いろいろあってちょっと出遅れてしまったのですが。
イベント参入からほぼ一週間が経過したので、前半戦の成績を振り返りつつ、カード評価基準を見直してみたいと思います。
ここまでに、スイス・シールド・フライトに5回参加しました。

■成績
#1:6MP
#2:0MP
#3:3MP
#4:0MP
#5:6MP
平均:3MP

ものすごく負け越しです。
ゲーム・ベースで言うと、17勝30敗。

■収支
支出:120Tix
・参加費:120Tix

収入:15.41Tix
・ブースター・パック売却:3.35Tix
・カード売却:12.06Tix

というわけで、今のところ過去に類例を見ない水準の大赤字です。

ところでこれを整理する目的は、カード評価基準を見直して、直すべきところは直し、後半戦につなげるためです。
それはどうだったかというと、こんなふうでした。

■デッキの評価点とゲーム勝率
表にまとめてみました。

デッキ:評価点:ゲーム成績とゲーム勝率
#1-白黒:44点:5勝5敗=50.0%
#2-赤緑タッチ白:40点:0勝6敗=0.0%
#3-青赤:43点:4勝6敗=40.0%
#3-赤緑:45点:0勝1敗=0.0%
#4-赤白:43点:2勝6敗=25.0%
#5-黒緑(感染):40点:6勝6敗=50.0%

評価点は、メイン・デッキに入ったカードの評価点数の合計というわけではありません。
与えられたプールのカードの中で、その色の組み合わせのデッキに入るカードの評価点を、高い方から順に23枚分合計した値です。
わたしは、プログラムで計算したその値を参考にデッキを組むようにしているので、その評価が正しかったか否かをこうして事後評価しようとしているわけです。
ただし、色をタッチした場合は、実際にタッチしたカードの評価点を、ベースになった色の評価点に加え、タッチすることで抜けたカードの評価点を引いて求めています。

感染デッキの場合は、感染関連カードはP評価 (感染デッキに入ったときの評価) の値を使っています。
つまり、以前にここでご紹介した評価値よりも少し高くなっています。

評価点とゲーム勝率の相関係数は、単純計算で-0.073。
しかし、数ゲームしか使っていないデッキのゲーム勝率は、ちょっとしたことで極端な数字になるため、ノイズが大きくなります。
そこで、4ゲーム以上を戦ったデッキだけに限定して相関係数を計算すると、0.412。
これは、評価点とゲーム勝率の間に、何らかの関係があることを意味する数字です。
とはいえ、なんだかあんまりパッとしない感じですね。
ところがどっこい。
#5の感染デッキを除くと、相関係数0.951なのです。
これは、ゲーム勝率はほぼデッキの評価点で決まると言っていい水準です。
つまり、感染関係のカードのP評価が低いだけで、それ以外のカードについては、ものすごく精度の高い評価ができている可能性が高いということです。
今回使用しているカード評価基準は、前回の「ミラディンの傷跡」の中間評価において大きく修正した評価をベースにしていますから、最初から完成度が高いのだと思います。
しかし、ほとんど組む機会のなかった感染デッキ関係の評価がまだまだ不十分と思われ、そこを修正する必要がありそうです。

しかし、カード評価の精度は抜群に高いというのに、何故勝てていないんでしょうか?
それは、もちろんデッキの組み方もプレイングもあまり上手くないということが最も大きな原因ですが、でも、これまでのリリース・イベントでは勝ったり負けたりだったことを考えれば、この一週間で急にマジックが下手になったということもないだろうと思います。
そこでそれ以外の原因を考えるとすると、おそらくこういうことがあると思います。

この評価測度で計算すると、デッキの評価点の期待値は、44.41点です。
これはしかし、全ての2色の組み合わせの期待値の平均であり、色によってはこれより高いものもあります (最高は青赤の47.18点です)。
また、普通のカード・プールなら、全色が期待値通りの強さになることはなく、それより強い色や弱い色が存在します。
つまり、たまたま強いカードが出た色どうしを組み合わせることで、50点デッキができることが珍しくないはずなのです。
わたしのデッキはというと、45点未満のものばかり。
わざと弱いデッキばかり組んでいたわけではなく、そんなデッキしか組めないプールばかりを引き続けていたのでした。
これまで売れたカードの最高値が《光明の大砲》の3.00Tixだった、というところから察して下さい…。
(わたしはコモン以外のカードは全部 (買ってくれるなら) 売ります。)

以前にも一度これと同じようなことがあって、そのときはおそらくコモン・ソートが原因だろうと推測しました。
最近のセットのコモン・ソートは、リミテッドで強いカードとそうでないカードを分離してあるようでして、パックによって著しく強さが偏らないように工夫されているらしいです。
その結果、コモンの強カードのスロットが4枚、そうでもないカードのスロットが6枚、とかいうことになっているとすれば、それらの出現頻度が等しいと思って計算している期待値よりも、実際に引くパックのポイントは弱くなります。
今回も、そういうことがある可能性はあります。

が、そうだとしても、そのせいでカード・プール全体で5点も6点も低くなるのか、というのは甚だ疑問なところです。
そもそも実戦での感じでも、対戦相手よりもA評価のカード2枚分くらい弱いデッキを使っている感じがしました。
自分のデッキにはボムがせいぜい一枚しか無いのに、相手のデッキからはマナが揃うとほぼ必ずボムが (それも「さっきと違うカード」が) 出てきて、それに対処できずに負ける展開が多かったです。
極めて久しぶりにマジックが楽しくないです。
わたしがもっとマジックが上手ければ、ヒドいプールでも何とか成績をまとめたりもできるんでしょうが、決してそうではないので、まあこの成績でも仕方ないかな、と今は思っていますが。

実は#5については、白青の48点デッキを組めるプールが引けて、「ああ、ようやくいいプールを引けた」と思ったのですが。
《法務官の手》を含む12体の黒緑の感染クリーチャー (しかも、悪くない水準のものばかり) を使える感染デッキも組めることが分かり、そっちに転んでしまいました。
感染デッキを、しかもまともなものを組める機会は本当に少ないですから、逃したくないところです。
しかも、その時点では感染デッキのポイント計算を間違えていて、自分は53点の強デッキのつもりで使っていたんですが。
終了後改めて計算し直したら40点しかなかった…。
でも、結果はゲーム勝率50%で善戦していますから、上で述べたとおり、これは評価基準の精度が悪くて、本当はもっと高い価値のデッキだったのだろうと思います。

まとめると、テゼレットとか贅沢言わないので、せめて普通のプールが引きたいです。

あと、P評価を反映したデッキのポイントを一部手動で計算しているところを自動化する必要を感じました。
そのうちプログラミングしてみますか。

■メイン・カラーの選択傾向

色:その色がメイン・カラーであるデッキで戦ったゲーム数
白:18
青:10
黒:22
赤:15
緑:19

うーん。
そもそも、パックに入っているその色のカードの評価点の合計値の期待値は、次の通りでした。
(以前に出した数字と少し違ってますが、パックに入ってるコモン・カードの枚数を1枚間違えていたために割り算の分母が変わったもので、個々のカードの評価を変えたわけではありません。)

白:4.44
青:5.10
黒:4.26
赤:4.93
緑:4.33

青が一番強くて、その次が赤。
だったはずなんですが。
なんでそれ以外の3色の方をいっぱい使ってるんですかなー。
わたしが強いと思った色の強いと思ったカードがパックから出なかったからですね。
わたしのレベルですと、色によっても得手不得手がありますから、あんまり緑をやらされるとちょっとキツかったりも。

■環境理解
実戦を戦って気が付いたことです。

全般的に言って、それほど予想と違っているということはありませんでした。
「ミラディンの傷跡」を既に戦ってますので、その延長上で考えられますから、そりゃ誰だって大きく外したりはしないですよね。

しかし、「ミラディンの傷跡」のときと比較しても、地上はすぐに膠着する傾向にあります。
普通ならそこを回避クリーチャーで打開していくわけですけれど、コモン/アンコモンの回避クリーチャーのサイズが軒並み小さいということがあって、けっこうグダります。
結局、どちらが先にボムを引くか、という勝負が多いようです。

ちょっと「インベイジョン」を思い出しました。
あのブロックはタッパーが多くて、飛行持ちがいてもお互い殴れない展開のまま並べ合うことが多かったのですが。
「インベイジョン」と違うのは、「インベイジョン」だと除去によって盤面を打開していたのが、この環境ではボム生物であることが多いということでしょうか。
(もちろん、黒頂点とか《伝染病エンジン》とかの場合もありますけども。)

感染デッキについてですが。
18マッチを戦って、相手が感染デッキだったのは一度だけ。
予想通り、4回戦を通じて感染デッキと当たらないことの方が多いと思います。

喊声ですが、強いですね。
しかし、キレイな喊声デッキが組めることは、やはり少ないようです。
喊声持ちをブロックで殺されないための強化装備品やコンバット・トリックも重要ですし。
中途半端なビルドでは、ブロッカーで攻勢を止められ、息切れします。

しかし、わたしがやっと感染を組めたと思ったら相手も感染だったり、やっと喊声を組めたら相手も喊声だったり、というのは何か裏があるんだろうか。
おそらく相手も同じことを思ったでしょうけども。

■LSVとのカード評価の差の見直し
事前のカード評価の際に、LSVのリミテッド向けの評価との違いをまとめておいたわけですが、ある程度実戦をやったこの段階で、改めて見直してみました。
(そう、あれはこのためにやっていることなのです。)

・感染生物や、感染デッキと相性の良いカードの評価の差
相関係数から見て、基本評価は正しかったようです。
が、感染デッキが組めるプールのときの補正評価 (P評価) が不足でした。
LSVの評価値は、おそらく感染デッキを前提にしたものだと思いますが、そちらの点数の方が正確だったようです。
ここは個別のカード評価を見直します。

・無色補正
一方こちらは特に問題を感じませんでした。
シールドでは (感染もですが) 金属術デッキもほとんど組めません。
アーティファクト11枚前後で、金属術を持つアーティファクトが入った「半金属術デッキ」なら普通に組めますけども、15枚入った「純金属術デッキ」は、感染と同じくらい出現率は低いようです。
ドラフトとは異なり、無色を高見する必要はないと思いました。

・1点除去の評価 (《悪性の傷》《火膨れ杖のシャーマン》)
《悪性の傷》があんなに強いとは。
しかしそれは《腐敗狼》と一緒に使うからであって、そうでなければ単なる1点除去だという点は変わらず。
そこかしこに鍛冶やマナ・マイアがいた「傷跡」×6のときとは少し違い、《火膨れ杖のシャーマン》のターゲットがトークンくらいしかいないこともあります。
B評価のカードを除去できる (と期待できる) 除去はB評価ですが、トークンしか殺せないならその価値はありません。
基本C評価から変える必要は感じませんでした。
逆に、戦場のタフネス1率が低まっていることから、タフネス1は少し低見する必要があるかもしれません。

・高コストのファッティの評価
6マナ5/5とか5マナ4/4とかの、確かにちょっとは大きいけど、このサイズならもう少し安く出せるカードが他にあるし、このコストならもっとずっといいカードが他にあるよね、な連中のことです。
強いかと言われれば弱くはないですが…。
ここまでやってきて、ボムの無いデッキはテンポで勝つしかない環境のように思えました。
《勝利の伝令》と《ワームとぐろエンジン》のある土地18枚マナ・マイア2枚の緑白のデッキで、6マナをもう1枚入れられる、ということなら、《ファングレンの匪賊》は確かに悪くないです。
しかし、6マナの呪文が《ファングレンの匪賊》や《オオアゴザウルス》しかないのなら、土地を17枚に減らして1-3マナのC評価カードを増やしたいです。
一方、5マナ4/4については、あんまり見てないし、使ってもいないということもあり、まだちょっと何とも言えないです。
5マナはテンポ・デッキでも入れられない重さではないような気もするので、もう少し高く見る余地もあるのかも。

■カード評価の見直し
というわけで、感染関係だけ見直して、次のカードのP評価を上げました。

《災いの召使い》
《敗血のネズミ》
《悪性の傷》
《枝モズ》

この見直しを適用すると、#5の感染デッキのポイントは45点となり、実戦での体感に近い感じになりました。
そしてそれを入れた状態でも、相関係数は0.950。

では、後半もっといいプールを引けることを期待して、頑張って来ます。

コメント

おんたい
2011年3月4日17:34

1回しか見たことないのですが、《敗血のネズミ/Septic Rats(MBS)》が相手にいて、こちらに毒カウンターがある場合、ずっと3/3になってません?(攻撃前の第1メインとか)

本来、攻撃時の誘発能力で+1/+1がEOTまでなので、おかしいのです、《感電破/Galvanic Blast(SOM)》や《弧状の稲妻/Arc Lightning(USG)》で焼けるかどうかは大違いなのですが・・・

いく
2011年3月4日17:45

あれまあ、そんなことがありましたか。
《敗血のネズミ/Septic Rats》はわたしも実際に何度かプレイしましたが、そういうことはありませんでしたよ。
普段はちゃんと2/2 (をベースとして各種修正を受けた大きさ) で、能力が誘発すると+1/+1されました。

おんたい
2011年3月5日16:19

…ロードがいたかもw

いく
2011年3月5日18:11

ありゃりゃ。
しかし、《法務官の手》がいたら、殴れば能力が誘発して4/4になります (相手が毒されていれば)。
そうしたらすぐに分かるでしょうから、その後は殴らなかったか、やっぱり何かバグがあって殴っても誘発しなかったか、ですよね。
わたしが使ったときは、《法務官の手》がいてもちゃんと誘発していましたけれど。

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