■「マジック・ザ・ギャザリング カード検索データベース」:カード・データの更新

2013年1月28日発表のオラクル更新を反映しました。

http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/231d&page=2

前回訳したのがあんまり好評じゃ無かったので再挑戦。
ただし、チョサッケン的には問題があるので、ナイショにしといて欲しいんですなー。

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オラクル更新

■新しいテンプレート:特定の性質を持つ複数のカードの検索(機能変更なし)
ルールには、特定の性質を持つカードを探す場合、もしそれがライブラリーの中にあっても必ずしも見つける必要はないと書かれています。多くのプレイヤーとジャッジがこのルールを「fail to find rule」(「見つかりませんでしたルール」)と呼んでいます。例えば、あなたがライブラリーからクリーチャー・カードを探しているのだけれど、1枚も無かったとしましょう。このルールが無かったら、あなたの探していたものは見つけられないことをジャッジが確かめなけりゃなりません。

問題は、いくつかのカードについては、見つけないことが実際にアドバンテージになるということです。《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を見て下さいな。このカードには、4枚じゃなくて2枚だけ見つけるという使い方があります。探しているのは、「互いに名前の異なる」カードであって、上で言うところの「特定の性質」に当たりますから、完全に合法です。2枚とも墓地に行くことになるわけですが、リアニメーターとかその手のデッキにとっては大きな欠点とは言えません。とはいえ、そのルールを知らないプレイヤーがそれを見てどう思うかは明らかです。そこで我々は、この手のカードに、機能には影響しないけれども読みやすくなる「~まで/up to」を補うことにしました。これでこのルールを知らない人でも、カードのテキストを見れば正しい結論に到達できます。

ところで、「特定の性質」にこだわらずに、ある枚数のカードを探す場合には、可能ならその枚数のカードを見つけなくてはならないことには気をつけましょう。このため、《直観/Intuition》のようなカードにはこの更新は影響しません。

該当するカード:

《永遠樹のシャーマン/Everbark Shaman》
《はるかなる放浪/Far Wanderings》
《けちな贈り物/Gifts Ungiven》
《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
《自然の均衡/Natural Balance》
《原初の成長/Primal Growth》
《春の儀式/Rites of Spring》

古い表現:
新しい表現と同じだけど「まで」がない

新しい表現:
古い表現と同じだけど「まで」が加えられている

個別にはGathererをご覧ください。発効後にUpdate Bulletin出すと楽でいいね!

■新しいテンプレート:複数のクリーチャー・タイプのうちの少なくとも一つに該当するクリーチャーに何かをする能力(機能変更なし)
列挙された複数のクリーチャー・タイプのうち少なくとも1つに該当するクリーチャーにボーナスを与える能力を持っているカードがあります。《オーリオックの鋼打ち/Auriok Steelshaper》を見てくださいな。「and/or」とか書いてますが、兵士であり騎士でもあるクリーチャーはどうなるんでしょうか? ボーナス2倍? 良く分かりません。我々は新しいテンプレートを思いつきました。良く分かるようになるといいんですが。

該当するカード:

《オーリオックの鋼打ち/Auriok Steelshaper》
以前のテキスト:
Equip costs you pay cost {o1} less.
As long as Auriok Steelshaper is equipped, Soldier and/or Knight creatures you control get +1/+1.
あなたが支払う装備コストは{o1}少なくなる。
オーリオックの鋼打ちが装備している限り、あなたがコントロールする兵士と騎士は+1/+1の修正を受ける。

新しいテキスト:
Equip costs you pay cost {o1} less.
As long as Auriok Steelshaper is equipped, each creature you control that’s a Soldier or a Knight gets +1/+1.
あなたが支払う装備コストは{o1}少なくなる。
オーリオックの鋼打ちが装備している限り、あなたがコントロールする兵士かまたは騎士である各クリーチャーは+1/+1の修正を受ける。

《吠え群れの頭目/Howlpack Alpha》
以前のテキスト:
Other Werewolf and Wolf creatures you control get +1/+1.
At the beginning of your end step, put a 2/2 green Wolf creature token onto the battlefield.
At the beginning of each upkeep, if a player cast two or more spells last turn, transform Howlpack Alpha.
あなたがコントロールする他の狼男・クリーチャーと狼・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたの終了ステップの開始時に、緑の2/2の狼・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
各アップキープの開始時に、直前のターンにいずれかのプレイヤーが2つ以上の呪文を唱えていた場合、吠え群れの頭目を変身させる。

新しいテキスト:
Each other creature you control that’s a Werewolf or a Wolf gets +1/+1.
At the beginning of your end step, put a 2/2 green Wolf creature token onto the battlefield.
At the beginning of each upkeep, if a player cast two or more spells last turn, transform Howlpack Alpha
あなたがコントロールする他の狼男かまたは狼である各クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたの終了ステップの開始時に、緑の2/2の狼・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
各アップキープの開始時に、直前のターンにいずれかのプレイヤーが2つ以上の呪文を唱えていた場合、吠え群れの頭目を変身させる。

《常なる狼/Immerwolf》
以前のテキスト:
Intimidate (This creature can’t be blocked except by artifact creatures and/or creatures that share a color with it.)
Other Wolf and Werewolf creatures you control get +1/+1. Non-Human Werewolves you control can’t transform.
威嚇(このクリーチャーはアーティファクト・クリーチャーかこれと共通の色を持つクリーチャー以外にはブロックされない。)
あなたがコントロールする他の狼・クリーチャーと狼男・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたがコントロールする人間でない狼男は変身できない。

新しいテキスト:
Intimidate (This creature can’t be blocked except by artifact creatures and/or creatures that share a color with it.)
Each other creature you control that’s a Wolf or a Werewolf gets +1/+1.
Non-Human Werewolves you control can’t transform.
威嚇(このクリーチャーはアーティファクト・クリーチャーかこれと共通の色を持つクリーチャー以外にはブロックされない。)
あなたがコントロールする他の狼か狼男である各クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたがコントロールする人間でない狼男は変身できない。

《冷眼のロヴィサ/Lovisa Coldeyes》
ロヴィサは若干事情が異なります。この女には専用の節を立てる方がいいでしょう。下も見てね。

《淡色のマイコダーム/Pallid Mycoderm》
以前のテキスト:
At the beginning of your upkeep, put a spore counter on Pallid Mycoderm.
Remove three spore counters from Pallid Mycoderm: Put a 1/1 green Saproling creature token onto the battlefield. Sacrifice a Saproling: Fungus and/or Saproling creatures you control get +1/+1 until end of turn.
あなたのアップキープの開始時に、淡色のマイコダームの上に胞子カウンターを1個置く。
淡色のマイコダームから胞子カウンターを3個取り除く:緑の1/1の苗木クリーチャー・トークンを1体場に出す。
苗木を1体生け贄に捧げる:あなたがコントロールする各ファンガスと各苗木はターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。

新しいテキスト:
At the beginning of your upkeep, put a spore counter on Pallid Mycoderm.
Remove three spore counters from Pallid Mycoderm: Put a 1/1 green Saproling creature token onto the battlefield.
Sacrifice a Saproling: Each creature you control that’s a Fungus or a Saproling gets +1/+1 until end of turn.
あなたのアップキープの開始時に、淡色のマイコダームの上に胞子カウンターを1個置く。
淡色のマイコダームから胞子カウンターを3個取り除く:緑の1/1の苗木クリーチャー・トークンを1体場に出す。
苗木を1体生け贄に捧げる:あなたがコントロールするファンガスかまたは苗木である各クリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。

■《冷眼のロヴィサ/Lovisa Coldeyes》(機能変更あり)
「コールドスナップ」で印刷された当初、ロヴィサはバーバリアン、戦士、それに狂戦士をまとめてビートダウンの圧倒的な狂乱に叩き込んでいました。彼女は人間・ロードでしたが、その後我々はロードを根絶してしまいました。その時点では、彼女が職業を持たないただの人間であるのが微妙な感じだったので(お察しください)、彼女にはふさわしい職業が与えられました。バーバリアンです。あれ? でもちょっと待てよ。こいつバーバリアンにボーナス与えるんじゃなかったっけ? 何の助けもなしに自分自身にボーナスを与えるようには作られてなかったはずですよね。というわけで、ルール・テキストが変更されました。他のバーバリアンと戦士と狂戦士に効果を発揮するようにしたのですが。で、複数のクリーチャー・タイプに関する新しいテンプレートに従うとなると、えーと、どうにもややこしい。

いくつかの選択肢を検討しましたが、結局われわれは、彼女を印刷された当初の状態に可能な限り近づけることにしました。ロードは勘弁してもらわなくちゃなりませんが、近頃では「クリーチャー ― 人間」もそこまで悪くないですし、それがいちばんいいような気がしました。ところで、彼女のフレイバー・テキスト、読みましたか? からくりをぶっ壊すんですぜ! 惚れるんですけど。

以前のタイプ行:
クリーチャー ― 人間・狂戦士

以前のテキスト:
Wariior, Berserker, and/or other Barbarian creatures get +2/+2 and have haste.
戦士、狂戦士、および/または他のバーバリアン・クリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに速攻を持つ。

新しいタイプ行:
クリーチャー ― 人間

新しいテキスト:
Each creature that’s Barbarian, a Warrior, or a Berserker gets +2/+2 has haste.
戦士か狂戦士かまたはバーバリアンである各クリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに速攻を持つ。

■《残酷な運命/Cruel Fate》(機能変更なし)
あるべきでないコンマを取り除きました。(*1)

以前のテキスト:
Look at the top five cards of target opponent’s library. Put one of those cards into that player’s graveyard, and the rest on top of his or her library in any order.

新しいテキスト:
Look at the top five cards of target opponent’s library. Put one of those cards into that player’s graveyard and the rest on top of his or her library in any order.

(*1) そう言われても。訳文は省略でいいよね。

■《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》(機能変更なし)
「破壊されない」の注釈文にはいくつかのバージョンがありますが、何故か《ダークスティールの鋳塊》には間違ったバージョンが使われてました。現在のポリシーでは、クリーチャーでない破壊されないパーマネントに対してダメージが何をしたりしなかったりするかは言及しないこととされています。「破壊されない」の注釈文は長年にわたって改訂されてきましたので、たぶんこれが更新の必要な唯一のカードってわけではないでしょう。とはいえ一番目立ってますんで、今回直すことにしました。

以前のテキスト:
Darksteel Ingot is indestructible. ("Destroy" effects and lethal damage don’t destroy it.)
{oT}: Add one mana of any color to your mana pool.
ダークスティールの鋳塊は破壊されない。 (「破壊する」効果や致死ダメージではそれは破壊されない。)
{oT}:あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ1点を加える。

新しいテキスト:
Darksteel Ingot is indestructible. (Effects that say "destroy" don’t destroy it.)
{oT}: Add one mana of any color to your mana pool.
ダークスティールの鋳塊は破壊されない。 (「破壊する」効果ではそれは破壊されない。)
{oT}:あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ1点を加える。

■《超音速のドラゴン/Hypersonic Dragon》(機能変更なし)
呪文を唱えるときか、またはそれをそこから唱えられる領域で能力が効果を発揮する場合、そこには「カード」と書いてなくてはなりません。まだ唱える手順を始める前ですからね。呪文を唱えるコストに能力が影響する場合は「呪文」と書きます。それは既にスタックに置かれているカード(つまり、呪文)に適用されるからです。《超音速のドラゴン》は不注意にもこの線の間違った側に着地してしまいました。

以前のテキスト:
Flying, haste
You may cast sorcery spells as though they had flash. (You may cast them any time you could cast an instant.)
飛行、速攻
あなたはソーサリー呪文を、それが瞬速を持っているかのように唱えてもよい。(あなたはそれらを、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも唱えてよい。)

新しいテキスト:
Flying, haste
You may cast sorcery cards as though they had flash. (You may cast them any time you could cast an instant.)
あなたはソーサリー・カードを、それが瞬速を持っているかのように唱えてもよい。(あなたはそれらを、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも唱えてよい。)

■《墨流しのネフィリム/Ink-Treader Nephilim》(機能変更あり・・・だと思うんだけど。つか誰も知らないし)
ルール114.8は、呪文や能力が何を対象に取っているかをチェックする場合に使う、3つの具体的なテンプレートについて述べています。具体的ってのはつまり、引用を含めたすべてについてです。《墨流しのネフィリム》は固有のテンプレートで書かれていて、3つのどれにも当てはまりません。なので、誘発型能力が解決する時点で戦場にいなかったらどうなるのかは明々白日とは言い難かったのです。新しいテンプレートでなら、答は明白です。《墨流しのネフィリム》がその誘発型能力が解決しようとする時点で戦場にいないのなら、その呪文のコピーは作られません。

それとはあんまり関係ないんですが、《墨流しのネフィリム》について面白いハナシがあります。《墨流しのネフィリム》も単一のインスタントやソーサリー呪文に複数回対象に取られることがありますが、それが唯一の対象である限り、その呪文はコピーされます。《共有の絆/Common Bond》はお勧めです。このネフィリムの色ですしね!

以前のテキスト:
Whenever a player casts an instant or sorcery spell, if Ink-Treader Nephilim is the only target of that spell, copy the spell for each other creature that spell could target. Each copy targets a different one of those creatures.
いずれかのプレイヤーがインスタント呪文かソーサリー呪文をプレイするたび、その呪文の対象が墨流しのネフィリムのみである場合、その呪文が対象とすることのできる他の各クリーチャーに対し、その呪文をコピーする。 それぞれのコピーは、それらのクリーチャーのうち別々のものを対象とする。

新しいテキスト:
Whenever a player casts an instant or sorcery spell, if that spell targets only Ink-Treader Nephilim, copy the spell for each other creature that spell could target. Each copy targets a different one of those creatures.
いずれかのプレイヤーがインスタント呪文かソーサリー呪文をプレイするたび、その呪文が墨流しのネフィリムだけを対象とする場合、その呪文が対象とすることのできる他の各クリーチャーに対し、その呪文をコピーする。 それぞれのコピーは、それらのクリーチャーのうち別々のものを対象とする。

■《記憶への消失/Vanish into Memory》(機能変更なし)
最後のセンテンスの「それの/its」は曖昧に過ぎます。最も近い先行詞は「カード/card」なので、追放領域のカードを指していると誤解されそうです。遅延誘発型能力の解決時には新しいクリーチャーのタフネスに等しい枚数のカードを捨てることが想定されています。この新しいテンプレートがちょっとは分かりやすくなってればいいんですが。

以前のテキスト:
Exile target creature. You draw cards equal to that creature’s power. At the beginning of your next upkeep, return that card to the battlefield under its owner’s control. If you do, discard cards equal to its toughness.
クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。 あなたはそれのパワーに等しい枚数のカードを引く。 あなたの次のアップキープの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。 そうした場合、それのタフネスに等しい枚数のカードを捨てる。

新しいテキスト:
Exile target creature. You draw cards equal to that creature’s power. At the beginning of your next upkeep, return that card to the battlefield under its owner’s control. If you do, discard cards equal to that creature’s toughness.
クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。 あなたはそれのパワーに等しい枚数のカードを引く。 あなたの次のアップキープの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。 そうした場合、そのクリーチャーのタフネスに等しい枚数のカードを捨てる。

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こんなところで。

あ、そうだ。
「ギルド門侵犯」の日本語版カード・データも入りました。
どうもあの後数日でGathererに掲載された模様。
もう少し待ってれば楽できたのに・・・。

マジック・サポート http://www4.atpages.jp/kakoiku/index.php?lang=Japanese

コメント

いく
2013年2月10日17:03

>「ギルド門侵犯」の日本語版カード・データも入りました。

と思ったら、《殺意の凝視/Killing Gaze》だけないんですなー。
でも日本語版だけじゃなくて他の言語版も入ってないから、なんかミスってるんでしょう。
カード・データベースは、まあ、そういうことでもいいけど、MWS日本語画像はどうしたもんかねぇ。
とりあえず、もうちょっと待ってみるか。

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