【翻訳】Standard Pauper:ウィザーズ社に良し。皆に良し。
2012年7月15日 ゲーム コメント (13)このブログにはあんまり翻訳記事は書きたくないのですが、お世話になったgwynedに「My most important article ever」と言われてしまったら、(そしてそれがマジックの記事であるのなら、)ここで国内向けに紹介せざるを得ませんなー。ていうかこんな記事を訳そうと思うのは小生だけでしょうし。
このブログの読者にStandard Pauperを遊んでる人がどのくらいいるのかとか、そもそもこのブログに読者なんているのかとか考えるとキリがないのでそこは《思考停止/Brain Freeze》で。
原文はこちらです。 http://puremtgo.com/articles/standard-pauper-good-wizards-good-you
それで、以下は著者の了解を得ずに訳していてチョサッケン的には問題があるので禁転載でおながいします。非親告罪化とか言わないでくれなさい。
========================================================
Standard Pauper(*1):ウィザーズ社に良し。皆に良し。(Standard Pauper:Good for Wizards, Good For You)(*2)
――by gwyned(*3) 2012年7月10日
I. はじめに
今回は全く違う話です。
今日は、Standard Pauperの世界で最近活躍しているデッキの分析記事をお届けするのではありません。お伝えすべきテクニックや戦略もなければ、特定のカードの比較優位性やその弱点の突き方に関する議論も無しです。Standard Pauperのマッチの興味深い動画も出てきません。わたしの動画であれ、最近のMonday Pauper Deck Challengeのものであれ。そうした話題について書くべきことはまだまだたくさんありますし、わたしの好きなこのフォーマットの各論もやりたいと思ってはいます。しかし、いろんな意味で、この記事の目的はそれらすべてよりも遥かに大きいのです。
些か個人的な話になりますが。思い起こせば90年代初頭は、マジックも今とは違っていました。デッキを作ったり、それで遊んだりして友達と何時間も過ごしましたし、マジックを売ってるいちばん近い本屋さんまでカードを買いに行くのにひたすら長い距離を運転したものでした。現在マジック・オンラインを遊んでおられる多くの方も同様でしょう。ときどき使っていた「Revised」のデュアル・ランドの値打ちなんて分かってませんでしたし、《魔力の櫃/Mana Vault》、《Demonic Tutor》、《ネクロポーテンス/Necropotence》のぶっ壊れっぷりだって理解できてはいませんでした。わたしは正真正銘、世に言うキッチン・テーブル・マジック・プレイヤー(*4)でした。やがてわたしも高校を卒業し、遊び友達にも別れを告げ、ある友人にカードを全部売り払い、大学に通うために引っ越しました。20年ばかり早送りすると、今やわたしのこのゲームに対する認識は劇的に変わりました。この偉大なるゲームに関する情報を、読み、書き、分析することに毎週膨大な時間を費やしています。podcastを聞きながら、プレイヤー達とチャットし、プロのマッチの動画をチェックしています。趣味のためにとっておいたなけなしのお金でも、マジック・オンラインのリミテッドを遊ぶためなら喜んで投入します。どうやらわたしは、このゲームに対して、高校生だった頃に何となく思っていたよりも遥かに深い愛情と理解と情熱を有してしまっているようです。わたしも多くの人と同様、いつでも便利に遊べることがマジック・オンラインをやっている主たる理由であることを認めるにやぶさかではありません。それでもこの、あまり知られているとは言えないStandard Pauperの存在が無かったら、わたしがマジック・オンラインに登録して最初の10チケ(*5)を受け取ることも無かったでしょう。
この記事は、Standard Pauperが、マジック・オンラインのプレイヤーのみならず、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社にとっても良いフォーマットであり、一定の公式サポートを受けるに値するものであることを論証することを意図しています。この大胆な論を主張するに当たり、以下では、このフォーマットが新規および古参のプレイヤー等に如何に有益であるかを論じ、Standard Pauperがウィザーズ社の財政上も有益である根拠を示し、このフォーマットが公式サポートを得るべきでないとするあり得べき反論に回答を示します。その上で、公式サポートが引き起こすであろう諸々について考察することでまとめとし、我々がプレイヤーとしてこれを実現するために為し得ることについて論じます。
II. 何故Standard Pauperはプレイヤーに良いのか
Standard Pauperが公式サポートを受けるべき第一の理由は、それが新規と既存の双方のプレイヤーにとって有益であることです。
何年にもわたって多くの方々が指摘してきた通り、このクライアントの新たな利用者にとって、その学習曲線は極めて険しいものです。このゲームのルールに精通している者ですら、マジック・オンラインが有する様々に入り組んだ問題と特異性とを学ぶにはいくばくかの時間を要します。そして、マジックのルールに関する理解が基本レベルに留まっている者がこのオンライン環境で戦うには、膨大な時間と努力と資金が必要です。最初に貰ったチケットとブースター・パックで何をすべきか決めることすらままなりません。求められているのは、新しいプレイヤーにとって安くて競技性が高く、競技マジックの世界との関連が強く、プレイヤー・コミュニティによるサポートがあるようなフォーマットです。スタンダードやリミテッドのような高コストのフォーマットに膨大な時間とお金を注ぎ込む前に、新規プレイヤーがマジック・オンラインのクライアントとルールに慣れるには、このようなロー・リスクで複雑性の低い環境はうってつけです。
同様に、既存のプレイヤーの中にも、マジック・オンラインの主要なフォーマットやイベントに継続的に関わっているわけではない層が相当数います。その多くは、お金かまたは時間に制約のあるプレイヤーです。そうした人々にも、参入コストが低く、環境理解に時間を要せず、なおかつ楽しくて競技的なゲームを遊ぶ機会の得られるフォーマットは有益です。新規プレイヤーと、そのような種類の既存プレイヤーにとって、Standard Pauperは魅力ある選択肢です。以下にその理由を述べます。
1. 経済的です
新規のプレイヤーが、アカウントに付いてきたチケットは一応取っておくとして、ブースター・パックの方は売り払ったとします。するとおおむね6~7チケを使えることになりますね。Classifieds(*6)で広告している無料サービスを使わなくても、MTGOTradersのような大手の小売bot(*7)に行けば、Standard Pauperの強デッキの2つや3つ、軽く揃えられます。言い値で買ったとしても、スタンダードのコモンのほとんどは2セント(*8)から5セントで手に入ります。どんなに高くても25セントを越えるようなことは滅多にありません。この記事の執筆時点で、スタンダードのセットで最も高額なコモンは《ゲスの評決/Geth’s Verdict》と《変異原性の成長/Mutagenic Growth》と《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》ですが、それぞれたったの15セントに過ぎません。
このことは既存のプレイヤーにとって、新しいセットが出たり大型ローテーションがあったりした後でも第一線に留まり続けるためのコストが極めて低いということを意味します。Standard PauperのPRE(*9)で何度か4位に入賞できれば、新しいエキスパンションのコモンのほとんどを4枚ずつ揃えてお釣りが来ます。同様に、違うアーキタイプを試したり、メタゲームに合わせてリストを調整したりするにも、経済的な制約は何ら存在しません。少なくとも大多数の人々にとって、マジック・オンラインにおいてこのフォーマットは、財布の中身が競技成績に影響しない唯一のフォーマットではないでしょうか。(*10)
2. 最も人気の高い重要なフォーマットを利用しています
マジック・オンラインにおいて、というか、より一般にマジックにおいて最も重要なフォーマットがスタンダードであることに疑いの余地はないでしょう。確かに他にも健全なフォーマットはありますが、全般的に言って注目を集めるのはスタンダードです。Standard Pauperはスタンダードと直接の関係がありますから、新規のプレイヤーの注目がスタンダードの動向に向けられやすいと言えます。もっと言うと、コモンはスタンダードの一線級のデッキにあっても、小さいながらも重要な役割を果たしています。Standard Pauperの競技を通じて、新規のプレイヤーもそれらのカードに速やかに慣れるでしょうし、スタンダード・フォーマットにも通用する広汎な戦略と情報についてアドバンテージが得られるかもしれません。複雑性が低いことは、新規プレイヤーがより速やかに本質を学び取る一助になるでしょう。
ある種の既存プレイヤーにとってStandard Pauperは、慣れ親しんだスタンダードの環境でありながらも、コモンだけを使っていて複雑性が低いという、いいとこ取りな環境です。つまり、スタンダードやリミテッドのトーナメントに較べて複雑性が遥かに低いため、プレイヤーがあまり時間を掛けずに環境に習熟できる一方で、高い競技性と、様々なアーキタイプや戦略が存在できる十分な多様性があり、長期間にわたって多くのプレイヤーの関心を惹き続けています。
3. PREコミュニティがあります
新規のプレイヤーがマジック・オンラインで競技する最善の手段は、PREに出ることです。そこそこのガチ環境で、参加費は原則無料ながら、優勝者にはささやかな賞品が出る、というやつがいいでしょう。現在、その種のStandard PauperのPREで毎週開催されているものに、Monday Pauper Deck Challenge (MPDC)(*11)とStandard Pauper Deck Challenge (SPDC)(*11)があります。他にもいくつかのクランがStandard Pauperのイベントを開催しています。例えばクランPauper Krew(*12)は、リーグ戦形式のイベント(http://community.wizards.com/go/thread/view/75846/29148769/www.pauperkrew.com_and_www.Gatherling.com_presents_PK_Standard_1.05!)をやっています。これらの無料イベントは新規のプレイヤーにとって競技イベントにデビューする最高の方法でしょう。賞品として何チケか獲得できるかもしれませんし、プレイヤー・コミュニティからの励ましや支援を受けられるかもしれません。
そして、既存のプレイヤー達がこのマジック世界にログインして戻ってくるのは、この偉大なコミュニティがあるからこそです。PREは、プレイヤーにフレンドリーな環境で交流し、ゲームについて議論し、お互いから学ぶ機会を与えてくれる場です。実際わたしは、これらのコミュニティ以外ではマジック・オンラインと有意な関わりを持たない人々がいる事実を知っています。その人々にとってStandard Pauperは単なる選択肢ではありません。彼らのすべてなのです。
事実、Standard Pauperが公式フォーマットになる日を待ち望むコミュニティの声は極めて大きいのですが、それも無理からぬところです。議論の一部はここ(http://forums.pdcmagic.com/viewtopic.php?t=5449)やここ(http://forums.pdcmagic.com/viewtopic.php?t=5393)でご覧になれます。(*13)
4. バラエティ豊かなメタゲームを楽しめます
Standard Pauperに対するよくある批判のひとつに、カードプールが小さ過ぎてすぐにメタゲームが煮詰まってしまうのではないか、というものがあります。的外れもいいところです。豊富なデータに基づく完璧な説明はこの記事の主旨を越えますので、ここでは2点の反論で十分でしょう。第一に、大きなカードプールはフォーマットが煮詰まらないことを保証しません。最近、何人かのプレイヤーが、Classic Pauper(*14)は、3つか4つの同じデッキリストが競技プレイのほとんどを占めていると書いていました。第二に、Standard PauperのPREのトップ8のデッキリストをザッと見てみただけでも、このフォーマットに驚くべき多様性があることが分かるはずです。最近の5回のMPDCトーナメントでは、トップ8に15の異なるアーキタイプが顔を見せています。中でも強力なのは、黒単、イゼット、白黒フリッカー、赤単、緑白狼、それに白ウィニー(*15)です。このような多様性の意味するところは、新規のプレイヤーにも古参のプレイヤーにも、勝負にこだわりながらもなお、潤沢な選択と実験の余地があるということです。
まとめますと、Standard Pauperは新規プレイヤーにとっては完璧なフォーマットであり、多くの既存のプレイヤーにも価値のある選択肢です。このフォーマットの無料のPREに参加すれば、マジックとマジック・オンライン・クライアントの要諦を、コストと複雑性の低い環境で学ぶことができます。それは楽しく、経済的で、スタンダードのカードを使います。奥が深く、素晴らしいコミュニティに支持されています。Standard Pauperはわたしの原点であり、誰であれお勧めするのに些かの躊躇もありません。まだ何かお聞きになりたいことはありますか?
III. 何故Standard Pauperはウィザーズ社にも良いのか
理想的な世界においては、Standard Pauperがプレイヤーにとって良いという事実だけで、それが公式サポートを受ける十分な理由になります。しかし、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、まずもってビジネスであり、あらゆる変更は究極的には儲けを出す必要があります。この場合はしかし、問題はありません。すなわち、Standard Pauperが公式サポートを受けるフォーマットであるべき第二の理由は、それがウィザーズ社にとっても良いことであることです。僅かな時間とプログラミング・リソースの投資で、会社は大きな収入増を見込めます。以下にその根拠を説明します。
1. 新たなプログラミングの必要はほとんどありません。
マジック・オンラインには、コモンやスタンダードのカードをフィルターする機能が既に付いています、それらは共に公式サポートされているフォーマットです。確かにわたしはプログラマではありませんが、デッキリストが両方の基準を満たすカードしか含まないように制限するコードを書くのが難しくないであろうことは察せられます。過去にはKaleidoscope(多色のみのフォーマットで、現在ではフィルターのみが実装されていてイベントは開催されていない)のような面倒なフォーマットをいとも簡単に追加してみせたことを思えば、マジック・オンラインのフォーマットとしてStandard Pauperを実装するのは造作もないことで、貴重なプログラミング時間をあまり費やさずにすむことでしょう。
2. 新しいブースター・パックから出てくるカードの大半が使えます。
Standard Pauperをサポートすることの二次的な利点の一つは、ブースター・パックの価値の急激な上昇です。現在、マジック・オンラインのStoreで売られているブースター・パックをどれでもいいから一つ開封して、その3番手のカードが競技イベントで使えると期待できるフォーマットは一つもありません。一方、ほぼすべてのスタンダードのブースターにStandard Pauperで強力なカードが入っています。紙のマジックの世界では、多くのプレイヤーがブースター・パックを買ってカードのコレクションを充実させようとしますが、マジック・オンラインではあまり見かけません。しかし、新規のプレイヤーが初めてのフォーマットとしてのStandard Pauperに魅せられてくれれば、ウィザーズ社はブースターの売上増を期待できます。
3. Standard Pauperは「ゲートウェイドラッグ」
さて、ウィザーズ社がStandard Pauperを公式にサポートすべき最も強力な理由は、それによってプレイヤーがスタンダードとリミテッドに誘導されることです。この現象と、不法薬物の世界で言うところの「ゲートウェイドラッグ」との間には類似点があることを提唱してもいいでしょう。ゲートウェイドラッグとは、より入手しやすく危険性も少なく安価でありながら、より中毒性が強くかつ危険な物質の使用へとつながるようなもののことです。そのような過程が生じる要因が心理学的なものなのか化学的なものなのか、はたまた環境因子によるのかは議論のあるところですが、いずれにせよ生じることは確かです。マジック・オンラインでウィザーズ社がプレイヤーから得るお金の大半は、スタンダードとリミテッドの両フォーマットを通じて入ってきます。リミテッド用のブースターの売り上げか、あるいはスタンダードのイベントの参加費として。要するに、これら両フォーマットの参加者が増えれば増えるほど、この会社は儲かる仕組みです。しかし、先ほど述べたとおりで、これらのフォーマットの学習曲線はかなり険しいものでして、敵はどんどん手強くなります。マジック・オンラインに挑み、これら両フォーマットで戦うために莫大な額を消費し、その結果あきらめて他のコトにお金を使うようになった人々はどれだけいるでしょう? そこにもし、他の選択肢があったとしたら?
Standard Pauperはこの問題に対する完璧な解答です。このフォーマットをプレイする新規および既存のプレイヤー達は、少ない時間とお金の投資でガチ・バトルのスリルを味わうことができ、そしてその過程を楽しんでいる自分を発見するのです。彼らは徐々に、他のフォーマットにも興味を持つようになるでしょう。そして時間とエネルギーをそちらにも振り向けるようになっていきます。リミテッドはStandard Pauperの次の段階としては自然です。リミテッドでの経験の大部分は、いいコモンを如何に使うかということですからね。スタンダードもまた自然な発展です。プレイヤーは、スタンダードには自分たちが使っているカードとのより複雑な相互作用があることに気付いていくからです。いずれの場合でも、Standard Pauperは、プレイヤーがより複雑で値の張るフォーマットに進む前に腕を磨けるセーフティネットとして機能します。
まとめますと、Standard Pauperはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社にとって良いものです。何故なら、それによって追加の収入を得られるからです。このフォーマットから直接得られる売り上げは、他のフォーマットと比較すると大したことがないかもしれません。しかし、このフォーマットがあることで、他のより主流のフォーマットの競技人口が増え、そこからの収入が増えることによって間接的に売り上げに貢献します。してみれば、このフォーマットが新規および既存のプレイヤーにとっても良いものだという事実は、うれしいオマケみたいなものです。
IV. あなたには何ができますか?
この記事をここまで読んでいるということは、あなたはマジック・オンラインにおいてStandard Pauperが公式サポートされるのを見たいと思っているということですよね。もし本当にそうなら、最も論理的な質問は次であるはずです。そのためにあなたには何ができますか? その望みをかなえる手助けとして、あなたに何ができますか? よくぞ尋ねてくださいました。
1. 広める。
あなたにできる最初のことは、Standard Pauperフォーマットの露出を増やすことです。Standard PauperのPREに定期的に参加しましょう。Just for Fun部屋で、descriptionに「Standard Pauper」と書いてマッチないしシングル・ゲームをプレイしましょう。あなたのブログやフェイスブックやツイッターやその他あなたが他の人々とオンラインで交流するあらゆる場所で、このフォーマットの楽しさを広めてください。お友達にも、他のマジック・オンラインのプレイヤーにも、Standard Pauperが実際どれだけ素晴らしいかを語ってください。このフォーマットが小さくマイナーなものだという見方は常にあります。それならメジャーにするためにできることをやろうではないですか。
2. しかるべき方々にメールする。
あなたにできる第二のことは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社にあなたの声を届けることです。わたしの良い友人のJoe Dillard (皆さんにはjoekewwl(*16)で通ってますね)がマジック・オンラインのβテストで根気強く対応したのと、昨年のコミュニティ・カップに参加したことで、ウィザーズ社もだんだんとフォーマットとしてのStandard Pauperへの認知を高めてきています。実際、先週のマジック・オンライン開発チームとのチャットで、joekewwlとVIPの2名のStandard PauperプレイヤーがStandard Pauperを話題に出していました。こちら(http://forums.pdcmagic.com/viewtopic.php?t=6061)をご覧下さい。
すなわち、今こそ彼らにStandard Pauperが公式フォーマットとしてサポートされるのを見たいと伝えるべきときです。下記が担当者の連絡先です:
3. この記事にリンクを貼る。
恥知らずな売名行為と言われるかもしれませんが、あなたにできる最後のことは、この記事にリンクを貼ることです。わたし自身を売り込もうというわけではありません。このフォーマットが公式サポートを得る有力な候補であることを多くの人に知ってもらうためです。フェイスブックとかツイッターとかのソーシャル・メディアを使って下さい。みんなが見られるようにリンクを貼って下さい。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社宛てのあなたのメールにも、リンクを入れておいてください。マジック・オンラインの世界のあなたのあらゆる知己に対してこの記事を紹介してください。マジック・オンラインのコミュニティでStandard Pauperが話題になるように仕向けてください。
V. まとめ
Standard Pauperが公式フォーマットになったらどうなるか、想像してみましょう。Just for Fun部屋で対戦相手を探すのはずっと楽になるでしょう。毎週開催のPREの出場者は劇的に増えるでしょう。スポンサーもつくでしょう。ついたらいいな、ではないですよ。人気が出たら、Standard Pauperのspecial community eventができたり、あるいはTournament Constructed Queueの2人構築ができたりするかもしれませんね。Standard Pauperのデイリー・イベントができたりしたらすごいですよね! Standard Pauperについてどんな夢を見るにせよ、その夢の実現のため、あなたにはできることがあります。
来週もこの記事の続きを書いて、Standard Pauperフォーマットに公式サポートを与えることに対する最も良く聞かれる批判に対して回答を示すつもりです。そこにはMonday Pauper Deck Challengeのホストとして費やした数年間にわたって収集した基礎データも載せましょう。さておき、PureMTGO.comにアップされる前にわたしの記事を覗きたいという人は、YouTube.comにアクセスして"gwyned42"を検索し、わたしのvideo-castをどれでもいいから1つ選んで「チャンネル登録」ボタンをクリックするといいですよ。ツイッターでgwyned42をフォローしてくださっても結構です。わたしのプロフィールはこちら(https://twitter.com/gwyned42)ですので、「フォローする」を押してください。この記事を読んでくださって、あるいはコメントをくださってありがとうございました。それではまた次回!
========================================================
そのgreat communityに属している当人であるところの訳者から見ても、ま、ちょっと牽強付会なあれや我田引水なこれがあったりはするものの。それでもこういう活動をしてくれること自体はとてもありがたいことです。ただ、今すぐこういう形でStandard Pauperを公式サポートしてもらうことに対して、訳者は若干の危惧もあります。それはデッキ・レギュレーションがまだ統一されていないということです。
Standard Pauperは、伝統的にMagic Onlineのユーザ・コミュニティが育ててきたフォーマットでして、デッキ・レギュレーションは、イベント主催団体毎に微妙に差異があります。現在最も歴史の古いStandard PauperのPREであるSPDC(*11)の場合は、次の通りです。
・Standardでリーガルなカード・セットにコモン・レアリティで収録されているカード(およびそれと同名のカード)と基本土地だけでデッキを作る。
・それ以外はスタンダードのデッキ構築ルールに従う。
単純に「スタンダードでリーガルなコモン・カード(およびそれと同名のカード)」ではないです。例えばULGの《怨恨/Rancor》は「スタンダードでリーガルなコモン・カード」ですが、SPDCでは使えません。スタンダードでリーガルなカード・セットには《怨恨》のコモンのプリントがないからです。現在Standard Pauperの最大のPREであるMPDC(*11)も、SPDCと同じレギュレーションです。
このスタイルは、次の2つのメリットがあると思います。
・《怨恨》のような「比較的高額な」カードが環境に存在せず、お財布に優しいということ。
・比較的バランスが取れていること。何故なら、各ブロックと基本セットのコモン・カードは、リミテッド環境のバランスを考慮してディヴェロップされているからです。
やっぱり《怨恨》にしろ《火の玉》にしろ《囁き絹の外套》にしろ、昔はコモンだったのにわざわざアンコモンで再録されるカードというのは、アンコモンにすべき理由があるわけです。すなわち、多くの場合は、その時点のスタンダードのデザイン・ポリシーではコモンに存在してはならない種類のカード機能を持っていることが多いのです。それをStandard Pauperに持ち込むと、専用の対策が必要な強力なカードになっちゃうんですね。(まあ、そうじゃないのもいますけど…。)そういうわけで、上記は「いい」レギュレーションだと思うんですが、反面、「ちょっとメンドクサイ」というデメリットもあります。
一方、クランPauper Krew(*12)のStandard PauperレギュレーションであるPK Standardは、また別のレギュレーションです。すなわち、マジック・オンラインでスタンダードとPauperの両方でリーガルなデッキはPK Standardでもリーガルです。よって《怨恨》もリーガル。デッキのリーガリティを調べるだけならこっちの方が簡単です。このレギュレーションは、2012年7月時点では、事実上「スタンダードでリーガルなコモン・カード(およびそれと同名のカード)」と同じことです。しかし、Pauperには禁止カードがありますから、将来Pauperの禁止カードがスタンダードに再録されるようなことがあると、「スタンダードでリーガルなコモン・カード」とはちょっと違ってきます。些細なことですが。
訳者は、Standard Pauperが公式フォーマットになるのなら、SPDC/MPDCスタイルのレギュレーションを採用して欲しい側なんですけど、中にはそうは思わない人もいるでしょう。gwynedのこの記事の中ではこの問題には全く触れていません。どうなりますことやら。
一方で、公式フォーマットになることの期待もあります。それは、現在PREコミュニティに属していない非英語圏のプレイヤーへの影響です。SPDCもMPDCも、ヨーロッパやアメリカに在住のプレイヤーに優しい時間帯のイベントで、その他の地域のヒトが継続的にプレイするのはなかなか難しいと思います。英語でチャットしながらのイベントですし。公式フォーマットになることで、その辺にもいい影響があると思うんですね。つっても日付変更線のこっち側で非英語圏でマジック・オンラインの盛んな国ってほとんど日本だけかもしれないんですけども…。
========================================================
訳註
*1 Standard Pauper(またはPauper Standard)というのは、要するにスタンダードのコモン単です。
ちなみに英単語としての「Pauper」の発音は「ポーパー」で、意味は辞書を引けば載ってます。
http://eow.alc.co.jp/search?q=pauper
読めば、何故このフォーマットがPauperと呼ばれるのかが分かるでしょう。
*2 原題は「Good for Wizards, Good For You」。何故2番目の「For」が大文字で始まっているのかは良く分からず。
*3 gwynedはMPDC(*11)のホストです。
*4 キッチン・テーブル・プレイヤーというのは、競技プレイとは無縁のカジュアル・プレイヤーのことで、主にウィザーズ社のマジックのホームページに掲載されている記事の中で使われる用語です。彼らはフォーマットなんて知ったこっちゃありませんし、それどころか6版ルールを使ってるかどうかも怪しいです。カード・スリーヴなんか使いませんし、ライフは脳内に記録します。「台所のテーブルで友達と遊ぶのがマジックに関する主な活動であるような種類のプレイヤー」という意味ではありますが、本当に台所で遊んでいる必要があるわけではないです。たぶん、TimmyとかJohnnyとかと似たようなもので、マーケティング上のプロトタイプみたいなものなんでしょう。
*5 マジック・オンラインをやったことのない人のために解説すると、「チケ」とか「チケット」とか言うのは、「イベント・チケット」のことです。マジック・オンラインで開催されている公式のイベントには参加費がかかるのですが、その都度現金で支払うわけではなく、オンライン・ショップで売っている「チケット」を購入して、それを使って支払います。チケット1枚が1USD(米ドル)。イベントによって参加費は異なるわけですけど、それはチケットの枚数で示されます。このチケットが、マジック・オンラインのプレイヤーの間では通貨の役割を果たしています。誰かとトレードするとき、カードとカードで物々交換することももちろんできますが、それってけっこう面倒ですよね。それで、「このカードは3チケ」などと、チケットを単位に値段を付けるわけです。
*6 classifiedsというのは、新聞等の「売ります買います」欄のことです。マジック・オンラインにもclassifiedsがあって、トレードの希望を書いて貼っておくことができるようになっています。中には、注意を引くために、「余っているコモンは無料であげますよ」と書いてあるものもあります。
*7 マジック・オンラインで「bot」と言ったら、それは、人間ではなくコンピュータ・プログラムによってカードをトレードしてくれるアカウントのことです。botアカウントにトレードを申し込むと自動的にチャットが開いて、「欲しいカードをクリックして下さい」とかなんとか言ってくるので、指示どおりにしてればトレードができるというわけ。売り専bot、買い専bot、両刀使い、パック専門bot、いろんなbotがいますよ。
*8 1セントは0.01ドル。1ドル80円なら2セントは1.6円ってことですね。っていうことはどうでも良くて、「1枚1ドルのチケットでカードを買うってのに、コモン・カードが1枚2セントって、どうやって支払うの?」っていうことですよね。1セントは、つまり0.01チケットです。50枚まとめて買って1チケットと交換する、というわけではなく、1ドル未満の取引はbotが覚えていてくれます。0.42チケット分のコモンを買って1チケットを払うと、次にそのbotにトレードを申し込んだときに、「あなたには0.58チケットの借りがあります。」みたいに教えてくれるわけです。その範囲でのお買い物ならチケットを渡さずに済みます。
*9 PREとはPlayer Run Eventの略で、つまり「ユーザ主催イベント」のことです。
*10 いやいや、モミール・ベーシックをお忘れじゃありませんか! と思ったヒトも多かろうと思いますが、ま、ポジション・トークですので。
*11 MPDCは毎週月曜日の午後2時半(米国東部時間)からで、だいたい40人前後が参加しています。2012年7月時点ではシーズン17が進行中。1年は4シーズンですから、もう4年以上経ったんですなー。
http://forums.pdcmagic.com/viewtopic.php?t=6029
SPDCは木曜日の夜9時(米国東部時間)からで、ホストはjamuraaです。参加者は20人前後。同じくシーズン18が進行中です。こちらも以前は1年4シーズンだったのですが、最近はホストが忙し過ぎてそうじゃなくなったみたいです。そのうちシーズン数でMPDCに逆転されちまうでしょう。
いずれも参加費は無料で、1位の賞品は7ドル、2位は4ドル、4位は2ドル相当のチケットまたはクーポンです。詳しいことは、コモン単専門サイトPDCMagicをどうぞ。
http://pdcmagic.com/
それで、マジック・オンラインのイベント・スケジュールは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のある太平洋時間を使ってますけど、SPDCもMPDCも東部時間を使ってますからご注意ください。
*12 Pauper Krewはこちら。 http://pauperkrew.com/phpbb/portal.php
*13 っていうか、この記事の原文のコメント欄が既にアツいです。
*14 Standard Pauperでない公式フォーマットのPauperであることを示すために「Classic」と付けてるだけで、要するにPauperのことです。
*15 原文にはデッキリストへのリンクが載っています。
黒単:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20344
イゼット:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20343
白黒フリッカー:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20283
赤単:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20270
緑白狼:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20408
白ウィニー:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20411
*16 joekewwlは、SPDC/MPDCでも活躍している強豪プレイヤーの一人です。
このブログの読者にStandard Pauperを遊んでる人がどのくらいいるのかとか、そもそもこのブログに読者なんているのかとか考えるとキリがないのでそこは《思考停止/Brain Freeze》で。
原文はこちらです。 http://puremtgo.com/articles/standard-pauper-good-wizards-good-you
それで、以下は著者の了解を得ずに訳していてチョサッケン的には問題があるので禁転載でおながいします。非親告罪化とか言わないでくれなさい。
========================================================
Standard Pauper(*1):ウィザーズ社に良し。皆に良し。(Standard Pauper:Good for Wizards, Good For You)(*2)
――by gwyned(*3) 2012年7月10日
I. はじめに
今回は全く違う話です。
今日は、Standard Pauperの世界で最近活躍しているデッキの分析記事をお届けするのではありません。お伝えすべきテクニックや戦略もなければ、特定のカードの比較優位性やその弱点の突き方に関する議論も無しです。Standard Pauperのマッチの興味深い動画も出てきません。わたしの動画であれ、最近のMonday Pauper Deck Challengeのものであれ。そうした話題について書くべきことはまだまだたくさんありますし、わたしの好きなこのフォーマットの各論もやりたいと思ってはいます。しかし、いろんな意味で、この記事の目的はそれらすべてよりも遥かに大きいのです。
些か個人的な話になりますが。思い起こせば90年代初頭は、マジックも今とは違っていました。デッキを作ったり、それで遊んだりして友達と何時間も過ごしましたし、マジックを売ってるいちばん近い本屋さんまでカードを買いに行くのにひたすら長い距離を運転したものでした。現在マジック・オンラインを遊んでおられる多くの方も同様でしょう。ときどき使っていた「Revised」のデュアル・ランドの値打ちなんて分かってませんでしたし、《魔力の櫃/Mana Vault》、《Demonic Tutor》、《ネクロポーテンス/Necropotence》のぶっ壊れっぷりだって理解できてはいませんでした。わたしは正真正銘、世に言うキッチン・テーブル・マジック・プレイヤー(*4)でした。やがてわたしも高校を卒業し、遊び友達にも別れを告げ、ある友人にカードを全部売り払い、大学に通うために引っ越しました。20年ばかり早送りすると、今やわたしのこのゲームに対する認識は劇的に変わりました。この偉大なるゲームに関する情報を、読み、書き、分析することに毎週膨大な時間を費やしています。podcastを聞きながら、プレイヤー達とチャットし、プロのマッチの動画をチェックしています。趣味のためにとっておいたなけなしのお金でも、マジック・オンラインのリミテッドを遊ぶためなら喜んで投入します。どうやらわたしは、このゲームに対して、高校生だった頃に何となく思っていたよりも遥かに深い愛情と理解と情熱を有してしまっているようです。わたしも多くの人と同様、いつでも便利に遊べることがマジック・オンラインをやっている主たる理由であることを認めるにやぶさかではありません。それでもこの、あまり知られているとは言えないStandard Pauperの存在が無かったら、わたしがマジック・オンラインに登録して最初の10チケ(*5)を受け取ることも無かったでしょう。
この記事は、Standard Pauperが、マジック・オンラインのプレイヤーのみならず、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社にとっても良いフォーマットであり、一定の公式サポートを受けるに値するものであることを論証することを意図しています。この大胆な論を主張するに当たり、以下では、このフォーマットが新規および古参のプレイヤー等に如何に有益であるかを論じ、Standard Pauperがウィザーズ社の財政上も有益である根拠を示し、このフォーマットが公式サポートを得るべきでないとするあり得べき反論に回答を示します。その上で、公式サポートが引き起こすであろう諸々について考察することでまとめとし、我々がプレイヤーとしてこれを実現するために為し得ることについて論じます。
II. 何故Standard Pauperはプレイヤーに良いのか
Standard Pauperが公式サポートを受けるべき第一の理由は、それが新規と既存の双方のプレイヤーにとって有益であることです。
何年にもわたって多くの方々が指摘してきた通り、このクライアントの新たな利用者にとって、その学習曲線は極めて険しいものです。このゲームのルールに精通している者ですら、マジック・オンラインが有する様々に入り組んだ問題と特異性とを学ぶにはいくばくかの時間を要します。そして、マジックのルールに関する理解が基本レベルに留まっている者がこのオンライン環境で戦うには、膨大な時間と努力と資金が必要です。最初に貰ったチケットとブースター・パックで何をすべきか決めることすらままなりません。求められているのは、新しいプレイヤーにとって安くて競技性が高く、競技マジックの世界との関連が強く、プレイヤー・コミュニティによるサポートがあるようなフォーマットです。スタンダードやリミテッドのような高コストのフォーマットに膨大な時間とお金を注ぎ込む前に、新規プレイヤーがマジック・オンラインのクライアントとルールに慣れるには、このようなロー・リスクで複雑性の低い環境はうってつけです。
同様に、既存のプレイヤーの中にも、マジック・オンラインの主要なフォーマットやイベントに継続的に関わっているわけではない層が相当数います。その多くは、お金かまたは時間に制約のあるプレイヤーです。そうした人々にも、参入コストが低く、環境理解に時間を要せず、なおかつ楽しくて競技的なゲームを遊ぶ機会の得られるフォーマットは有益です。新規プレイヤーと、そのような種類の既存プレイヤーにとって、Standard Pauperは魅力ある選択肢です。以下にその理由を述べます。
1. 経済的です
新規のプレイヤーが、アカウントに付いてきたチケットは一応取っておくとして、ブースター・パックの方は売り払ったとします。するとおおむね6~7チケを使えることになりますね。Classifieds(*6)で広告している無料サービスを使わなくても、MTGOTradersのような大手の小売bot(*7)に行けば、Standard Pauperの強デッキの2つや3つ、軽く揃えられます。言い値で買ったとしても、スタンダードのコモンのほとんどは2セント(*8)から5セントで手に入ります。どんなに高くても25セントを越えるようなことは滅多にありません。この記事の執筆時点で、スタンダードのセットで最も高額なコモンは《ゲスの評決/Geth’s Verdict》と《変異原性の成長/Mutagenic Growth》と《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》ですが、それぞれたったの15セントに過ぎません。
このことは既存のプレイヤーにとって、新しいセットが出たり大型ローテーションがあったりした後でも第一線に留まり続けるためのコストが極めて低いということを意味します。Standard PauperのPRE(*9)で何度か4位に入賞できれば、新しいエキスパンションのコモンのほとんどを4枚ずつ揃えてお釣りが来ます。同様に、違うアーキタイプを試したり、メタゲームに合わせてリストを調整したりするにも、経済的な制約は何ら存在しません。少なくとも大多数の人々にとって、マジック・オンラインにおいてこのフォーマットは、財布の中身が競技成績に影響しない唯一のフォーマットではないでしょうか。(*10)
2. 最も人気の高い重要なフォーマットを利用しています
マジック・オンラインにおいて、というか、より一般にマジックにおいて最も重要なフォーマットがスタンダードであることに疑いの余地はないでしょう。確かに他にも健全なフォーマットはありますが、全般的に言って注目を集めるのはスタンダードです。Standard Pauperはスタンダードと直接の関係がありますから、新規のプレイヤーの注目がスタンダードの動向に向けられやすいと言えます。もっと言うと、コモンはスタンダードの一線級のデッキにあっても、小さいながらも重要な役割を果たしています。Standard Pauperの競技を通じて、新規のプレイヤーもそれらのカードに速やかに慣れるでしょうし、スタンダード・フォーマットにも通用する広汎な戦略と情報についてアドバンテージが得られるかもしれません。複雑性が低いことは、新規プレイヤーがより速やかに本質を学び取る一助になるでしょう。
ある種の既存プレイヤーにとってStandard Pauperは、慣れ親しんだスタンダードの環境でありながらも、コモンだけを使っていて複雑性が低いという、いいとこ取りな環境です。つまり、スタンダードやリミテッドのトーナメントに較べて複雑性が遥かに低いため、プレイヤーがあまり時間を掛けずに環境に習熟できる一方で、高い競技性と、様々なアーキタイプや戦略が存在できる十分な多様性があり、長期間にわたって多くのプレイヤーの関心を惹き続けています。
3. PREコミュニティがあります
新規のプレイヤーがマジック・オンラインで競技する最善の手段は、PREに出ることです。そこそこのガチ環境で、参加費は原則無料ながら、優勝者にはささやかな賞品が出る、というやつがいいでしょう。現在、その種のStandard PauperのPREで毎週開催されているものに、Monday Pauper Deck Challenge (MPDC)(*11)とStandard Pauper Deck Challenge (SPDC)(*11)があります。他にもいくつかのクランがStandard Pauperのイベントを開催しています。例えばクランPauper Krew(*12)は、リーグ戦形式のイベント(http://community.wizards.com/go/thread/view/75846/29148769/www.pauperkrew.com_and_www.Gatherling.com_presents_PK_Standard_1.05!)をやっています。これらの無料イベントは新規のプレイヤーにとって競技イベントにデビューする最高の方法でしょう。賞品として何チケか獲得できるかもしれませんし、プレイヤー・コミュニティからの励ましや支援を受けられるかもしれません。
そして、既存のプレイヤー達がこのマジック世界にログインして戻ってくるのは、この偉大なコミュニティがあるからこそです。PREは、プレイヤーにフレンドリーな環境で交流し、ゲームについて議論し、お互いから学ぶ機会を与えてくれる場です。実際わたしは、これらのコミュニティ以外ではマジック・オンラインと有意な関わりを持たない人々がいる事実を知っています。その人々にとってStandard Pauperは単なる選択肢ではありません。彼らのすべてなのです。
事実、Standard Pauperが公式フォーマットになる日を待ち望むコミュニティの声は極めて大きいのですが、それも無理からぬところです。議論の一部はここ(http://forums.pdcmagic.com/viewtopic.php?t=5449)やここ(http://forums.pdcmagic.com/viewtopic.php?t=5393)でご覧になれます。(*13)
4. バラエティ豊かなメタゲームを楽しめます
Standard Pauperに対するよくある批判のひとつに、カードプールが小さ過ぎてすぐにメタゲームが煮詰まってしまうのではないか、というものがあります。的外れもいいところです。豊富なデータに基づく完璧な説明はこの記事の主旨を越えますので、ここでは2点の反論で十分でしょう。第一に、大きなカードプールはフォーマットが煮詰まらないことを保証しません。最近、何人かのプレイヤーが、Classic Pauper(*14)は、3つか4つの同じデッキリストが競技プレイのほとんどを占めていると書いていました。第二に、Standard PauperのPREのトップ8のデッキリストをザッと見てみただけでも、このフォーマットに驚くべき多様性があることが分かるはずです。最近の5回のMPDCトーナメントでは、トップ8に15の異なるアーキタイプが顔を見せています。中でも強力なのは、黒単、イゼット、白黒フリッカー、赤単、緑白狼、それに白ウィニー(*15)です。このような多様性の意味するところは、新規のプレイヤーにも古参のプレイヤーにも、勝負にこだわりながらもなお、潤沢な選択と実験の余地があるということです。
まとめますと、Standard Pauperは新規プレイヤーにとっては完璧なフォーマットであり、多くの既存のプレイヤーにも価値のある選択肢です。このフォーマットの無料のPREに参加すれば、マジックとマジック・オンライン・クライアントの要諦を、コストと複雑性の低い環境で学ぶことができます。それは楽しく、経済的で、スタンダードのカードを使います。奥が深く、素晴らしいコミュニティに支持されています。Standard Pauperはわたしの原点であり、誰であれお勧めするのに些かの躊躇もありません。まだ何かお聞きになりたいことはありますか?
III. 何故Standard Pauperはウィザーズ社にも良いのか
理想的な世界においては、Standard Pauperがプレイヤーにとって良いという事実だけで、それが公式サポートを受ける十分な理由になります。しかし、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、まずもってビジネスであり、あらゆる変更は究極的には儲けを出す必要があります。この場合はしかし、問題はありません。すなわち、Standard Pauperが公式サポートを受けるフォーマットであるべき第二の理由は、それがウィザーズ社にとっても良いことであることです。僅かな時間とプログラミング・リソースの投資で、会社は大きな収入増を見込めます。以下にその根拠を説明します。
1. 新たなプログラミングの必要はほとんどありません。
マジック・オンラインには、コモンやスタンダードのカードをフィルターする機能が既に付いています、それらは共に公式サポートされているフォーマットです。確かにわたしはプログラマではありませんが、デッキリストが両方の基準を満たすカードしか含まないように制限するコードを書くのが難しくないであろうことは察せられます。過去にはKaleidoscope(多色のみのフォーマットで、現在ではフィルターのみが実装されていてイベントは開催されていない)のような面倒なフォーマットをいとも簡単に追加してみせたことを思えば、マジック・オンラインのフォーマットとしてStandard Pauperを実装するのは造作もないことで、貴重なプログラミング時間をあまり費やさずにすむことでしょう。
2. 新しいブースター・パックから出てくるカードの大半が使えます。
Standard Pauperをサポートすることの二次的な利点の一つは、ブースター・パックの価値の急激な上昇です。現在、マジック・オンラインのStoreで売られているブースター・パックをどれでもいいから一つ開封して、その3番手のカードが競技イベントで使えると期待できるフォーマットは一つもありません。一方、ほぼすべてのスタンダードのブースターにStandard Pauperで強力なカードが入っています。紙のマジックの世界では、多くのプレイヤーがブースター・パックを買ってカードのコレクションを充実させようとしますが、マジック・オンラインではあまり見かけません。しかし、新規のプレイヤーが初めてのフォーマットとしてのStandard Pauperに魅せられてくれれば、ウィザーズ社はブースターの売上増を期待できます。
3. Standard Pauperは「ゲートウェイドラッグ」
さて、ウィザーズ社がStandard Pauperを公式にサポートすべき最も強力な理由は、それによってプレイヤーがスタンダードとリミテッドに誘導されることです。この現象と、不法薬物の世界で言うところの「ゲートウェイドラッグ」との間には類似点があることを提唱してもいいでしょう。ゲートウェイドラッグとは、より入手しやすく危険性も少なく安価でありながら、より中毒性が強くかつ危険な物質の使用へとつながるようなもののことです。そのような過程が生じる要因が心理学的なものなのか化学的なものなのか、はたまた環境因子によるのかは議論のあるところですが、いずれにせよ生じることは確かです。マジック・オンラインでウィザーズ社がプレイヤーから得るお金の大半は、スタンダードとリミテッドの両フォーマットを通じて入ってきます。リミテッド用のブースターの売り上げか、あるいはスタンダードのイベントの参加費として。要するに、これら両フォーマットの参加者が増えれば増えるほど、この会社は儲かる仕組みです。しかし、先ほど述べたとおりで、これらのフォーマットの学習曲線はかなり険しいものでして、敵はどんどん手強くなります。マジック・オンラインに挑み、これら両フォーマットで戦うために莫大な額を消費し、その結果あきらめて他のコトにお金を使うようになった人々はどれだけいるでしょう? そこにもし、他の選択肢があったとしたら?
Standard Pauperはこの問題に対する完璧な解答です。このフォーマットをプレイする新規および既存のプレイヤー達は、少ない時間とお金の投資でガチ・バトルのスリルを味わうことができ、そしてその過程を楽しんでいる自分を発見するのです。彼らは徐々に、他のフォーマットにも興味を持つようになるでしょう。そして時間とエネルギーをそちらにも振り向けるようになっていきます。リミテッドはStandard Pauperの次の段階としては自然です。リミテッドでの経験の大部分は、いいコモンを如何に使うかということですからね。スタンダードもまた自然な発展です。プレイヤーは、スタンダードには自分たちが使っているカードとのより複雑な相互作用があることに気付いていくからです。いずれの場合でも、Standard Pauperは、プレイヤーがより複雑で値の張るフォーマットに進む前に腕を磨けるセーフティネットとして機能します。
まとめますと、Standard Pauperはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社にとって良いものです。何故なら、それによって追加の収入を得られるからです。このフォーマットから直接得られる売り上げは、他のフォーマットと比較すると大したことがないかもしれません。しかし、このフォーマットがあることで、他のより主流のフォーマットの競技人口が増え、そこからの収入が増えることによって間接的に売り上げに貢献します。してみれば、このフォーマットが新規および既存のプレイヤーにとっても良いものだという事実は、うれしいオマケみたいなものです。
IV. あなたには何ができますか?
この記事をここまで読んでいるということは、あなたはマジック・オンラインにおいてStandard Pauperが公式サポートされるのを見たいと思っているということですよね。もし本当にそうなら、最も論理的な質問は次であるはずです。そのためにあなたには何ができますか? その望みをかなえる手助けとして、あなたに何ができますか? よくぞ尋ねてくださいました。
1. 広める。
あなたにできる最初のことは、Standard Pauperフォーマットの露出を増やすことです。Standard PauperのPREに定期的に参加しましょう。Just for Fun部屋で、descriptionに「Standard Pauper」と書いてマッチないしシングル・ゲームをプレイしましょう。あなたのブログやフェイスブックやツイッターやその他あなたが他の人々とオンラインで交流するあらゆる場所で、このフォーマットの楽しさを広めてください。お友達にも、他のマジック・オンラインのプレイヤーにも、Standard Pauperが実際どれだけ素晴らしいかを語ってください。このフォーマットが小さくマイナーなものだという見方は常にあります。それならメジャーにするためにできることをやろうではないですか。
2. しかるべき方々にメールする。
あなたにできる第二のことは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社にあなたの声を届けることです。わたしの良い友人のJoe Dillard (皆さんにはjoekewwl(*16)で通ってますね)がマジック・オンラインのβテストで根気強く対応したのと、昨年のコミュニティ・カップに参加したことで、ウィザーズ社もだんだんとフォーマットとしてのStandard Pauperへの認知を高めてきています。実際、先週のマジック・オンライン開発チームとのチャットで、joekewwlとVIPの2名のStandard PauperプレイヤーがStandard Pauperを話題に出していました。こちら(http://forums.pdcmagic.com/viewtopic.php?t=6061)をご覧下さい。
すなわち、今こそ彼らにStandard Pauperが公式フォーマットとしてサポートされるのを見たいと伝えるべきときです。下記が担当者の連絡先です:
・Chris Kiritz(chris.kiritz@wizards.com)にメールしてください。彼はマジック・オンラインのビジネス・マネージャで、日々の運用を担当しています。
・あるいは、マジック・オンライン・カスタマー・サービス(http://wizards.custhelp.com/app/ask)にメールしてくださっても結構です。このリンク先を見るには、WotCフォーラムにログインしている必要があります。
3. この記事にリンクを貼る。
恥知らずな売名行為と言われるかもしれませんが、あなたにできる最後のことは、この記事にリンクを貼ることです。わたし自身を売り込もうというわけではありません。このフォーマットが公式サポートを得る有力な候補であることを多くの人に知ってもらうためです。フェイスブックとかツイッターとかのソーシャル・メディアを使って下さい。みんなが見られるようにリンクを貼って下さい。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社宛てのあなたのメールにも、リンクを入れておいてください。マジック・オンラインの世界のあなたのあらゆる知己に対してこの記事を紹介してください。マジック・オンラインのコミュニティでStandard Pauperが話題になるように仕向けてください。
V. まとめ
Standard Pauperが公式フォーマットになったらどうなるか、想像してみましょう。Just for Fun部屋で対戦相手を探すのはずっと楽になるでしょう。毎週開催のPREの出場者は劇的に増えるでしょう。スポンサーもつくでしょう。ついたらいいな、ではないですよ。人気が出たら、Standard Pauperのspecial community eventができたり、あるいはTournament Constructed Queueの2人構築ができたりするかもしれませんね。Standard Pauperのデイリー・イベントができたりしたらすごいですよね! Standard Pauperについてどんな夢を見るにせよ、その夢の実現のため、あなたにはできることがあります。
来週もこの記事の続きを書いて、Standard Pauperフォーマットに公式サポートを与えることに対する最も良く聞かれる批判に対して回答を示すつもりです。そこにはMonday Pauper Deck Challengeのホストとして費やした数年間にわたって収集した基礎データも載せましょう。さておき、PureMTGO.comにアップされる前にわたしの記事を覗きたいという人は、YouTube.comにアクセスして"gwyned42"を検索し、わたしのvideo-castをどれでもいいから1つ選んで「チャンネル登録」ボタンをクリックするといいですよ。ツイッターでgwyned42をフォローしてくださっても結構です。わたしのプロフィールはこちら(https://twitter.com/gwyned42)ですので、「フォローする」を押してください。この記事を読んでくださって、あるいはコメントをくださってありがとうございました。それではまた次回!
========================================================
そのgreat communityに属している当人であるところの訳者から見ても、ま、ちょっと牽強付会なあれや我田引水なこれがあったりはするものの。それでもこういう活動をしてくれること自体はとてもありがたいことです。ただ、今すぐこういう形でStandard Pauperを公式サポートしてもらうことに対して、訳者は若干の危惧もあります。それはデッキ・レギュレーションがまだ統一されていないということです。
Standard Pauperは、伝統的にMagic Onlineのユーザ・コミュニティが育ててきたフォーマットでして、デッキ・レギュレーションは、イベント主催団体毎に微妙に差異があります。現在最も歴史の古いStandard PauperのPREであるSPDC(*11)の場合は、次の通りです。
・Standardでリーガルなカード・セットにコモン・レアリティで収録されているカード(およびそれと同名のカード)と基本土地だけでデッキを作る。
・それ以外はスタンダードのデッキ構築ルールに従う。
単純に「スタンダードでリーガルなコモン・カード(およびそれと同名のカード)」ではないです。例えばULGの《怨恨/Rancor》は「スタンダードでリーガルなコモン・カード」ですが、SPDCでは使えません。スタンダードでリーガルなカード・セットには《怨恨》のコモンのプリントがないからです。現在Standard Pauperの最大のPREであるMPDC(*11)も、SPDCと同じレギュレーションです。
このスタイルは、次の2つのメリットがあると思います。
・《怨恨》のような「比較的高額な」カードが環境に存在せず、お財布に優しいということ。
・比較的バランスが取れていること。何故なら、各ブロックと基本セットのコモン・カードは、リミテッド環境のバランスを考慮してディヴェロップされているからです。
やっぱり《怨恨》にしろ《火の玉》にしろ《囁き絹の外套》にしろ、昔はコモンだったのにわざわざアンコモンで再録されるカードというのは、アンコモンにすべき理由があるわけです。すなわち、多くの場合は、その時点のスタンダードのデザイン・ポリシーではコモンに存在してはならない種類のカード機能を持っていることが多いのです。それをStandard Pauperに持ち込むと、専用の対策が必要な強力なカードになっちゃうんですね。(まあ、そうじゃないのもいますけど…。)そういうわけで、上記は「いい」レギュレーションだと思うんですが、反面、「ちょっとメンドクサイ」というデメリットもあります。
一方、クランPauper Krew(*12)のStandard PauperレギュレーションであるPK Standardは、また別のレギュレーションです。すなわち、マジック・オンラインでスタンダードとPauperの両方でリーガルなデッキはPK Standardでもリーガルです。よって《怨恨》もリーガル。デッキのリーガリティを調べるだけならこっちの方が簡単です。このレギュレーションは、2012年7月時点では、事実上「スタンダードでリーガルなコモン・カード(およびそれと同名のカード)」と同じことです。しかし、Pauperには禁止カードがありますから、将来Pauperの禁止カードがスタンダードに再録されるようなことがあると、「スタンダードでリーガルなコモン・カード」とはちょっと違ってきます。些細なことですが。
訳者は、Standard Pauperが公式フォーマットになるのなら、SPDC/MPDCスタイルのレギュレーションを採用して欲しい側なんですけど、中にはそうは思わない人もいるでしょう。gwynedのこの記事の中ではこの問題には全く触れていません。どうなりますことやら。
一方で、公式フォーマットになることの期待もあります。それは、現在PREコミュニティに属していない非英語圏のプレイヤーへの影響です。SPDCもMPDCも、ヨーロッパやアメリカに在住のプレイヤーに優しい時間帯のイベントで、その他の地域のヒトが継続的にプレイするのはなかなか難しいと思います。英語でチャットしながらのイベントですし。公式フォーマットになることで、その辺にもいい影響があると思うんですね。つっても日付変更線のこっち側で非英語圏でマジック・オンラインの盛んな国ってほとんど日本だけかもしれないんですけども…。
========================================================
訳註
*1 Standard Pauper(またはPauper Standard)というのは、要するにスタンダードのコモン単です。
ちなみに英単語としての「Pauper」の発音は「ポーパー」で、意味は辞書を引けば載ってます。
http://eow.alc.co.jp/search?q=pauper
読めば、何故このフォーマットがPauperと呼ばれるのかが分かるでしょう。
*2 原題は「Good for Wizards, Good For You」。何故2番目の「For」が大文字で始まっているのかは良く分からず。
*3 gwynedはMPDC(*11)のホストです。
*4 キッチン・テーブル・プレイヤーというのは、競技プレイとは無縁のカジュアル・プレイヤーのことで、主にウィザーズ社のマジックのホームページに掲載されている記事の中で使われる用語です。彼らはフォーマットなんて知ったこっちゃありませんし、それどころか6版ルールを使ってるかどうかも怪しいです。カード・スリーヴなんか使いませんし、ライフは脳内に記録します。「台所のテーブルで友達と遊ぶのがマジックに関する主な活動であるような種類のプレイヤー」という意味ではありますが、本当に台所で遊んでいる必要があるわけではないです。たぶん、TimmyとかJohnnyとかと似たようなもので、マーケティング上のプロトタイプみたいなものなんでしょう。
*5 マジック・オンラインをやったことのない人のために解説すると、「チケ」とか「チケット」とか言うのは、「イベント・チケット」のことです。マジック・オンラインで開催されている公式のイベントには参加費がかかるのですが、その都度現金で支払うわけではなく、オンライン・ショップで売っている「チケット」を購入して、それを使って支払います。チケット1枚が1USD(米ドル)。イベントによって参加費は異なるわけですけど、それはチケットの枚数で示されます。このチケットが、マジック・オンラインのプレイヤーの間では通貨の役割を果たしています。誰かとトレードするとき、カードとカードで物々交換することももちろんできますが、それってけっこう面倒ですよね。それで、「このカードは3チケ」などと、チケットを単位に値段を付けるわけです。
*6 classifiedsというのは、新聞等の「売ります買います」欄のことです。マジック・オンラインにもclassifiedsがあって、トレードの希望を書いて貼っておくことができるようになっています。中には、注意を引くために、「余っているコモンは無料であげますよ」と書いてあるものもあります。
*7 マジック・オンラインで「bot」と言ったら、それは、人間ではなくコンピュータ・プログラムによってカードをトレードしてくれるアカウントのことです。botアカウントにトレードを申し込むと自動的にチャットが開いて、「欲しいカードをクリックして下さい」とかなんとか言ってくるので、指示どおりにしてればトレードができるというわけ。売り専bot、買い専bot、両刀使い、パック専門bot、いろんなbotがいますよ。
*8 1セントは0.01ドル。1ドル80円なら2セントは1.6円ってことですね。っていうことはどうでも良くて、「1枚1ドルのチケットでカードを買うってのに、コモン・カードが1枚2セントって、どうやって支払うの?」っていうことですよね。1セントは、つまり0.01チケットです。50枚まとめて買って1チケットと交換する、というわけではなく、1ドル未満の取引はbotが覚えていてくれます。0.42チケット分のコモンを買って1チケットを払うと、次にそのbotにトレードを申し込んだときに、「あなたには0.58チケットの借りがあります。」みたいに教えてくれるわけです。その範囲でのお買い物ならチケットを渡さずに済みます。
*9 PREとはPlayer Run Eventの略で、つまり「ユーザ主催イベント」のことです。
*10 いやいや、モミール・ベーシックをお忘れじゃありませんか! と思ったヒトも多かろうと思いますが、ま、ポジション・トークですので。
*11 MPDCは毎週月曜日の午後2時半(米国東部時間)からで、だいたい40人前後が参加しています。2012年7月時点ではシーズン17が進行中。1年は4シーズンですから、もう4年以上経ったんですなー。
http://forums.pdcmagic.com/viewtopic.php?t=6029
SPDCは木曜日の夜9時(米国東部時間)からで、ホストはjamuraaです。参加者は20人前後。同じくシーズン18が進行中です。こちらも以前は1年4シーズンだったのですが、最近はホストが忙し過ぎてそうじゃなくなったみたいです。そのうちシーズン数でMPDCに逆転されちまうでしょう。
いずれも参加費は無料で、1位の賞品は7ドル、2位は4ドル、4位は2ドル相当のチケットまたはクーポンです。詳しいことは、コモン単専門サイトPDCMagicをどうぞ。
http://pdcmagic.com/
それで、マジック・オンラインのイベント・スケジュールは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のある太平洋時間を使ってますけど、SPDCもMPDCも東部時間を使ってますからご注意ください。
*12 Pauper Krewはこちら。 http://pauperkrew.com/phpbb/portal.php
*13 っていうか、この記事の原文のコメント欄が既にアツいです。
*14 Standard Pauperでない公式フォーマットのPauperであることを示すために「Classic」と付けてるだけで、要するにPauperのことです。
*15 原文にはデッキリストへのリンクが載っています。
黒単:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20344
イゼット:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20343
白黒フリッカー:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20283
赤単:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20270
緑白狼:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20408
白ウィニー:http://pdcmagic.com/gatherling/deck.php?mode=view&id=20411
*16 joekewwlは、SPDC/MPDCでも活躍している強豪プレイヤーの一人です。
コメント
著者ご本人に連絡して許可を取ってしまう手もありますよ。
正直なところ、Wizardsのフォーマット認定の要件ってのが分かり難いですね。
ある程度のプレイヤー層でイベントが開催されて、全体のカード価値を上昇させる2点は必須でしょうけど、発生源不明のKaleidoscopeは後者のみの思惑で発車して終わった感もあります。
基本的に中の人の胸三寸なので、認定フォーマットになれば面白そうですね。
確かに、知らない仲じゃ無いんですからね。
問題がチョサッケンのことだけなら、喜んでそうするところですが。
>正直なところ、Wizardsのフォーマット認定の要件ってのが分かり難いですね。
EDHのときは、「ユーザ・コミュニティでうまくやっているものを横から公式がしゃしゃり出てきて取り上げるようなことはしたくない」という意識があって、公式サポート(つまり、総合ルールに記載されること)が遅くなったと聞いたことがあります。
Standard Pauperも同じようなことがあるのではないでしょうか。
特に、レギュレーション論争に決着がついてませんから。
公式サポートするとなると、いくつかあるレギュレーションのどれかに軍配を上げないといけませんよね。
統率者セットの発表が2010年12月なので、今更ながらルールの制定自体がセットを前提にしているのが分かります。
変種全部製品発売されてますし。
ただ、2008年6月にMagic Onlineでコマンダー戦が新設されています。
ここら辺、総合ルールを踏襲しているはずのMagic Onlineが勝手に作っちゃっててびっくりするんですが、少なくとも当時は紙製とオンラインでフォーマットの管轄が違ってたんでしょうね。
よく考えると、いくさんの言うカードプール制定の問題もそうですが、Standard PauperはPauperと違って設立即紙製に持っていく事ができるフォーマットですので、もうMagic Online側の都合だけでは動かせない案件でしょう。
おっと、そうだったんですか。
>ここら辺、総合ルールを踏襲しているはずのMagic Onlineが勝手に作っちゃっててびっくりするんですが、少なくとも当時は紙製とオンラインでフォーマットの管轄が違ってたんでしょうね。
なるほど。
あるいは、「オンラインだと公式サポートがないとEDHを遊べないから仕方なく」という事情もあったかもしれませんね。
Standard Pauperは、サポートがなくても遊ぶことは可能ですし、現に遊んでますから。
>Standard PauperはPauperと違って設立即紙製に持っていく事ができるフォーマットですので、もうMagic Online側の都合だけでは動かせない案件でしょう。
これはそうでもないんじゃないでしょうか。
このgwynedの記事にも書かれてますが、joekewwl達が接触している相手は、マジック・オンラインの開発担当で、コンタクトもそこにしてくれ、と言われているようです。
すなわちウィザーズは、この問題をマジック・オンラインの問題だと考えているのでしょう。
だって、例えば「Standard Pauperプレイヤーに訴求する(紙マジック世界の)商品を開発する」とか、「グランプリのフォーマットにStandard Pauperを採用する」とか、考え難いですよね。
紙の世界でビジネスにならないものは、オンラインだけで考えていいのではないかと思います。
コミュニティの要望も、Standard Pauperを「マジック・オンラインで」サポートしてくれということであって、例えば「総合ルールに載せろ」と言ってるわけではありません。
Pauperをはじめ、マジック・オンライン専用フォーマットはいくつかあるわけですが、その中のひとつに入れて欲しいのです。
基本的に、Magic OnlineコミュニティのプレイヤーがMO外のWizardsに要望を出す考えには至らないでしょうし、もし要望がそちらに行ったとしても、お茶を濁しはしても、オンライン部門に回せなんて回答はしないでしょう。
紙製コミュニティでコモン・スタンダードを遊ぼう広めようという動きは見た事がありませんが、紙製とオンラインはやはり密接な動きを見せています。
最近では、キューブが紙製発祥の自由度の高い遊び方であるにも関わらず、紙製コミュニティがわざわざMagic Onlineのカードプールを模したキューブを作って遊ぶ等。
Magic OnlineでStandard Pauperが登場すれば、紙製で模するコミュニティが間違いなく発生するでしょう。
しかしまぁ紙製云々は置いておいて、要旨であるPauoer StandardのMagic Online導入の可否、その理由については、正直なところ分かりません。
筆者の「公式サポートを得るべきでないとするあり得べき反論」って何かあるんですかね。
オンライン部門のその日の気分以外にないような。
ただ、FNMでコモン・スタンダードやったら、店は儲からないでしょうね。
確かに、そうは書いてないですね。
「マジック・オンラインは面白いゲームですが、スタンダードのセットが2年でローテーション・アウトするのは短過ぎると思います。ローテーション期間を3年に延ばして下さい。」
てな要望が、典型的な「Magic Online側の都合だけでは動かせない案件」だろうと思いますが、そういう要望を受け取ったときに
「それについてはMOのビジネス・マネージャか、またはMOのカスタマー・サービスにメールして下さい」
とはならないですよね。
MOの窓口をコンタクトに指定してくるということは、「Magic Online側の都合だけでは動かせない案件」ではないはずじゃないですか?
>Magic OnlineでStandard Pauperが登場すれば、紙製で模するコミュニティが間違いなく発生するでしょう。
そうなってくれればうれしいです。
PrismaticとかTribal Warsとか、「紙製で模するコミュティ」が全く発生していない気がするので…。
さておき、MOのキューブを紙でも遊ぶコミュニティが出る(かもしれない)ことが、MOのキューブの開発に慎重になるべきだという議論につながることは別にないんじゃないですか?
>筆者の「公式サポートを得るべきでないとするあり得べき反論」って何かあるんですかね。
記事中で指摘されているのは、「カードプールが狭いからメタゲームが単調」ですね。全くの見当違いだというgwyned意見にわたしも賛成です。
コメント欄では財政的なことが指摘されています(Standard Pauperの認定イベントが開催されたりしたら、ウィザーズの儲けが減るだろう、的な話)。
あとはしつこいけどレギュレーション問題。わたしは、デッキ・レギュレーションがSPDCスタイルにならないのなら公認されない方がマシだという立場です。
もうひとつ、R&DでStandard Pauper対応の作業が発生するのかどうかも気になってはいるのですが。
《熟考漂い/Mulldrifter》、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》、など、Standard Pauperでもフォーマットの健全性に関する議論が起きることはこれまでもしばしばありました。
公認する以上、ディヴェロップメントでのフォーマットへの影響評価とか、トーナメントの動向を見ながらのB&Rリストの改訂とかのコストはかかります。
しかし、これはウィザーズが心配すればいいことで、わたしが言うことじゃないですね。
>ただ、FNMでコモン・スタンダードやったら、店は儲からないでしょうね。
スタンダードのFNMよりもヒトが集まってくれて参加費がいっぱい入ってくるのなら、それなりなのではないかしら。
それによってスタンダードから撤退しちゃうプレイヤーがいたら、シングルの売り上げは減るかもしれませんけども。
FNMに限らず、もしも人気コンテンツになるのならば、儲ける方法はあるのじゃないでしょうか。
ともあれ、紙のマジックの世界には、第3のステークホルダー(ショップ)の存在があるので問題は少し複雑になるというご指摘は正しいと思います。
導入しない理由を考えた時に、この記事の筆者と同じかはともかく、そのデメリットが見当たりませんでした。
ブロック構築同等のカードプールかつローテーションがある環境でメタゲーム云々はナンセンスです。
Wizardsの儲けに言及するなら、まずMomir Basicを廃止するしかありません。(各フォーマットの意義はこの際置いといて)
レギュレーションについては詳しくないですが、分かりやすい方が良いですね。
R&Dと禁止制限は気にしなくて良いでしょう。なぜならMagic Onlineが勝手に作るフォーマットですから、他のオンライン・フォーマット同様にオンライン部門に決定権があります。
その他は記事が語ってますね。
メリットは青写真でしかありませんが、デメリットは不人気フォーマットが自然消滅する程度の事で、もしStandard Pauperがそうなるならすでに消滅しているでしょう。
Pauper導入時はともかく、PauperとStandard Pauperを比較対象にする意味ももうありません。全く別のフォーマットです。
となると、障壁はオンライン部門の気まぐれか、もしくはMagic Online外に要素があるのかもしれない、というのが私の想像力です。
お店なんですが、Wizardsとユーザーの中間流通の役割を主に見がちですが、ユーザー間の証券取引の仲介が大きな役割を占めているのではないかと思っています。
素晴らしい。
gwynedが聞いたら喜ぶと思います。
でも、喜ぶ前に、「じゃあIV.節の1.~3.をやってくれるんだよね?」って言われると思います。
>Wizardsの儲けに言及するなら、まずMomir Basicを廃止するしかありません。(各フォーマットの意義はこの際置いといて)
Momir Basicって、ウィザーズに損失を与えるフォーマットだったんですか?
それは存じませんでした。
>レギュレーションについては詳しくないですが、分かりやすい方が良いですね。
そうですか。
わたしは、PK Standardはどうもダメじゃないかなと思います。
しかし、すべての意見が一致することはなかなか期待できないですよね。
B&R管理が適切に行われるなら、レギュレーションに多少問題があってもフォーマットの健全性は保てるんだから細かい事をぐちぐち言うな、ってことなのかな。
>R&Dと禁止制限は気にしなくて良いでしょう。なぜならMagic Onlineが勝手に作るフォーマットですから、他のオンライン・フォーマット同様にオンライン部門に決定権があります。
arthさんのご意見は、Standard Pauperは「もうMagic Online側の都合だけでは動かせない」フォーマットなんじゃなかったんでしたっけ?
(わたしに同意してくれたのならうれしいですが。)
さておき、わたしもarthさんの予測が正しいと思います。
すなわち、このまま進めば、オンライン部門がB&Rリストを独自に管理していく方向になるんでしょう。
しかし、わたしはそれがちょっと心配です。
レギュレーションも、B&R管理も、これまで強力なユーザ・コミュニティが担ってきた作業でした。
いや、B&Rリストは実際には作ってなかったんですけど、「あいつをbanしろ!」という話は何度も出ていたにも関わらず「議論の結果banは不要」という選択をその都度してきたわけで、それで特に競技人口は減ってないんですから、つまり適切にB&R管理をしてきたということだと思います。
Pauperにはけっこう禁止カードがありますけど、それでも環境の多様性が十分保たれているとは言い難いと思います。
わたしはそれは、B&Rリストの管理が良くないからだと思います。
そうじゃないとしたら、どう管理してもフォーマットの多様性は得られないということで、だったらフォーマットとして破綻していますよね。
さて、認定後、Standard PauperのB&R管理はちゃんとやってもらえるんでしょうか。
万一いい加減な仕事が繰り返され、今プレイヤー達が大いに楽しんでいる環境の健全性が失われ、競技人口の減退を招いたら、公式認定は失敗です。
認定したが故に衰退してしまう。
…とは思うんだけど、やっぱり、わたしが心配することじゃないのかな。
ちゃんとできなければ、gwyned達が黙ってないでしょうしね。
>お店なんですが、Wizardsとユーザーの中間流通の役割を主に見がちですが、ユーザー間の証券取引の仲介が大きな役割を占めているのではないかと思っています。
なるほど。
パックを自分で剥いてまでシングルの在庫を作るんだから、やっぱり後者の方がビジネスが大きいんでしょうね。
私があっちのコミュニティに参加するには英語のハードルが高過ぎて潜れてしまいます。
Momir Basicはデイリー・イベントの出入だけを見るとWizards側の一方的な損失でしょう。(M12ブースターの価格はともかく)
最近のStandard Pauperは触れてませんが、あんまり多様ではないですか。
ぶっちゃけ、最低3つほどのアーキタイプがぐるぐる回ってれば禁止は出ないんですけどね。
現状のPauperは多様と言うしかないですよ。エターナル環境が煮詰まっていつも同じようなデッキが跋扈しているだけで、多様です。
基本的に、禁止制限リストには環境の多様性を脅かすカードが指定されますが、その実、使用頻度が高いカードが指定される訳ではありません。
もう懐かしいThe Darkトーナメントの時代にストームを殺したかったのは多様性も何もなかったからですが、《熟考漂い》については、全てのデッキに入ろうとも別個のアーキタイプが存在できるなら禁止する必要はないという結論にしました。
いくさんはオンライン部門の禁止制限指定にあんまり良い印象をお持ちでないようですね。
最近では、どれだけの人数が遊んでるかも分からず、イベント実績も不明の100枚シングルトンの禁止リストが3月に更新され、《Regrowth》が禁止解除、《石鍛冶の神秘家》が禁止されました。
トーナメントが開催されるなら実績が最大の資料になりますし、コミュニティの話題もチェックしてるでしょうから、まぁ大丈夫なんじゃないですかね。
さて、これも訳したものかどうしたものか…。
>英語のハードルが高過ぎて
またまたご冗談を(AA略)
>デイリー・イベントの出入だけを見るとWizards側の一方的な損失でしょう。
この議論がわたしには良く分かりません。
ディジタル・オブジェクトであるパックは、何個出そうがコストはかかりません(というか、コストは既に支払い済みです)。
エントリー・フィーが入ってくる分だけ丸儲けのはずじゃないんでしょうか。
機会損失を出しているという可能性は確かにあります。
例えば参加費で120Tixを回収したイベントの賞品として40パックを出したとします。
出入りだけ考えれば、これは1パック3Tixで売ったのと同じです。
1パック$4.00相当だと考えると、「Storeでパックを売るのに比較すると」1パックあたり$1.00の損だ、という計算にはなります。
でもこれは実は機会損失です。本当に額面どおりの損が出ているとは限りません。
もしもこのイベントを「やらなかった」場合に、
・参加者は全員Storeから賞品として得たのと同じ数のパックを買ったはずだ
とか、
・参加者は全員もっとリターン・レートの悪いイベントに参加したはずだ
とか、そういう前提があって初めて損失になるんじゃないでしょうか。
実際は、「Momirのイベントだから参加した」というプレイヤーもいるだろうし、そもそもMomir Vigアヴァターを持ってるようなヒトで、パックをStoreで買うヒトなんてホントにいるんですかっていうハナシです。
>最近のStandard Pauperは触れてませんが、あんまり多様ではないですか。
少なくともスタンダードやPauperよりは多様だと思います。
>現状のPauperは多様と言うしかないですよ。エターナル環境が煮詰まっていつも同じようなデッキが跋扈しているだけで、多様です。
なるほど。確かに、「煮詰まっている」と「多様」は両立しますね。エターナル環境では特に。
PauperはStandard Pauperほど多様ではないとは思うものの、更に禁止カードを出さなくてはならないほど多様でないかというと、そうではないですね。
「煮詰まっている」のはエターナル環境ではしばしば起きることであって、B&R管理が悪いせいだけに帰するのはフェアじゃないのか。
>いくさんはオンライン部門の禁止制限指定にあんまり良い印象をお持ちでないようですね。
そうですなー。
データベースの更新の関係でフラストレーションが溜まっていることもあって。
>トーナメントが開催されるなら実績が最大の資料になりますし、コミュニティの話題もチェックしてるでしょうから、まぁ大丈夫なんじゃないですかね。
でしょうかね。
危惧はあるものの、それが不審感に端を発する感覚的な拒絶である自覚はあるのです。
だからgwynedがこういう記事を書けば訳して紹介しようとも思いますし。
言われて初めて気付きましたが、そうですね。
Storeで定価販売している物を胴元自ら割引販売している、という構造に気付けない自分にびっくりしました。
実際は、賞品配布しているブースターを元値にして、Storeは割高販売していると考えるべきでした。
これなら、二次流通での価格が適正かどうかも判断しやすくなります。
基本的に、煮詰まらないフォーマットはないですね。
通常は期間制限で回避しますが、エターナル・フォーマットはいずれ行き着く場所に到達します。
ただ、マンネリの似たようなデッキでありつつ、Pauperのデッキなんかは常に新セットのカードを散見できます。
確かミラディン期だったかのMark Rosewaterの記事に、スタンダード等で適正でありつつヴィンテージに影響を与えるカード・デザインの話がありましたが、その理念は今も生きていると信じたいですね。
Standard Pauperからかなり脱線してますね。
私個人は、Standard Pauper公認の話は「マジック全体ではなくオンライン部門に回せ」とは逆な考えですが、ここ数年間のオンライン部門の発言力の強化具合は傍から見ても凄まじいので、オンライン部門に勝手にやっちまわせて、その流れでも進むかもしれません。
お忙しい中でしょうけど、続編の翻訳も楽しみにしています。
「マジック全体ではなくオンライン部門に回せ」以下のくだりは取り下げます。
プレイヤーの立場では取り得る手段がない非現実な話でしたので、オンライン部門に要求していく事が唯一の道筋でしょうね。
紙の世界での常識を引きずっちゃうところはありますよね。
紙とは違うのだよ紙とは。
更に言うと、エントリー・フィーであるトークン自体も、その収入は既に発生しています。
イベントの開催そのものでウィザーズに直接お金が入るわけじゃないことにもまた注意です。
ここのところ忙し過ぎて続篇はまだ全く手を着けられる気がしないんですが、To Doリストの上から10番目くらいには入れておきます。