mtg-jpで「先取り! スタンダード・アナライズ」を連載している津村さんが、記事を評価して欲しい、という活動を始めています。
http://65551.diarynote.jp/201012132134153405/
みなさんも是非何かコメントを差し上げて下さい。

さて、この「コガモ」名義の津村さんのDiaryNoteの記事「公式お試し企画」に記載の評価基準は、あくまで「記事が実用になったか」という軸で評価して欲しいという主旨のようです。
すると、わたしはスタンダードはプレイしないので、今回の記事は(というか、津村さんのすべての記事は)
「1 役に立たなかった」
となってしまいます。
が、もちろん、今回もとても面白かったです。

津村さんはおそらくわたしのような読者は想定されていないでしょうし、敢えてネガティブに見えてしまいそうな評価をコメント欄に書き込むのも気が引ける(し、だいたいわたしはこういう話題では長文を書くに決まっている)ので、あちらには書かずに自分のブログに書くことにしましょう。


記事には「informative」「entertaining」「topical」の要素がある、という話をこないだやりました。
http://81908.diarynote.jp/201012141328048570/
津村さんの記事は「informative」であることを重視して書かれていて、その軸で評価して欲しい、そういうことだと理解しました。

わたしは今回の記事を、Worldsのカバレッジの延長戦として拝読致しました。
つまり、topicalな記事として読んだわけです。
これは、たぶんそんなに間違ってないと思うんですが。
というのも、本当にinformativeな記事として書くのなら、トップ8のデッキではなく、スタンダード・ラウンドを6-0したデッキを中心に記事を構成しますよね。
今回の津村さんの記事は、topicalな要素も少し取り入れているということだと思います。

しかし、そうやってtopicalに読む場合、少し物足りない感じがしました。
それは、トップ8に残った5つの青黒に「どういう共通点があるか」ではなく、「どういう違いがあるか」の分析です。

スタンダードをプレイする方にとっては、「どういう共通点があるか」の方が重要ですよね。
この記事は「先取り! スタンダード・アナライズ」なのですから、明日どんなデッキを組むかに役立てるなら、「青黒組むなら何を変えてはいけないか」を明らかにしてくれる方が役に立ちます。

が、カバレッジ記事として、例えば「何故決勝でWafo-Tapaは負けたのか」を知りたいわたしには、それでは物足りません。
その答えは「運が悪かったからです」かもしれないというよりもおそらくそうなので、知ったところであまり役に立ったりはしないかもしれませんが、カバレッジ読者としてのわたしの好奇心が向かうところは、そういう下世話な部分です。
要するに、深夜のスポーツ・ニュースでやってるような話題が読みたいわけです。
今週のベスト・ゴールとか、負けたチームの監督の試合後のコメントとかはライブ・カバレッジがカバーすべきことですけど、ポストモーテムではポストモーテムでしかできないことがあると思うので(こうやってデッキを較べたり、メタゲーム・ブレイクダウンを分析したり)、そんなのが読みたかったです。
それは「先取り! スタンダード・アナライズ」の主旨から外れるでしょうから、お願いはできないところですが。


それはともかく、こうして5つ並んだ青黒のビルドを見るのは、それだけでも楽しいですね。
パッと見、この中ではChristopher Wolfのビルドが異彩を放っています。
《広がりゆく海》がありませんし、《冷静な反論》2枚《ジェイス・ベレレン》3枚《強迫》2枚と、青いデッキとのマッチアップを強く意識したメイン・デッキになっています。
残念ながら彼は、青黒だらけのトップ8であるにも関わらず、初戦で緑単エルドラージのJanseとマッチアップされて3-2で惜敗してしまいます。
「青黒が強い」と分かってしまったこれからのメタゲームでは、Wolfのビルドは参考になる点が多い気がするのですが、これではやり過ぎなのか、それとも今回はたまたま運が悪かったのか。

対青を意識という点では、決勝に残ったダブルGuillaumeのリストには共通点があります。
《海門の神官》が2枚ということと、メインに《強迫》を取っていること。
Wolfのビルドほどではありませんが、PVやJaklovskyのビルドよりも少し同型を意識した作りに見えます。
シングル・エリミネーション・ラウンドは三本先取ですから、メインの作りが影響する部分はそれほど大きくないでしょうけど、こういう些細な工夫の積み重ねが結果につながったりするのかも。妄想が過ぎるかな。
その上Matignonはサイドに《剥奪》ですね。5枚目の《マナ漏出》。確か決勝で実際に撃ってましたよね、《剥奪》。そのゲーム負けたんでしたっけ?


ともあれ、この津村さんの取り組みはたいへん有意義な活動に思えます。
いい方向に続いていって、やがてmtg-jp全体の取り組みにつながっていくといいですね。


ところでわたし、ひとつ気になってることがあるんですが。
決勝の第2ゲームだったかな?
Matignonのハンドが2枚になって、Wafo-Tapaが《記憶殺し》を持っているハンドに《コジレックの審問》を引いてきたターンがあったと思うんですが。
わたしだったらもう喜んでノー・タイムで《コジレックの審問》を撃ったと思うんですが、何故かWafo-Tapaは暫く考えるんですね。
でも結局審問を撃って、Matignonが出せないでいたジェイス-TMSを《記憶殺し》で叩き落すプレイになりました。
(残る一枚は土地で、確か《地盤の際》だったかな? で、その返しにMatignonが《墓所のタイタン》をトップ・デッキして勝つんですけどね。)
あそこで、Wafo-Tapaはいったい何を考えているんだろうと、ずいぶん不思議だったんですが。
やっぱり、カードを1枚失うだけに終る可能性の高い《コジレックの審問》を撃つのがもったいなかったということなのかしら。
《記憶殺し》の指定は、《記憶殺し》/JTMS/タイタンの三択でしょうから、相手のハンドが2枚なら、審問は温存してもいいかもと思ったのかしら。
それともそもそもまだ《記憶殺し》の使いドコロではないと思ったのかなぁ。
でも、《記憶殺し》は早ければ早いほどいいアクションのような気もするんですが。
わたしは会場にいなかったので、真木さんと中村プロの実況は聞いてないんですよね。
お二人は何かコメントされてたかしら?

コメント

nophoto
通りすがり
2010年12月17日16:40

失礼します、通りすがりの者です。

>決勝の第2ゲーム

手札に強迫という選択肢があったからではないでしょうか?
強迫の場合、手札にあるJTMSを抜けます。結果、審問を打ち、その後に記憶殺しでJTMSを抜かざるを得ませんでした。

まぁ、ワフォタパは考えていることが謎で有名なので、わかりませんw

いく
2010年12月17日17:24

ご教示ありがとうございます。

《強迫》持ってたんですか。見逃してました。
じゃあ、《強迫》を温存して《コジレックの審問》を撃ったということですね。
なるほど。

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