【翻訳】道徳性相対主義と斎藤の資格停止 by AJ Sacher ― 訳註
2010年12月22日 ゲーム コメント (4)20,000字の制限に引っ掛かってしまったので、訳註をこちらに。
(*1) Moral Relativism. 「倫理相対主義」とも。道徳性に絶対的基準はなく、個々が個別に基準を持つとする道徳観。 http://en.wikipedia.org/wiki/Moral_relativism
(*2) これは著者のブログの9本目の記事です。もちろん他の8本もこれと同じくらいロクでも素晴らしい記事です。
(*3) http://www.tcgplayer.com/ 著者はここでコラムを連載しています。
(*4) これは、著者がこのブログで書いている他の記事の掲載予定に関することです。 part 4 は12月21日に無事アップされたようです。
(*5) ここでの「共感/empathy」は心理学の用語で、他者と喜怒哀楽の感情を共有する心理/生理現象を指します。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E6%84%9F
(*6) CNNを抜いて全米視聴率1位のニュース・チャンネル。共和党寄りというか、保守的な報道姿勢で知られています。国家の敵を叩かせたら右に出る者無し。 http://ja.wikipedia.org/wiki/FOX%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9 http://www.foxnews.com/
(*7) 著者の他の記事でDJに扮していたことがあるのかと思って調べましたが、そういう事実はありませんでした。ということは実生活でDJをやっていたんでしょう。
(*8) Jean William Frits Piaget (1896-1980), スイスの著名な心理学者にして発達心理学最大の権威。のはずですが。誰も知りませんかそうですか。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A7
(*9) Lawrence Kohlberg (1927-1987), アメリカの心理学者で、道徳性発達モデルの提唱者として夙に有名。ですが、著者が指摘している通り、もともとこれはピアジェのアイディアで、コールバーグがそれを研究し体系化したものだそうです。本稿の訳語の選択は、ピアジェやコールバーグらに関するWikipeda日本語版で選択されている訳語になるべく沿うようにしています。彼らの名前のカタカナ表記も含めて。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0
(*10) LarryはLawrenceの一般的な愛称です。
(*11) 以下、コールバーグの道徳性発達モデルに基づく説明が続くのですが、これは、かように韜晦な著者による解説ですので、微妙に表現の変わっている部分もあります。拙訳はもちろん、元記事についても、道徳性発達モデルの紹介の目的では直接引用なさらないことを強くお勧めします。その目的にはこちらがより適しているでしょう。 http://en.wikipedia.org/wiki/Kohlberg%27s_stages_of_moral_development
(*12) 原文は「cheating」。「cheating」はIPGに規定されている用語であり、「イカサマ」という訳語が当てられています。しかしこの記事では、「ルールで規定されているイカサマ」と、「より高位の倫理規範に反する行為」とを区別して述べています。しかも、記事中の「cheating」のほぼすべてが日常語であって、「IPGが規定するところのイカサマ」を意味してはいません。そこで無用の用語論を避けるため、「イカサマ」という訳語は使わず、他の語 (多くは「不正」。マジック以外の話であることが明らかな場合は、それ以外の語) を当てるようにしています。ご理解いただければ幸いです。
(*13) そう言われて読めるくらいならそもそもこの翻訳記事を読む必要はないんですなー。しかし、このWestの記事で述べられている内容の多くは、AJのこの記事でも紹介されています。少なくとも、AJのこの記事を読むためにWestの記事を読むことが必須ということはないです。ちなみに、Starcraftやピンボール、バスケットボールの話も、Westの記事に書かれています。
(*14) Starcraftは古き良きネトゲの一つです。特に韓国では大流行し、プロプレイヤーも数多く生まれたそうです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%88
(*15) MOやMWSを嗜む方なら、土地破壊や手札破壊や打ち消しをやった瞬間に、対戦相手が「gay」と言ってレイジ・クイットするのを一度や二度は経験していることでしょう。アメリカ人男性の中には、日本では考えられないほど、同性愛者やそれに類すると見なされる振る舞いに対する差別感情が厳しく、すべての競技は肉弾体当たりで勝負を決すべきだと信じて疑わないアーノルド・シュワルツェネッガーか石原慎太郎みたいな手合いが数多くいます。(概ね共和党支持者です。) 著者がいったい誰と戦ってるのか分からない方もおられるかもしれませんが、あちらにはそういう文化的背景があるのだと考えると少し読みやすいかもしれません。
(*16) 《エスパーの魔除け》でプレイヤーを対象に取るのは2枚捨てさせるモードのみです。
(*17) 著者は、これだけの紙幅を割いて「罪を憎んで人を憎まず」と説いているにも関わらず、森さんをディスるのに躊躇はないようです。まあそれはいいんですが、どの森さん? とか聞かないで欲しいです。
(*18) このケンジさんがどなたなのか、不勉強でわたしは存じません。(まあ、知りたくもないですが。) だいたいの事の顛末は、これをやった本人であるCedric Phillipsの記事に載っています。 http://www.starcitygames.com/magic/misc/19643_Insider_Information_The_Scumbag_Dilemma.html
(*19) Compulsive Competitorの訳です。マジックでは「強迫的」がCompulsiveの訳であるようなのでそう訳しています。つまり、「勝たなきゃ勝たなきゃ」という強迫的観念にとり憑かれている人を指しています。
(*20) もう動画もコメントも削除されてしまってますが、Wooはグランプリ・オークランドでいくつか思うところがあったようです。
http://www.thestarkingtonpost.com/articles/-/Playing_Against_Tomoharu_Saito
(*21) crime of oppotunity. 予め計画したのでない犯罪を言います。 http://en.wikipedia.org/wiki/Crime_of_opportunity
(*22) 原文は“peeling extras”。さっぱり意味が分からなかったのですが、コメントでみらこーさんに教えて頂いたので12月24日に訂正させて頂きました。みらこーさんどうもありがとうございます。
(*23) right side of the X-axis. 意味はそういうことですが、いまいちピンと来る訳がなかったので直訳しています。
(*24) Let He Who is Without Scum Chuck the First Rock. みなさん良くご存知、聖書 (John 8:7) の「罪無き者最初に石を投げよ」(Let He Who Is Without Sin Cast The First Stone) のもじりです。
(*25) 幸い、この記事は邦訳があります。 http://regear.web.fc2.com/short/MTG_Danger_of_Small_Cheats.htm
(*26) 原文は“warm and fuzzy”。《平和な心》のフレイバー・テキストです。ということにさっぱり気付かずにほんわかふわふわした訳になってしまってたので12/24に訂正しました。まことに申し訳ございません。
(*27) 原文は“Harsh, Baby. Harsh.”慣用句であり、歌のタイトルにもなっていますが、元ネタを見つけられませんでした。おそらく映画の台詞か何かで、定訳があるはずだろうと思うのですが。私訳で失礼しました。
(*28) これに関しては裏が取れませんでした。どこの話だろう?
(*29) 高レベルのプロにはグランプリに出場するだけで出場料が支払われます。
(*30) The man runs a store, ... この一連の叙述は、おそらく何か有名な文章か台詞かのパロディなんだろうと思うのですが、元ネタを見つけられませんでした。拙い直訳ですみません。
(*31) Michael (Mike) Long についてはわたしより皆さんの方が詳しいでしょう。そうでもないよ、というヒトはこの辺をご覧になるといいのでは。 http://en.wikipedia.org/wiki/Mike_Long http://mtgwiki.com/wiki/Michel_Long (念のため、綴りを間違えているのはM:TG Wikiの方で、わたしじゃないです。)
(*32) 原文は“written but not edited.”普通は“written and edited.”と書かれるべき場所であり、それは「編著」と訳されます。意味はそういうことですが、要するにこれはジョークです。ジョークをジョークとして訳せないのは訳者としては敗北なのですが、こりゃちょっとどうしようもなかったです。すみません。そして訳註の最後が謝罪の言葉という。
(*1) Moral Relativism. 「倫理相対主義」とも。道徳性に絶対的基準はなく、個々が個別に基準を持つとする道徳観。 http://en.wikipedia.org/wiki/Moral_relativism
(*2) これは著者のブログの9本目の記事です。もちろん他の8本もこれと同じくらいロクでも素晴らしい記事です。
(*3) http://www.tcgplayer.com/ 著者はここでコラムを連載しています。
(*4) これは、著者がこのブログで書いている他の記事の掲載予定に関することです。 part 4 は12月21日に無事アップされたようです。
(*5) ここでの「共感/empathy」は心理学の用語で、他者と喜怒哀楽の感情を共有する心理/生理現象を指します。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E6%84%9F
(*6) CNNを抜いて全米視聴率1位のニュース・チャンネル。共和党寄りというか、保守的な報道姿勢で知られています。国家の敵を叩かせたら右に出る者無し。 http://ja.wikipedia.org/wiki/FOX%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9 http://www.foxnews.com/
(*7) 著者の他の記事でDJに扮していたことがあるのかと思って調べましたが、そういう事実はありませんでした。ということは実生活でDJをやっていたんでしょう。
(*8) Jean William Frits Piaget (1896-1980), スイスの著名な心理学者にして発達心理学最大の権威。のはずですが。誰も知りませんかそうですか。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A7
(*9) Lawrence Kohlberg (1927-1987), アメリカの心理学者で、道徳性発達モデルの提唱者として夙に有名。ですが、著者が指摘している通り、もともとこれはピアジェのアイディアで、コールバーグがそれを研究し体系化したものだそうです。本稿の訳語の選択は、ピアジェやコールバーグらに関するWikipeda日本語版で選択されている訳語になるべく沿うようにしています。彼らの名前のカタカナ表記も含めて。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0
(*10) LarryはLawrenceの一般的な愛称です。
(*11) 以下、コールバーグの道徳性発達モデルに基づく説明が続くのですが、これは、かように韜晦な著者による解説ですので、微妙に表現の変わっている部分もあります。拙訳はもちろん、元記事についても、道徳性発達モデルの紹介の目的では直接引用なさらないことを強くお勧めします。その目的にはこちらがより適しているでしょう。 http://en.wikipedia.org/wiki/Kohlberg%27s_stages_of_moral_development
(*12) 原文は「cheating」。「cheating」はIPGに規定されている用語であり、「イカサマ」という訳語が当てられています。しかしこの記事では、「ルールで規定されているイカサマ」と、「より高位の倫理規範に反する行為」とを区別して述べています。しかも、記事中の「cheating」のほぼすべてが日常語であって、「IPGが規定するところのイカサマ」を意味してはいません。そこで無用の用語論を避けるため、「イカサマ」という訳語は使わず、他の語 (多くは「不正」。マジック以外の話であることが明らかな場合は、それ以外の語) を当てるようにしています。ご理解いただければ幸いです。
(*13) そう言われて読めるくらいならそもそもこの翻訳記事を読む必要はないんですなー。しかし、このWestの記事で述べられている内容の多くは、AJのこの記事でも紹介されています。少なくとも、AJのこの記事を読むためにWestの記事を読むことが必須ということはないです。ちなみに、Starcraftやピンボール、バスケットボールの話も、Westの記事に書かれています。
(*14) Starcraftは古き良きネトゲの一つです。特に韓国では大流行し、プロプレイヤーも数多く生まれたそうです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%88
(*15) MOやMWSを嗜む方なら、土地破壊や手札破壊や打ち消しをやった瞬間に、対戦相手が「gay」と言ってレイジ・クイットするのを一度や二度は経験していることでしょう。アメリカ人男性の中には、日本では考えられないほど、同性愛者やそれに類すると見なされる振る舞いに対する差別感情が厳しく、すべての競技は肉弾体当たりで勝負を決すべきだと信じて疑わないアーノルド・シュワルツェネッガーか石原慎太郎みたいな手合いが数多くいます。(概ね共和党支持者です。) 著者がいったい誰と戦ってるのか分からない方もおられるかもしれませんが、あちらにはそういう文化的背景があるのだと考えると少し読みやすいかもしれません。
(*16) 《エスパーの魔除け》でプレイヤーを対象に取るのは2枚捨てさせるモードのみです。
(*17) 著者は、これだけの紙幅を割いて「罪を憎んで人を憎まず」と説いているにも関わらず、森さんをディスるのに躊躇はないようです。まあそれはいいんですが、どの森さん? とか聞かないで欲しいです。
(*18) このケンジさんがどなたなのか、不勉強でわたしは存じません。(まあ、知りたくもないですが。) だいたいの事の顛末は、これをやった本人であるCedric Phillipsの記事に載っています。 http://www.starcitygames.com/magic/misc/19643_Insider_Information_The_Scumbag_Dilemma.html
(*19) Compulsive Competitorの訳です。マジックでは「強迫的」がCompulsiveの訳であるようなのでそう訳しています。つまり、「勝たなきゃ勝たなきゃ」という強迫的観念にとり憑かれている人を指しています。
(*20) もう動画もコメントも削除されてしまってますが、Wooはグランプリ・オークランドでいくつか思うところがあったようです。
http://www.thestarkingtonpost.com/articles/-/Playing_Against_Tomoharu_Saito
(*21) crime of oppotunity. 予め計画したのでない犯罪を言います。 http://en.wikipedia.org/wiki/Crime_of_opportunity
(*22) 原文は“peeling extras”。さっぱり意味が分からなかったのですが、コメントでみらこーさんに教えて頂いたので12月24日に訂正させて頂きました。みらこーさんどうもありがとうございます。
(*23) right side of the X-axis. 意味はそういうことですが、いまいちピンと来る訳がなかったので直訳しています。
(*24) Let He Who is Without Scum Chuck the First Rock. みなさん良くご存知、聖書 (John 8:7) の「罪無き者最初に石を投げよ」(Let He Who Is Without Sin Cast The First Stone) のもじりです。
(*25) 幸い、この記事は邦訳があります。 http://regear.web.fc2.com/short/MTG_Danger_of_Small_Cheats.htm
(*26) 原文は“warm and fuzzy”。《平和な心》のフレイバー・テキストです。ということにさっぱり気付かずにほんわかふわふわした訳になってしまってたので12/24に訂正しました。まことに申し訳ございません。
(*27) 原文は“Harsh, Baby. Harsh.”慣用句であり、歌のタイトルにもなっていますが、元ネタを見つけられませんでした。おそらく映画の台詞か何かで、定訳があるはずだろうと思うのですが。私訳で失礼しました。
(*28) これに関しては裏が取れませんでした。どこの話だろう?
(*29) 高レベルのプロにはグランプリに出場するだけで出場料が支払われます。
(*30) The man runs a store, ... この一連の叙述は、おそらく何か有名な文章か台詞かのパロディなんだろうと思うのですが、元ネタを見つけられませんでした。拙い直訳ですみません。
(*31) Michael (Mike) Long についてはわたしより皆さんの方が詳しいでしょう。そうでもないよ、というヒトはこの辺をご覧になるといいのでは。 http://en.wikipedia.org/wiki/Mike_Long http://mtgwiki.com/wiki/Michel_Long (念のため、綴りを間違えているのはM:TG Wikiの方で、わたしじゃないです。)
(*32) 原文は“written but not edited.”普通は“written and edited.”と書かれるべき場所であり、それは「編著」と訳されます。意味はそういうことですが、要するにこれはジョークです。ジョークをジョークとして訳せないのは訳者としては敗北なのですが、こりゃちょっとどうしようもなかったです。すみません。そして訳註の最後が謝罪の言葉という。
コメント
良い文章ですね、ためになりました。
リンクさせて頂きました。
書かれている内容もさることながら、英語が読みやすいんですよねこのヒト。
ちょっとレトリックが多いのがアレなんですが、MaRoに較べたら全然どってことないですし。
Frank Karstenの次くらいに訳しやすいかもしれません。
記事は早速訂正させて頂きます。