■スイス・ラウンド成績管理支援ツール:機能追加

・従来「検索」ボタンでは「名称」「登録」「最終更新」にしかマッチしてなかったのですが、「フォーマット」もマッチするようにしました。

・「フォーマット」の選択肢に「モダン」を追加しました。


「フォーマット」を今までマッチしてなかったのは理由がありました。
それはつまり、めんどくさかったんですなー。
というのも、このツールは海外からも利用されるので、システムが標準で用意しているフォーマットについては、日英両方で検索できないといけないんです。
つまり例えば「Pauper」で検索して「コモン構築」が見つからないといけないわけです。
選択肢は少ないので、難しいわけじゃないんですが。


「モダン」は、カード検索データベースに追加したときに、こっちに入れ忘れてました。
ぬかった。

だがしかし、「モダン」とか「ヴィンテージ」とか用意したところで、現状ほとんど使われないんですよね。
というのも、このツールの利用のほとんどが、「マジック」ではない他のTCGの競技であるからなんですが。
しかし、このツールはマジック専用なんですけど、いいのかしら。
つまり、タイ・ブレーカーに(Solkoff等のMedianではなく)OMW%を使ってたり、MW%,GW%の最小値が0.33だったりするので、他の競技(チェスとかブリッジとか)のスイス・ラウンドの順位計算には使えないんです。
あるTCGでは、公式トーナメントでもこのツールが使われてたりしてて、それでいいものなのかどうなのか甚だ心配です。余計なお世話ではありましょうが。
っていうか、オプションでSolkoffを使えるようにすればいいんでしょうけど。それもまたメンドクサイ。

マジック・サポート http://www4.atpages.jp/kakoiku/index.php?lang=Japanese

コメント

arthfing
2011年11月3日0:32

見事に乗っ取られてますなー。
他のTCGでトーナメント・ルールまで公表しているものは少ないですが、やっぱり違うルールを使ってたり、似てるものでも細部は違ってますね。
もう手遅れですが、フォーマットの初期値を「その他」にしておけばその他だらけになるかも。

いく
2011年11月3日6:07

>>arthさん
わはは。
まあ、乗っ取られてるっていうか、当初のターゲットとは異なる層に訴求したというだけで、マジックにしか使って欲しくないってことでもないんですが。
もともと社会貢献のためのサービスですし、使えるのなら使ってくだされ。

しかし、現状がこうだとすると、やはり順位計算方式にもバリエーションを持たせた方がいいんでしょうねぇ。
DCI式スイス・ドローも決して悪くはないんですが、上位のプレイヤーの成績を「正しく」求めることに特化されていて、下位のプレイヤーの順位の「正しさ」は一顧だにされてないのが気にかかっています。
世の中の競技のすべてが、最初に連敗したプレイヤーのほとんどがドロップするような環境でもないでしょうし。
とはいえ、このツールを使って大会を開いているTCGで、ペアリングと順位計算のアルゴリズムが公開されてるのは無いみたいですし、他の特定のTCGに合わせるというよりは、世の中で一般的なスイス・ドローを実装するってことになりそうですが。
とりあえずUSCF(合衆国チェス連盟)方式あたりがいいのかな、と思っています。今のところは。

なお、フォーマットを正しく指定するかどうかは完全に利用者側の都合なので、こちらで特定の状態にコントロールする動機は無いです。
将来的にフォーマットが意味を持つサービスを実装する予定はありますけど、それでも、それを使うかどうかは利用者が決めることですし。

arthfing
2011年11月5日13:30

ちょと眺めてみたところ、いくさんの仰る通り、トーナメント・ルールが公開されているゲームでは使用されてないようですね。
マジックのタイブレークは"トップ8"を選出するためにあるようなものですし、1位以下の順位を気にしないカジュアル向けのゲームでは、運営側が記述や計算で楽するために使用されているんでしょう。
実際、私が知る限り、ツールが作成されるまでウェブ上にこの手のシステムはありませんでしたし、The Darkトーナメントとかでは手動で必死こいてました。

一般的という話なら、「あのマジックのトーナメント・ルール」と言えばTCG業界では中々のものでしょうし、仮にいくさんが他の方式を実装したとしても、フォーマット項のように選択肢の初期値が選ばれるだけだと思います。
マジック・サポートがTCG以外の競技に手を広げられるなら話は別になりますが、「将来的にフォーマットが意味を持つサービスを実装する予定」が気になるところです。

いく
2011年11月5日21:57

>>arthさん

どうもどうも

>トーナメント・ルールが公開されているゲームでは使用されてないようですね。

これは畢竟そうなるところでしょう。
トーナメント・ルールが整備されている競技であれば、その順位計算方式がMtGと完全に同じでない限り、このツールを使ったらルール違反になっちゃうわけですから。

>マジックのタイブレークは"トップ8"を選出するためにあるようなものですし、1位以下の順位を気にしないカジュアル向けのゲームでは、運営側が記述や計算で楽するために使用されているんでしょう。

わたしはそう見てはいないです。

このツールに対するフィードバックを得るために、利用者のコミュニティをときどき覗きに行くのですが。
それらを見たところでは、「それまでにスイス・ドローを手計算でやっていたが大変なので、ネット上でツールを探してみたらこんなのがあった」というケースはあまり多くなく、「世の中にはスイス・ドローというのがあるらしいが、どうやったらいいか良く分からないので、何かいいツールはないかいな」的に探してたどり着くケースが多いようです。
arthさんのケースは少数派のようです。

カジュアル・イベントは、そもそもスイス・ドローなんてやらないのが普通みたいです。
The Darkトーナメントもarthさんがスイスを導入するまではシングル・エリミネーションとサイド・イベントでした。
スイス・ドローを選択する主催者は、競技性の高い大会を主催するためにそれなりに苦労するつもりがある人たちだと思います。
そもそもネットのイベントでスイス・ドローを試してみるということ自体が一つのチャレンジであるみたいですよ。
皆さん、けっこう議論を重ねながらツールを選んでたりします。

調子に乗って書いてたら長くなったので分けます。

いく
2011年11月5日21:58

続きです。

>「あのマジックのトーナメント・ルール」と言えばTCG業界では中々のものでしょう

そうなっちゃってるんでしょうねぇ。
しかし、問題もあると思います。

DCI式スイス・ドローは計算機で計算することが前提の方式です。
arthさんも、これを手計算でやる煩わしさは良くご存知ですよね。
マジックの場合、1,000人も2,000人も集まる大会を効率的に運営しないといけないので、いずれにせよ計算機は欠かせませんから、前提にしちゃっても構わないんでしょう。
しかし、そうでない競技では、もっと簡単な方法でもいいはずです。
フクザツな計算方法を使うことのデメリットは、理解し難いことです。
何故その順位になる「べき」なのか、理屈がいまひとつ飲み込めない。
スイス・ドローでは、ある意味で直感に反した順位になることがしばしばあります。
何やらアヤシゲな結果が出ているのだけれど、計算が複雑過ぎて検算もままならず、そうなる理屈も理解できないとなると、不必要なストレスが生じます。
このツールの実装がおかしいんじゃないか、とか、採用しているDCI方式が良くないんじゃないか、とか、そもそもスイス・ドローを採用すべきではなかった、とか。
これはあまり歓迎したい状況ではありません。が、実際には何度か起きています。

それと、下位のプレイヤーの順位にトーナメントでのパフォーマンスをほとんど反映できないことも、問題だろうと思います。
端的に言うと、DCI方式ではブービー賞を出せません。
The Darkトーナメントでも、賞品の順位取りをやってたことがありましたよね。
カジュアルであればあるほど、下位の順位もそれなりに重要になるケースが増えるでしょう。

>仮にいくさんが他の方式を実装したとしても、フォーマット項のように選択肢の初期値が選ばれるだけだと思います。

まあ、それはそれで。
使ってみたけどさっぱり分からん役に立たんと言われるよりはちょっとはマシです。

>マジック・サポートがTCG以外の競技に手を広げられるなら

手を広げるっていうよりも、現在の利用者に、より適切なサポートができた方がいいだろうと思っています。
「うちはマジック専門なんだからマジック以外の利用はお断りだよ!」とか言いたくないのです。
ちなみにスイス・ラウンド・マネージャは既にTCG以外にも使われています。
主に海外からの利用ですが。

>「将来的にフォーマットが意味を持つサービスを実装する予定」が気になるところです。

たいしたことじゃないんですが。
以前からデッキ登録できるようにしたいと思ってまして。全然進んでないんですが。
イベントで使ったデッキを登録できて、それにコメントを付けたりできるようになれば、何か新しい使い方をしてもらえるんじゃなかろうかと。

arthfing
2011年11月7日0:27

The Darkトーナメントを定期開催していた時期に、ルールの違うガンダムウォーやヴァイスシュバルツと思わしき形跡があったのを覚えています。
今はもちろん使われてないですね。

スイス式の利点は、順位をはっきりさせられる事と、参加者全員が原則全ラウンドをプレイできる2点です。
付随して、同じ成績の者同士で対戦が組め、ある程度実力が均衡した対戦が図られる事も。

スイス式導入動機についてのいくさんの提示例はどちらも同じ事のような……。
タイブレークをDCI規定より簡略した方式でも、計算と管理が面倒で時間がかかる事は変わりなく、企業がツールを提供しない場合はいくさんのものしか選択肢がないんでしょう。

スイス式を使うのはマジックのような2人対戦の競技でしょうし、獲得得点を競う種目でない場合、ブービー賞はむしろスイス式を使わなければ選出できない気がします。
私は紙製マジック時代のお店でやっていた運営方法しか知らないんですが、タイブレークの面倒臭さを避けて順位が明確にならなくても、皆は自分が何勝何敗したかが興味の的でした。

確かに、DCIのスイス式を知った時は、自分のゲーム勝率よりも対戦相手全員のマッチ勝率を優先している事に引っかかったのを覚えています。
スイス式に限らずタイブレークが定められているイベントは、順位決定をしなければならないイベントでしょうし、いくさんが想定するカジュアル・イベントでは、結局はMagic Onlineや私が前のThe Darkトーナメントでやった、獲得マッチ・ポイントによる成績と賞品配布を取るしかないと思いますし、そうしました。

私がそうなので人間は面倒臭がりですから、いかに楽ができるかを考えれば、一般のイベント主催者がDCIのようなガチガチのスイス式を使わないのは当たり前で、そこをいくさんはツールと現実が乖離しているように見えるのではないか、という気がします。

実のところ、"一般的なスイス式"がどんな形なのかが今一つ判断が付きません。
確かに、他の競技で一般的に使われている方式があれば、幅広い利用者が望めそうです。
「いくさん」で変換すると「幾三」になって何とも言えない感じです。

いく
2011年11月7日15:17

>>arthさん

どうもどうも。
この話は始まるとなかなか終わりませんねぇ。
WERのバグの話とかもしたいけど書いたらヤバいのかなあれ。

>スイス式の利点は、順位をはっきりさせられる事と、参加者全員が原則全ラウンドをプレイできる2点です。

これは、シングル・エリミネーションと比較した場合ですね。
もともとスイス・ドローは、チェスの大きな大会でラウンド・ロビン(総当たり)が難しくなったために考案されたものでして、「順位が実力を反映しない」とか「直接対決の無い相手と同着の場合はプレー・オフが必要」とか「やっぱりラウンド・ロビン以外はクソ」とかの批判をされてきた歴史があるそうです。
出発点が違うと評価も変わるものですね。

>スイス式導入動機についてのいくさんの提示例はどちらも同じ事のような……。

これはarthさんが「運営側が記述や計算で楽するために使用されている」とお考えのようだったので、そうじゃないですよ、と指摘したものです。
彼らは、最も「楽な」方法ではなく、最も「正しい」方法を採用したくてここにたどり着いています。
それなりの分量のドキュメントが整備されていて、数多くの利用実績があることを見て、彼らはマジック・サポートのツールが「正しい」と思うようです。
それなのにわたしは「正しい」方式を提供できていないところに苦悩しています。
DCI方式は彼らの大会のためには必ずしも正しくないからです。

>タイブレークをDCI規定より簡略した方式でも、計算と管理が面倒で時間がかかる事は変わりなく、

スイス・ドローが登場したのは19世紀末のことです。
当時は紙と鉛筆で十分管理できる単純なものだったはずです。
21世紀の現在では、大規模な大会ではそこそこ複雑な方式が使われてはいますが、街のチェス・クラブやブリッジ・クラブでは、ずっと簡単な方法が使われています。
もっとも、スイスを使うような競技会は、それらのクラブにとっては大きめの大会です。
何しろ普通はラウンド・ロビンですからね!

>ブービー賞はむしろスイス式を使わなければ選出できない気がします。

ブービー賞を出せないのはDCI方式に特有の問題です。

DCI方式は、マッチ勝率が0.33以下のプレイヤーのマッチ勝率を全部0.33に揃えてオポーネントを計算しますね。
これは、上位のプレイヤーの順位を決めるのに、底辺のプレイヤーの誰と当たったかが影響し過ぎないようにするためです。
ところが、その底辺近くのプレイヤーにとっては、そのトーナメントでの対戦者のほとんどがマッチ勝率0.33になることを意味します。
すると、最初の方でたまたま当たった上位のプレイヤーが誰だったかによって順位が決まるようなことになります。
上位と下位とで、順位計算に非対称性が生じるわけです。
確かに順位は一応決まりますが、下位のプレイヤーになるほど、それはそのトーナメントでのそのプレイヤーのパフォーマンスを反映しなくなります。
ブービー賞を出せないというのはそういう意味です。
マジックの場合は、「トップ8に残るのは誰か」さえ決められればいいのでこうなっているのでしょう。
チェスのスイス・ドローでも似たようなことをやることがありますが、このような非対称性が生じないように工夫しています。

>実のところ、"一般的なスイス式"がどんな形なのかが今一つ判断が付きません。

では、リンクを差し上げましょう。
tp://en.wikipedia.org/wiki/Swiss_system_tournament
tp://www.fide.com/component/handbook/?view=article&id=127

arthfing
2011年11月8日23:22

参考文献が英語で20厘ほどしか読んでませんが、スイス式の歴史から学ぶ必要がある事は分かりました。
スイス式にも色々な方式があって、DCI方式はその中の一つに過ぎず、むしろかなり独特の計算方法を用いているので、ネット上で唯一(かどうかは知りませんが)のいくさんのスイス式ツールがDCI方式しか対応していなければ、知らない人にとってはそれが一般のスイス式であるとの勘違いを広めかねない、知っている人にとってはいくさんが勘違いしていると見なされかねない危惧があるとも。
結局、いくさんが苦労するしかないんですかね。

いく
2011年11月9日11:05

>>arthさん
そうですなー。
マジックではDCI-Rによって計算が事実上ブラック・ボックス化されてきましたから、プレイヤーが違和感を感じ難くなっているように思います。
それは、一般的にはいいことでしょう。鼓腹撃壌的な意味で。

わたしはもともとブリッジ・プレイヤーなので、最初はDCI方式には違和感ありまくりでした。
しかし、他の競技とはスイスをやる目的が(少し)異なるのだと気が付いてからは、逆に、なるほど、と思うようにもなりました。

>結局、いくさんが苦労するしかないんですかね。

ここまで言っちゃったらやるしかありませんなー。
いつやるかはともかくとして。

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索