「ミラディン包囲戦」シーズンのスタンダード・コモン構築向けの評価をまとめました。
何故毎回こんなことをやるかというと、新しいカードをいろんな角度から眺めてデッキの可能性を探るためです。
今回はローテーション落ちするカードがないので、新しいカードがもたらす (かもしれない) 影響についての考察を中心にしてみたいと思います。

■前環境のデッキ
■注目カード
■新セットのインパクト
■新環境予測

そんじゃいってみますかー。

■前環境のデッキ
これはこないだ記事にもしましたが、こんな感じでした。

【ティア1】
○Digger=Fisher系コントロール
 ・白青黒赤コントロール http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=15449
 ・白青黒コントロール http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=15473
 ・白黒コントロール

《コーの空漁師》と《グレイブディガー》(または《死者のインプ》) で相手の除去を無効化しつつ、《コーの空漁師》と《戦隊の鷹》でちくちく殴っていつの間にか勝つデッキ。
豊富な除去とブロッカーでアグロ・デッキを簡単に息切れに追い込めます。
このアーキタイプは古くからありますが、M11シーズンまで活躍していた《孤独な宣教師》が引退して、そのポジションに《戦隊の鷹》が収まった感じです。
鷹のいない相手 (例えば感染) に対しては、アグロ・コントロールとして動いて先に殴り倒すことも多いです。

アンチ・アグロに最も特化しているのは、《稲妻》の入る白青黒赤バージョン。
《ステップのオオヤマネコ》と《板金鎧の土百足》を倒すのに、《見栄え損ない》では力不足ですし、《闇の掌握》は拘束がきつくて使いにくいので、赤を足すのが最も強いのです。
白青黒バージョンは、赤白上陸が衰退してから出てきた、比較的新しいビルドでして、火力に代えて同型に強い《精神腐敗》や《バーラ・ゲドの蠍》が入ります。

白黒のビルドを除き、4枚確定なのは《コーの空漁師》《戦隊の鷹》《海門の神官》。《予感》は3枚のことも。
赤が入る場合は《稲妻》も4積みです。

ミラー・マッチはとにかく時間がかかります。
だいたい時間切れで勝負が付くので、参加者にはたいへん不評。
ミラー用に《ハリマーの波見張り》を入れるビルドもあるくらいです。

【ティア1.5】
○赤白上陸系
 ・赤白上陸 http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=14787
 ・赤白タッチ黒上陸
 ・赤緑白上陸

《ステップのオオヤマネコ》《板金鎧の土百足》のツー・トップを火力でサポートする最速アグロ。
速くて大きいので、アグロ対決ではまず負けません。
が、時間が立つとちっちゃくなっちゃうので、コントロールされると脆い側面も。
SOMシーズン初期を席捲しましたが、Digger=Fisherの人口が増えてきてからはパタッと勝てなくなりました。

4積み確定なのは《コーの空漁師》《戦隊の鷹》《板金鎧の土百足》《稲妻》。
ほぼ4枚積まれることが多いのが《ステップのオオヤマネコ》《危険なマイア》《噴出の稲妻》《よろめきショック》。
《冒険者の装具》は意外と入っていないビルドも多かったり。

○トークン
 ・緑白青トークン http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=15336
 ・赤緑白トークン
 ・赤緑トークン
 ・赤緑白青トークン

クリーチャーをとにかくいっぱい並べてワルいことをするデッキ。
フィニッシャーによって色が変わります。
《鼓舞する突撃》だけでいいや、っていう場合は緑白青。
《ゴブリンの奇襲隊》や《略奪の爆撃》を入れる場合は赤が入ります。

赤白上陸に対しては、チャンプ・ブロッカーをバラ撒けるのと、エルドラージ・トークンでいくらでもライフ・ゲインできる《シルヴォクの生命杖》が強く、《鼓舞する突撃》までの時間を稼ぐことができます。

4枚確定パーツは《コーの空漁師》《コジレックの捕食者》《巣の侵略者》《海門の神官》《戦隊の鷹》。
ほぼ4枚なのは《森のレインジャー》。
意外にも《鼓舞する突撃》は3枚のことも多いです。
赤白上陸が勢いを失ってからは《シルヴォクの生命杖》は2本だけになることが多くなりました。
《予感》と《分かち合う運命》は人気を二分しています。最近のビルドは予感3枚運命2枚くらい。

○感染
 ・青黒赤緑感染 http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=14952
 ・緑青黒感染
 ・緑青感染 http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=14784
 ・白黒感染

感染生物が入ってれば感染デッキですが、色によってデッキ・タイプが多少異なります。

緑青はアグロ・コンボ型であり、《ひずみの一撃》に大量の《巨大化》系呪文を合わせて瞬殺することに特化されています。
相手のパーマネントに触る術がほぼありませんので、自分より速いビートダウン (つまり、赤白上陸) 相手だとどうにもなりません。

より速いアグロを除去でコントロールしつつ、火力を躱して本体にダメージを叩き込むために、黒除去と《火山の力》を積み込んで登場したのが、青黒赤緑のビルドです。
大量の除去により赤白上陸耐性はグッと上がりました。
《火山の力》の+2/+2は除去火力に対して強く、《荒廃のマンバ》や《嚢胞抱え》についてしまうと、《未達への旅》を積んでいない赤白はほぼ詰んでしまいます。
《火山の力》は白青黒赤コントロールにも劇的に効きました。
するとコントロール側も、火力から《破滅の刃》や《未達への旅》へと除去呪文の切り替えを進め、やがて赤を抜いた白青黒コントロールが主流になっていきました。
赤白上陸がすっかり形を潜めた後は、《稲妻》の重要性が下がり、環境の《山》使用率も激減したため、感染デッキも《火山の力》と山を抜いた緑青黒に変化していきました。

どのビルドでも4積み確定なのは《嚢胞抱え》《死体の野犬》《ひずみの一撃》くらいです。
その他のパーツは出入りがありますが、《巨森の蔦》は概ね3-4枚入ります。

【ティア2】
○赤単
 ・赤単アグロ http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=15299
 ・赤単バーン

SOMシーズンの赤単は《走り回るトカゲ》や《ゴブリンの付け火屋》や《危険なマイア》を《ゴブリンの奇襲隊》で強化して殴る感じのものが主流です。
《板金鎧の土百足》や《窯の悪鬼》が入るビルドもありましたが、あまり多くなかったかも。
クリーチャーの質では上陸に大きく劣るところで、それを補うのがだいたい20枚前後入る火力です。

生涯赤単以外使わない的なノリの根強いファンが何人かいるため、そこそこ予選を抜けたりしています。
他のデッキとのマッチアップにはかなり厳しいものがありますが、ライフ・ゲイン手段を持たない感染には有利です。

○赤白青アグロ・コントロール
 http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=15180

地上を《海門の神官》と《方解石のカミツキガメ》で止めつつ、相手の生物を火力でコントロールしながら《戦隊の鷹》と《コーの空漁師》の攻撃を通していって、最後は火力でトドメを指すデッキです。
しかし、除去が通用しないDigger=Fisherと、《方解石のカミツキガメ》を簡単に乗り越えてくる上陸には相性が悪いようです。
環境のツー・トップに勝てないために、デッキのポテンシャルほどには勝てていません。
アーキタイプ的には実績のある強いデッキなんですが。

○同盟者アグロ
 ・緑青黒同盟者
 ・赤緑白青同盟者 http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=15517

緑青(黒)の大きくなる同盟者を中心にしたアグロデッキです。
メタゲームの移行が進んで相性の悪い上陸が退場し、環境がDigger=Fisher系一色になってから頭角をあらわしてきました。

ひたすら大きくなるのが緑青黒で、最初に出てきたタイプ。
その後出てきた赤緑白青のビルドは、《アクームの戦歌い》《高地の狂戦士》などのユーティリティや、コンバット・トリックとして機能する《兵員への参加》を採用しており、より対コントロールで強い構成になっています。

【ローグ】
○赤白金属術 http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=15474

デッキ名はMetalHawkなんですけど、言うほど金属金属してるわけでもないです。
アーティファクト関係は、《感電破》と、《屍気の香炉》を使いまわす《きらめく鷹》くらいです。
《オーリオックの太陽追い》すら、入ったり入らなかったりで、非上陸赤白飛行アグロと言った方が正確かもしれません。

これも上陸が衰退してから出てきたデッキです。
同盟者とかこのデッキとかを見ていると、上陸デッキが如何に多くのアグロ・デッキを封殺してきたかが良く分かる展開です。

○白青黒ミル

ライブラリー・アウトを主たる勝ち手段としている白青黒のデッキです。
《ハリマーの採掘者》と《兵員への参加》は4積み確定ですが、《ジェイスの消去》は積まないビルドもあるようです。

○青赤《方解石のカミツキガメ》

《方解石のカミツキガメ》の進路を打ち消し呪文と火力と切り開くデッキ。
「ワールドウェイク」シーズンの頃はもっと活躍したアーキタイプだったのですが、今はすっかり見る影もなく。

○その他
まあ、ほとんど出会うことのないデッキですし、名前だけで。

・土地破壊
・白青コントロール
・青赤緑《聖なる狼》&オーラ (Ceta Armors)

更に遭遇機会の低いもの。(とはいえ、すべて一度以上は予選ラウンドを抜けたデッキです。)

・白単飛行ビートダウン
・白青アグロ・コントロール
・白青レベル・アップ
・青黒アグロ・コントロール
・青黒コントロール
・青黒赤コントロール
・青赤アグロ・コントロール
・黒赤ウィニー
・黒緑コントロール
・赤緑ランプ

てなところで次回に続きます。

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