このブログにはあんまり翻訳記事は書きたくないのは何故かというと、

・図とか表とか、原著に存在する様々な表現をほとんど再現できない。
・1回の記事に書ける量があまりに短い。
・訳註を付け難い(っていうか、訳註へのリンクを貼ったりできず、単に文章として書くしかない)。
・翻訳記事だけまとめてダウンロードとかできない。
・それにも関わらずここは重要なチャンネルなので、(たとえばチョサッケンがらみで)何か問題が生じても、閉鎖できない。

と、いろんな事情があるからなんですけど、まあいいか。 < いいんだ

というわけで、たまたま乗りかかったので、ちょっと訳してみました。

原文はこちらです。 http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/214b&page=3

それで、以下は著者の了解を得ずに訳していてチョサッケン的には問題があるので禁転載でおながいします。
========================================================

総合ルールの更新

■205.2a
このルールはカード・タイプを列挙しているんですが、「現象」を追加するのを忘れてました。

■205.3j
プレインズウォーカー・タイプのリストに「Vraska」を追加しました。もうこのルールは見ない方がいいんじゃないですかねぇ。うっかり石にされちまわないように(*1)。

■207.2c
もともとこのルールには、「能力語は、カードの能力の最初にイタリック体で書かれている」って書いてあったんですが。能力語は何もカードに限らないので、「カードの」を削りました。

■207.3
このルールはギルド・アイコン、陣営アイコン、およびその他の透かし(*2)がゲームには何ら影響しないことを定めていますが、「ラヴニカへの回帰」ブロックへの言及も追加しました。

■401.5
このルールは、他の呪文が唱えられている間に引いたカードは、その呪文が唱えられるまでの間、裏向けにしておくべきことを定めています。これは滅多に起きない状況でして、《彩色の宝球/Chromatic Sphere》みたいなカードを使うときだけ生じます。どういうことかというと、呪文を唱え始めて、その途中で《彩色の宝球/Chromatic Sphere》からマナを出せるわけですが、「むしろ」唱えたい呪文を引いちゃって、元の呪文を唱えるのを止めちゃうとかどうなのよ。マジック・オンラインやその他のさまざまな理由で、そんな呪文の唱え方はして欲しくないのです。

いいですよね。じゃあ、このルールのどこが間違ってるんでしょう? それは、手札にある裏向きのカードのことが抜けてたんです。形式上、それらのカードも依然としてその特性を持っています。問題はどこにあるんでしょう? 例えば、ライブラリー・トップが《Elvish Spirit Guide》だったとします。呪文を唱えている間にそれがあなたの手札に裏向きに加えられました。それを追放してマナを出していいんでしょうか? 意図するところではダメです。そりゃそうでしょ、そのカードが何であるかは分からないことになってるわけですから。というわけで、手札にある裏向きのカードは、呪文を唱え終わるまでは特性を持たないものと見なすことにします。それらは単なるカードです。《熱心すぎる弟子/Overeager Apprentice》が大好きなみなさんには大事なことかもですね。(*3)

■603.2d
このルールはつまりこいうことです。…じゃなくて、こういうことでした。

603.2d 「になる/becomes」という語を用いている誘発イベント(たとえば「タップ状態になる/becomes tapped」「ブロックされた状態になる/becomes blocked」など)が存在する。これらはその示されたイベントが発生したときにのみ誘発する。すなわち、元々その状態であった場合に誘発することはないし、その状態であり続ける間は再び誘発することはない。同様に、オブジェクトがその状態でその領域に入った場合にも誘発しない。


パーマネントが戦場に出たときに誘発しないということには意味があります。《棘茨の精霊/Bramble Elemental》のオラクル変更の説明で書いたことですけど、《水流を読む者/Judge of Currents》はタップ状態のマーフォークが戦場に出たときに誘発すべきではありません。オーラとオーラ・カードとは違うということは良く分かってますが、でも、オーラが何かについた状態で戦場に出たときに、それがついた状態になったわけではないっていうのは些かおかしいんじゃないですかね。というわけで、「becomes」で検索して、ここで問題になっている種類のフレーズにどんなものがあるのか調べてみました。以下がそれです:

・becomes tapped/タップ状態になる
・becomes untapped/アンタップ状態になる
・becomes attached/つけられる
・becomes unattached/はずれる
・becomes blocked/ブロックされた状態になる
・becomes the target/対象になる

「becomes red/赤になる」とか「becomes a 1/1 blue Frog/1/1の青のカエルになる」とかは含めてません。この中で、戦場に出るパーマネントについて考えなくてはならないのはタップとアンタップだけです。よって、ルールもそのように変更されています。

■608.2b
このルールは、対象を取る呪文や能力がその解決時にも対象の適正性をチェックされることについて述べています。その中で、解決中の呪文や能力は、不適正な対象に何かをさせたり、それがその対象に対して何かをしたりはできないことが明記されています。しかし、例えば《魂の火/Soul’s Fire》のように、他のオブジェクトが不適正な対象に何かをするケースについてはカバーできていませんでした。新しいルールでは、解決中の呪文や能力は他のオブジェクトがその対象に何かすることもできないと明記することで、この件を明確にします。

■614.12
このルールは、置換効果が戦場に出るパーマネントに影響を及ぼすことについて述べています。ルール616.1(複数の置換効果の相互作用について述べています)への参照を追加しました。あると便利ですよね。

■701.15c
この新しいルールは、ある領域で、ある未定義の性質に適合するカードを探すように指示された場合、その領域を探すけれども何も見つけられないことを定めます。空の手札に《ロボトミー/Lobotomy》したときにそういうことが起きます。以降のルールの項番を繰り下げました。

■701.25d
わたしが変身についてのルールを書いたとき、《吠え群れの頭目/Howlpack Alpha》などのカードに出てくる(*4)「transforms into」なるものが実際は何を意味するのか、規定しませんでした。具体的には、単面のカードがこの能力を持って(たぶんそいつは両面カードの片面のコピーです)変身したら何が起きるんでしょうか? 答は、「何も起きない」です(*5)。ある名前のオブジェクトに「transform into」するには、変身が実行される直前には別の名前を持っていなくてはなりません。

■701.26
留置に関する新しいルール群です。こちらでしばしそのことについて考えてみましょう。



よろしい。では次へ。(*6)

■701.27
居住に関する新しいルール群です。ここで本能がわたしに「江南スタイル」(*7)のジョークを飛ばせと命じるのですが、近頃わたしはカーリー・レイ・ジェプセン(*8)にハマってるので、やめときます。

■702.32a
フラッシュバックのルールに、些細な編集上の手直しを加えました。(*9)

■702.94
超過に関する新しいルール群です。

■702.95
活用に関する新しいルール群です。

■702.96
解鎖に関する新しいルール群です。

ところで、「ギルド門侵犯」か「Sinker」(*10)で、おそらく702.100項が登場するであろうことにお気づきですか? キーワード処理の方もいっぱい作らないと、セクション数で追いつけません。

■708.6a
従来708.6c項に属していた分割カードの例をこのルールに移しました。こっちの方がはるかによく合ってます。

■800.4a
多人数戦におけるプレイヤーのゲームからの除外を扱うルールを変更しました。これまで、プレイヤーのカードおよびその他のオブジェクトを「お掃除」するには、次の手順に従っていました。

・そのプレイヤーがオーナーであるオブジェクトをゲームから除外する
・そのプレイヤーにオブジェクトやプレイヤーのコントロールを与えている効果が終了する。
・そのプレイヤーがコントロールしている呪文と能力が消滅する。
・そのプレイヤーがコントロールしているオブジェクトがまだあるなら、それらを追放する。

ここでの欠陥は第3段階です。プレイヤーが、自分がオーナーでないカードを(《センの三つ子/Sen Triplets》とかを使って)唱える場合を考えてみましょう。対応してそのプレイヤーがゲームから除外されます。じゃあ、手順を追い掛けてみますか:

・そいつはそのプレイヤーがオーナーではないオブジェクトなので、スタック上に留まります。ここまではいいですね。
・そのプレイヤーにそのオブジェクトのコントロールを与えているような効果はありません。よってスタックに留まり続けます。OK。
・そいつはそのプレイヤーがコントロールしている呪文ですから、消滅します。

対戦相手のカードを消滅させちゃうってのはよろしくありません。というわけで、こちらが新たな改善された手順です:

・そのプレイヤーがオーナーであるオブジェクトをゲームから除外する。
・そのプレイヤーにオブジェクトやプレイヤーのコントロールを与えている効果が終了する。
・そのプレイヤーにコントロールされている能力または呪文のコピーが消滅する。
・そのプレイヤーがコントロールしているオブジェクトがまだあるなら、それらを追放する。

■用語集
新たな用語集項目:留置、超過、居住、活用、解鎖


(*1) 原文は「Better safe than stony.」
「Better safe than sorry.」っていう慣用句があって、「念には念を入れ」とか「石橋を叩いて渡る」みたいな意味なんですね。
それをモジってるわけです。

(*2) このルールには今のところギルド・アイコンと陣営アイコンのことだけで、「その他の透かし」についてはなんにも書いてませんなー。

(*3) カードではあるので、その呪文を唱えるためのマナを得るために、そのカードを捨てて《熱心すぎる弟子/Overeager Apprentice》の能力を起動してもいいということです。

(*4) 実は《吠え群れの頭目/Howlpack Alpha》には出てこないんですが、《狼男の荒らし屋/Werewolf Ransacker》や《高原の荒廃者/Ravager of the Fells》に出てきます。

(*5) 総合ルール701.25a項。

(*6) つまり読者はここで留置されたわけです。

これって面白いの?

(*7) 「Gangnam Style」は、PSYという韓国人の曲です。小太りの男がみっともない踊りを踊るのがウケているのだそうですが、見たことないのでにんともかんとも。

(*8) Carly Rae Jepsenはカナダ人のアーティストですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%97%E3%82%BB%E3%83%B3
なんのことやら分からない人もいるかもしれませんが、要するに、アメリカは移民の国だってことです。
だから解説の必要なジョークを書くなと。

(*9) どのくらい些細かっていうと、「the other」を「another」に直しただけです。

(*10) 「Sinker」は「ラヴニカへの回帰」ブロックの第3弾の拡張セットの開発コードです。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索