【つづき】

2013年8月19日 ゲーム
2013年7月12日発表のオラクル更新の解説記事を訳してたんでした。
原文はこちらです。

http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/255c&page=2

ちょっと長かったので2部に分けましたが、この記事がその第2部です。
まだの方は先に第1部をどうぞ。
http://81908.diarynote.jp/201308191904085930/

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(承前)

■《Gaea’s Touch》(機能変更あり)
追加の土地のプレイを管轄するルールの変更について考えていたとき、《Gaea’s Touch》が常に問題児であることに気付きました。追加の土地に条件がついているのです:それは基本の森でなくてはなりません。間に合わせの方法では全くうまくいきませんでした。しかし、1枚の異端カードのために筋の良いルールの見直しを止めたくはありません。わたしはそのオラクルのテキストをしばし検討しましたが、真実の鍵はその印刷されたテキスト(*8)にあったのです。まったくもって、土地のプレイであるようには見えません。わたしは答を見つけ、R&Dの他のメンバーもそれに同意しました。やや根拠に乏しい変更です。ルール変更のためでない場合にやる変更に較べれば大きい変更でもあるでしょう。しかし、このカードの精神に対して正直ではあります。

以前のテキスト:
You may play an additional land during your turn if that land is a basic Forest.
Sacrifice Gaea’s Touch: Add {oGoG} to your mana pool.
あなたは、それが基本森である場合、あなたのターンに追加の土地を1枚プレイしてもよい。
Gaea’s Touch を生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに{oGoG}を加える。

新しいテキスト:
{o0}: You may put a basic Forest card from your hand onto the battlefield. Activate this ability only any time you could cast a sorcery and only once each turn.
Sacrifice Gaea’s Touch: Add {oGoG} to your mana pool.
{o0}:あなたは、あなたの手札にある基本森カードを戦場に出してもよい。この能力はあなたがソーサリーを唱えられるときに、1ターンに1回のみ起動できる。
Gaea’s Touch を生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに{oGoG}を加える。

■《節骨の魔女/Knucklebone Witch》(機能変更なし)
前回の更新(*9)では、《ボガートの悪ふざけ/Boggart Shenanigans》から「dies/死亡」のテンプレートを取り除きました。部族のゴブリンと相互作用すべく意図しているのが明らかだったからです。で、このボガートは悪ふざけしてたので(*10)、同じ扱いにしました。

以前のテキスト:
Whenever a Goblin you control dies, you may put a +1/+1 counter on Knucklebone Witch.
あなたのコントロールするゴブリンが死亡するたび、あなたは節骨の魔女の上に+1/+1カウンターを1個置いてもよい。

新しいテキスト:
Whenever a Goblin you control is put into a graveyard from the battlefield, you may put a +1/+1 counter on Knucklebone Witch.
あなたがコントロールするゴブリンが戦場からいずれかの墓地に置かれるたび、あなたは節骨の魔女の上に+1/+1カウンターを1個置いてもよい。

■《大薙刀/O-Naginata》(機能変更なし)
おー、おおなぎなた・・・(*11)。この剣はパワー3以上のクリーチャーをおかしな方法で参照していました(*12)。

以前のテキスト:
O-Naginata can be attached only to a creature with 3 or more power.
Equipped creature gets +3/+0 and has trample.
Equip {o2} ({o2}: Attach to target creature you control. Equip only as a sorcery.)
大薙刀はパワーが3以上のクリーチャーにのみつけることができる。
装備しているクリーチャーは+3/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
装備 {o2} ({o2}:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、これをつける。 装備はソーサリーとしてのみ行う。)

新しいテキスト:
O-Naginata can be attached only to a creature with power 3 or greater.
Equipped creature gets +3/+0 and has trample.
Equip {o2} ({o2}: Attach to target creature you control. Equip only as a sorcery.)
大薙刀はパワーが3以上のクリーチャーにのみつけることができる。
装備しているクリーチャーは+3/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
装備 {o2} ({o2}:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、これをつける。 装備はソーサリーとしてのみ行う。)

■《Preacher》(機能変更なし)
そもそもこのカードに注目したのは、「that」が標準から外れていたからです(*13)。ちょっと調べて、《巨大カキ/Giant Oyster》に基づいた、多少なりとも明瞭になるテンプレートを与えました。《福音/Evangelize》も、余分な「that」を取り除く小さな変更を受けました。

以前のテキスト:
You may choose not to untap Preacher during your untap step.
{oT}: Gain control of target creature of an opponent’s choice that he or she controls for as long as Preacher remains tapped.
あなたは、あなたのアンタップ・ステップにPreacherをアンタップしないことを選んでもよい。
{oT}: いずれかの対戦相手が選んだ、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。Preacherがタップ状態であるかぎり、そのクリーチャーのコントロールを得る。

新しいテキスト:
You may choose not to untap Preacher during your untap step.
{oT}: For as long as Preacher remains tapped, gain control of target creature of an opponent’s choice he or she controls.
あなたは、あなたのアンタップ・ステップにPreacherをアンタップしないことを選んでもよい。
{oT}: いずれかの対戦相手が選んだ、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。Preacherがタップ状態であるかぎり、そのクリーチャーのコントロールを得る。

■《剣歯コブラ/Sabertooth Cobra》(機能変更なし)
コブラがあなたを噛んだ後、あなたの次のアップキープまでにあなたは解毒剤のためにマナを支払わなくてはなりません。この特別な行動を伴う他の3枚のカードでは「そのステップ」が使われています。何故か《剣歯コブラ》は「そのターン」になっていたので、統一することにしました。

以前のテキスト:
Whenever Sabertooth Cobra deals damage to a player, he or she gets a poison counter. That player gets another poison counter at the beginning of his or her next upkeep unless he or she pays {o2} before that turn. (A player with ten or more poison counters loses the game.)
剣歯コブラがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは毒カウンターを1個得る。そのプレイヤーは自分の次のアップキープ・ステップの開始時に、そのターンに入る前に{o2}を支払わないかぎり、追加の毒カウンターを1個得る。(10個以上の毒カウンターを持っているプレイヤーはこのゲームに敗北する。)

新しいテキスト:
Whenever Sabertooth Cobra deals damage to a player, he or she gets a poison counter. That player gets another poison counter at the beginning of his or her next upkeep unless he or she pays {o2} before that step. (A player with ten or more poison counters loses the game.)
剣歯コブラがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは毒カウンターを1個得る。そのプレイヤーは自分の次のアップキープ・ステップの開始時に、そのステップに入る前に{o2}を支払わないかぎり、追加の毒カウンターを1個得る。(10個以上の毒カウンターを持っているプレイヤーはこのゲームに敗北する。)

■《Venarian Gold》(機能変更あり。というか機能するようになります(*14))
我々が最後にこのみんなが大好きなカード(文字通りに。世の中に一人はいると思う)に注目したとき、些細な点をひとつ見過ごしていました。今やこいつは戦場に出たときの誘発能力を持っているのであって、戦場に出るに際しての置換効果ではないので、Xの値は渡されないのです。厳密に言うと、あなたは常に0個のsleepカウンターをエンチャントされているクリーチャーに置くことになります。明らかに、それはこのカードの為すべき働きとは異なります。こちらで如何ですか?

以前のテキスト:
Enchant creature
When Venarian Gold enters the battlefield, tap enchanted creature and put X sleep counters on it.
Enchanted creature doesn’t untap during its controller’s untap step if it has a sleep counter on it.
At the beginning of the upkeep of enchanted creature’s controller, remove a sleep counter from that creature.
エンチャント(クリーチャー)
Venarian Goldが戦場に出たとき、エンチャントされているクリーチャーをタップし、その上にsleepカウンターをX個置く。
エンチャントされているクリーチャーは、その上にsleepカウンターが置かれている場合、それのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。
エンチャントされているクリーチャーのコントローラーのアップキープの開始時に、そのクリーチャーの上からsleepカウンターを1個取り除く。

新しいテキスト:
Enchant creature
When Venarian Gold enters the battlefield, tap enchanted creature and put a number of sleep counters on it equal to the value of X as you cast Venarian Gold(*15).
Enchanted creature doesn’t untap during its controller’s untap step if it has a sleep counter on it.
At the beginning of the upkeep of enchanted creature’s controller, remove a sleep counter from that creature.
エンチャント(クリーチャー)
Venarian Goldが戦場に出たとき、エンチャントされているクリーチャーをタップし、その上に、あなたがVenarian Goldを唱えたときのXの値に等しい数のsleepカウンターを置く。
エンチャントされているクリーチャーは、その上にsleepカウンターが置かれている場合、それのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。
エンチャントされているクリーチャーのコントローラーのアップキープの開始時に、そのクリーチャーの上からsleepカウンターを1個取り除く。

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第2部の訳註

*8 印刷されたテキスト
 「第4版」版ではなく、「The Dark」版のことを言っています。

http://www4.atpages.jp/kakoiku/carddb+.php?lang=ja&show_card=Gaea%27s%20Touch&set=DRK

*9 前回の更新
 原文では「ドラゴンの迷路」のUpdate Bulletinのオラクル更新のページへリンクが張られています。

http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/244f&page=2

*10 このボガートは悪ふざけしてたので
 何のことかと思ったら、フレイバー・テキストに「Each bone honors its owner’s best pranks./骨の一つ一つが、持ち主の最高のいたずらを誇示している。」って書いてあるんですね。

*11 おー、おおなぎなた・・・
 原文は「Oh, O-Naginata...」。
 たぶん、歌の文句か何かのモジリなんでしょうが、調べるのメンドクサイです。
 “aux, Champs-Elysees ...”じゃないよね?

*12 パワー3以上のクリーチャーをおかしな方法で参照していました
 「with power 3 or greater」とすべきところを「with 3 or more power」と書いていた、ということなんですけど、翻訳しちゃうと関係ないです。

*13 「that」が標準から外れていたからです
 そう言われても。

*14 機能変更あり。というか機能するようになります
 原文は、「(functional, but only in the sense that it now will be)」。
 原文では、個々の改訂項目に対して、「(functinoal)」かまたは「(nonfunctional)」が付記されています。これらはそれぞれ、「functional change/機能上の変更」「nonfunctinoal change/機能以外の変更」の略でありまして、その変更がカードの機能に影響するものか否かを示しています。わたしはそれを「機能変更あり」「機能変更なし」と訳してきました。
 ところで、「functional」には、「機能上の」という意味の他に(というか普通は)「機能する」とか「ちゃんと動く」とかの意味があります。

“I think this watch doesn’t work...”
“Yes, it does! That’s functional!”

「この時計、壊れてると思うんですけど・・・」
「アイヤー、違うヨ。それ動いてルネ。」

 つまり、「(functional, but only in the sense that it now will be)」は、そのまま訳すと、「動いている、ただし今後はそうであるという意味において」でして、今までちゃんと動いてなかったのを動くように直しましたよ、ということですね。「functional」の2つの意味を使った掛詞なのですが、残念ながら日本語ではそれらの表現が一致しないので、うまく訳せませんでした。

*15 put a number of sleep counters on it equal to the value of X as you cast Venarian Gold.
 わたくしゴトキがルール・マネージャーにいちゃもんつけてもしょうがないんですが・・・。
 この書き方ですと、《徴用/Commandeer》でかっぱらった場合はカウンター載らないですよね。「you」は唱えてないので。いいのかなそれで。

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こんなところですかなー。

マジック・サポート http://www4.atpages.jp/kakoiku/index.php?lang=Japanese

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