して優先的にピックしなければなりませんが、シールドで赤をやるかどうかを決めるときには、シングル・シンボルでタッチ可能な《稲妻》は大きな決定要因にはならないので、S評価にはならないです。

・《マグマのフェニックス》4.0 > A評価(3.5相当)
こいつに関しては、状況によっては生き返ることもできる3/3飛行、という評価なのですが。
LSVも、これはそんなにいいカードじゃないよ、ということをいっぱい書いています。
わたしも同感なのですが、それなら何で4.0なの??

・《躁の蛮人》2.0 > D評価(1.0-1.5相当)
LSVのコメントを読むと、シールドではデッキに1つくらいいいターゲットが入ってることが多いので、これがあればだいたい入れる、と書いてあります。
しかし、てことは、自分のデッキにもいいターゲットが入ってることが多いってことでは。
それでも入れるの??

・《放蕩紅蓮術士》4.0 > A評価(3.5相当)
遅い環境でのピンガーの強さは論を俟たないところです。
が、このカードについては、《溜め込むドラゴン》と《稲妻》のところでした説明が当てはまります。
わたしの測度がS評価のカードに求める性質を持っていません。

・《余韻》1.0 > E評価(0.0-0.5相当)
デッキに5枚以上の低コスト呪文が入ってるなら、《余韻》は使えるとLSVは言ってます。
わたしは4枚あれば使えると思いますが(そして逆に、6枚も7枚もある場合、《余韻》を入れる余地があるかどうかの方が怪しいでしょう)、さておき、そういう条件がつくカードは、わたしの評価基準ではE評価です。
実戦でそういうカード・プールが来たときにだけ評価を上げます。
ドラフトでは、目の前のパックから1枚選ばなきゃならない関係上、「カード・プールが・・・」とか言ってられませんので、1.0というような微妙な評価になるんでしょうね。

・《シヴの抱擁》3.5 > B評価(3.0相当)
これについてはLSVが興味深いことを書いています。
曰く、オーラが持つデメリットを回避するためには、とっととゲームを終らせるのがいい、だそうです。
そりゃそうですなー。
そして、《シヴの抱擁》にはその力があるのだとも。
なるほど、そう言われると高評価も納得です。
《鎧をまとった上昇》や《力強い跳躍》のところでも感じたことですが、LSVはこのセットの飛行を付ける効果に高めの評価をしている感じがします。
その背景にはそういうこともあるのかも。
いちばんいいのは、《シヴの抱擁》も含めて、マスト・キルがたくさんデッキに入ってることです。
実際はなかなかそうはならないので、大抵の場合、相手は《シヴの抱擁》にだけ対処すればよく、やはりアドバンテージを失いがちではあると思うんです。
4マナ域ということは、これが最初に戦場に登場するマスト・キルであることが多いだろうというのもよろしくないところ。
逆に、カード・プールによっては本当にA評価でもいいかもしれません。

・《火山の力》2.0 > D評価(1.0-1.5相当)
LSVによれば、+2/+2というのが重要だそうです。
そこが、このカードと《聖なる力》《邪悪なる力》との分かれ目だと。
そうかなぁ・・・。
確かに、ナイス・ブロッカー・クリエイターではありますが、殴るときのことを考えると、相手は2/2を1体余分にブロックに参加させればいいだけですよね。
相手にその余裕がなければいいカードですけど、確かLSVは《銀毛のライオン》には1.0をつけてましたよね。
赤にはそれほど回避クリーチャーは多くないということから考えても、《聖なる力》《邪悪なる力》との大きな差異を見出し難いものがあります。

・《ヴァルショクの狂戦士》3.0 > D評価(1.0-1.5相当)
LSVは、M11よりも相当にパワー・レベルの高かった「ミラディン」のドラフトにおいてもこれはいいカードだった、と書いてます。
そりゃ当たり前で、こういうカードは速い環境の方が活躍するに決まってます。
M11のシールド戦はもっとずっと遅いだろうと考えると、《峡谷のミノタウルス》よりもこいつの方がいいカードだっていうのがどうにも信じ難いんですが。
でも、結局LSVの方が正しいんだろうなぁ。

■わたしの方が評価が高い:
・《血に狂うゴブリン》0.5 < D評価(1.0-1.5相当)
相当の事情でもない限り、わたしはクリーチャーにはE評価を付けません。
これはその相当の事情スレスレっていう気がします。
《放蕩紅蓮術士》がいるとかなり元気が出るんですけどね。
ともあれ、LSVも書いてますが、1マナ2/2防衛でも仕方なくデッキに入れるケースはなくはない気がします。

・《投げ飛ばし》1.0 < B評価(3.0相当)
曲がりなりにも除去ですので、1.0ってことはないんではないかと思うのですが。
《骨の粉砕》だって強かったですよね。
しかも《投げ飛ばし》はインスタントなので、相手の除去に対応して撃てますし。

・《ゴブリンの長槍使い》1.0 < C評価(1.5-2.5相当)
LSVは、《銀毛のライオン》より《ゴブリンの長槍使い》の方がいいと言ってます。
赤は《溶岩の斧》や《投げ飛ばし》を使う色であって、そういうデッキには《ゴブリンの長槍使い》は合ってるから、ということだそうですが。
でも、低評価であることに変わりはないようです。
わたしの評価との差は、《アジャニの群れ仲間》《先兵の精鋭》《銀毛のライオン》などと同じく、軽量テンポ・クリーチャーをどれだけ評価すべき環境であるかについて、わたしがまだ見通せていないということに起因します。
実戦の後に見直すことにします。

次回は緑のカードです。
つづくー。

コメント

おんたい
2010年7月28日10:31

《シヴの抱擁/Shiv’s Embrace(M11)》の説明=《焼却/Combust(M11)》のポイントの高さと言うことじゃないですかね?

《悪斬の天使/Baneslayer Angel(M11)》は、まず見ないにしても、《セラの天使/Serra Angel(M11)》は度々対峙します。

《蒼穹のドレイク/Azure Drake(M11)》クラスでもやっかいですし、白青は総じてタフネスが高く、《稲妻/Lightning Bolt(M11)》1枚で対処出来ないシーンが多いですし。

いく
2010年7月28日14:50

それはちょっと思わないでもなかったんですが、《死の印》も0.5なんですよ。
黒には《破滅の刃》があるからってことかもしれないんですが、それを言ったら赤には《チャンドラの憤慨》がありますし。
青のタフネス4-5で、呪文1枚使って殺す価値のあるものって、それこそ《蒼穹のドレイク》くらいしかいないような・・・。

おんたい
2010年7月28日21:54

《死の印/Deathmark(M11)》は《否認/Negate(M11)》される キリッ
・・・いや、まあ、LSVレベルの評価が理解出来るわけもなく^^;

いく
2010年7月28日22:47

リリース・イベントを通じて理由が分かるかもしれません。
結局分からないような気もすごくしますけども。

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