「マジック・サポート」更新
2014年5月5日 ゲーム■「マジック・ザ・ギャザリング 総合ルール・ビューワ」:新規ルールの登録
2014年2月1日発効の総合ルールを登録しました。
http://www4.atpages.jp/kakoiku/crv.php?lang=ja
っていうか、登録したのは2月16日だったんですけど、ここでご報告するのが遅くなってしまいました。
Update Bulletin の翻訳と一緒にご報告しようと思ってて忘れちゃったんですなー。
というわけで、遅ればせながら訳しました。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/284b&page=3
========================================================
総合ルールの更新
このバージョンの総合ルールは2014年2月1日に発効します。
■112.11
この新しいルールは、「神々の軍勢」の「元型」サイクルに見られる、オブジェクトが特定の能力を持てなくなる(*1)効果について規定するものです。もしそのオブジェクトがその能力を持っているならそれを失いますし、後でそれを得ようとする場合は、それを得ません。分かりやすさのため、元型カードには、明示的にこれら3つの単語(「失う」「得る」「持つ」)を含めてあります。後続のルール1つの項番を振り直しました。
(*1) 「持てなくなる」
原文は「stop an object from having・・・」です。Wizards of the Coast社のJapan NetRepが公開している和文ルールを見ると、この文脈のこの意味での「have」に対する訳語は、一部統一されていないようです。
rule 112.11
Effects can stop an object from having a specified ability.
効果によって、オブジェクトは特定の能力を**得なくなる**ことがある。
These effects say that the object "can’t have" that ability.
それらの効果では、そのオブジェクトはその能力を「**持つことができない**/can’t have」と書かれている。
rule 613.1f
effects that say an object can’t have an ability
能力を**持つ**ことを禁止する効果
おそらく、「得る」になってるところは単純に間違えただけでしょう。というわけでここでの訳語には「持つ」を採用しました。
■121.6
このルールは、オブジェクトの上にカウンターが「配置される」ということの厳密な意味を説明しています。要するに、カウンターをいくつか置かれた状態でパーマネントが戦場に出たとき、それらのカウンターはそのパーマネントに配置されているのであって、《倍増の季節/Doubling Season》のようなカードとの関係が生じるということをはっきりさせる必要があるということです。このルールは「貢納」能力を踏まえて見直されましたが、機能的な変更はありません。
■205.3j
「デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ」の世界から飛び出したキオーラがプレインズウォーカー・タイプのリストに加わりました。
■207.2c
「神啓」が能力語のリストに加わりました。アンタップしてね!
■305.2b
「the」が抜けてたので追加。
■608.2b
このルールは、呪文や能力が解決するときにその対象が適正なままであるかどうかをどうやってチェックするかについて述べています。呪文や能力は、それが複数の対象を取っている場合、そのうちの少なくとも1つが適正のままであれば、依然として解決可能です。面白いのはここからです。このルールは、その呪文や能力は、不正な対象に対してはいかなる処理も行えず、いかなる処理も行わせることができず、他のオブジェクトがその不正な対象にいかなる処理も行わせることができない、と定めています。これは、呪文や能力は不正な対象には影響を及ぼさない、ということを厳密に述べたものでした。
しかし、ひとつ問題がありました:呪文や能力は、いかなる処理をも行うことなく、不正な対象に影響を与えることがあります。例えば《霜のブレス/Frost Breath》です。解決時に対象のうちの1つが不正だったとしても、両方のクリーチャーが、それらのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしません。なんかすごく間違ってる気がしますよね。「神々の軍勢」で《突然の嵐/Sudden Storm》が登場した今こそ、この問題に取り組む絶好の機会でしょう。このルールの変更で、穴は塞がります。《突然の嵐》(と《霜のブレス》)の不正な対象は影響を受けず、普通にアンタップするようになります。
■613.1f
このルールは世界的に有名な種類別システムの第6種です。能力追加効果、能力除去効果に加えて、「元型」が持つような「持つことができない」能力もここに分類されます。
■614.15
このルールは自己置換効果について述べています。呪文や能力の解決時に、その呪文や能力の他の部分を修正する効果のことです。お馴染みの例題は《記憶の欠落/Memory Lapse》です。「呪文を打ち消す」と書いてありますが、それは普通ならそれをそのオーナーの墓地に置くことを意味します。ところがこいつは自己置換効果を持っていて、それを変更し、その呪文は代わりにオーナーのライブラリーの一番上に行きます。普通、自己時間効果は、置換を受ける効果を持つ能力の一部です。が、能力語が絡む場合は例外を作ることにしました。例えば、《隊商の夜番/Caravan Vigil》の自己置換効果は、陰鬱のために別の能力として表現されていますが、その最初の能力を置換します。この構造が適正であることを説明する文を、このルールに追加しました。
■700.5
「神々の軍勢」の神々に見られる、2色への信心の定義を追加しました。つまりそれは、両方の色の一方または両方であるマナ・シンボルの数です。白/青混成マナ・シンボルは、白への信心にも青への信心にも、白と青への信心にも、1を加えます。
■701.3d
このルールには、オーラ、装備品、ないし城砦が、あるオブジェクトやプレイヤーから別のものに移動する場合、そのオブジェクトやプレイヤーからはずれることを明記しました。とはいえそれは「はずれた」わけではありません。例えば、授与を持つオーラは、オーラであることを停めることなく、あるクリーチャーから別のに移動できます。
■701.22c
アーチエネミー戦における計略を実行中にすることを、カードを引くことと同じような整理にしました。《Plots That Span Centuries》(*2)のおかげで、複数の計略を同時に実行中にすることが起こり得たのですが、これは論理に破綻を来たしました。現在このルールは、それらの3枚の計略は1枚ずつ実行中にされることを規定しています。
(*2) 「《Plots That Span Centuries》」
「アーチエネミー」の販促用に刷られた計略カードのうちの1つでして、Gathererには載っていません(なので、「マジック・サポート」のカード検索データベースにも載っていません)。「あなたがこの計略を実行中にしたとき、次にあなたが計略を1つ実行中にする場合、代わりに計略を3つ実行中にする。/When you set scheme in motion, the next time you would set a scheme in motion, set three schemes in motion instead.」という誘発型能力を持ちます。
■702.103(*3)
この新しい項には、貢納に関するルールが書かれています。
(*3) 702.103
このルール説の日本語版のタイトルは、何故か「貢納」とだけ書かれています。702節の慣例に従うならば、「貢納/Tribute」でないといけないはずですが。メンドクサくなっちゃったんですかなー。
■706.10
《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》のおかげで、今や誘発型能力もコピーされ得ます。何度かの更新を膨れっ面で抵抗してきたのですが、遂にこの呪文と能力のコピーに関するルールも、その事実を認めることとなりました。
■715.4b
サブゲームのルールを改訂してやったぜ! 従来それは、サブゲームの開始時と終了時にプレイヤーが持つカウンター(毒カウンターとか)がどうなるかについて何も定めていませんでした。メイン・ゲームにおけるあなたの毒カウンターはサブゲームには持ち込まれませんが、あなたのお戻りをお待ちしております。
■810.9d
ちょっとした打ち間違い(*4)を直しました。
(*4) 「打ち間違い」
「one of」とすべきところを「one if」と書いてました。総合ルールは多くの言語に翻訳されます。多くの訳者は当然気がついただろうと思うんですが。その辺の報告体制とかはどうなってるんでしょうかねぇ。
■903.10
このルールは、他人がオーナーである統率者を統率領域から唱える場合(《メレティスのダクソス/Daxos of Meletis》で生じ得ます)でも、「統率者税」が適用されるように改訂されました。
■用語集
「貢納」を加えました。
2014年2月1日発効の総合ルールを登録しました。
http://www4.atpages.jp/kakoiku/crv.php?lang=ja
っていうか、登録したのは2月16日だったんですけど、ここでご報告するのが遅くなってしまいました。
Update Bulletin の翻訳と一緒にご報告しようと思ってて忘れちゃったんですなー。
というわけで、遅ればせながら訳しました。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/284b&page=3
========================================================
総合ルールの更新
このバージョンの総合ルールは2014年2月1日に発効します。
■112.11
この新しいルールは、「神々の軍勢」の「元型」サイクルに見られる、オブジェクトが特定の能力を持てなくなる(*1)効果について規定するものです。もしそのオブジェクトがその能力を持っているならそれを失いますし、後でそれを得ようとする場合は、それを得ません。分かりやすさのため、元型カードには、明示的にこれら3つの単語(「失う」「得る」「持つ」)を含めてあります。後続のルール1つの項番を振り直しました。
(*1) 「持てなくなる」
原文は「stop an object from having・・・」です。Wizards of the Coast社のJapan NetRepが公開している和文ルールを見ると、この文脈のこの意味での「have」に対する訳語は、一部統一されていないようです。
rule 112.11
Effects can stop an object from having a specified ability.
効果によって、オブジェクトは特定の能力を**得なくなる**ことがある。
These effects say that the object "can’t have" that ability.
それらの効果では、そのオブジェクトはその能力を「**持つことができない**/can’t have」と書かれている。
rule 613.1f
effects that say an object can’t have an ability
能力を**持つ**ことを禁止する効果
おそらく、「得る」になってるところは単純に間違えただけでしょう。というわけでここでの訳語には「持つ」を採用しました。
■121.6
このルールは、オブジェクトの上にカウンターが「配置される」ということの厳密な意味を説明しています。要するに、カウンターをいくつか置かれた状態でパーマネントが戦場に出たとき、それらのカウンターはそのパーマネントに配置されているのであって、《倍増の季節/Doubling Season》のようなカードとの関係が生じるということをはっきりさせる必要があるということです。このルールは「貢納」能力を踏まえて見直されましたが、機能的な変更はありません。
■205.3j
「デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ」の世界から飛び出したキオーラがプレインズウォーカー・タイプのリストに加わりました。
■207.2c
「神啓」が能力語のリストに加わりました。アンタップしてね!
■305.2b
「the」が抜けてたので追加。
■608.2b
このルールは、呪文や能力が解決するときにその対象が適正なままであるかどうかをどうやってチェックするかについて述べています。呪文や能力は、それが複数の対象を取っている場合、そのうちの少なくとも1つが適正のままであれば、依然として解決可能です。面白いのはここからです。このルールは、その呪文や能力は、不正な対象に対してはいかなる処理も行えず、いかなる処理も行わせることができず、他のオブジェクトがその不正な対象にいかなる処理も行わせることができない、と定めています。これは、呪文や能力は不正な対象には影響を及ぼさない、ということを厳密に述べたものでした。
しかし、ひとつ問題がありました:呪文や能力は、いかなる処理をも行うことなく、不正な対象に影響を与えることがあります。例えば《霜のブレス/Frost Breath》です。解決時に対象のうちの1つが不正だったとしても、両方のクリーチャーが、それらのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしません。なんかすごく間違ってる気がしますよね。「神々の軍勢」で《突然の嵐/Sudden Storm》が登場した今こそ、この問題に取り組む絶好の機会でしょう。このルールの変更で、穴は塞がります。《突然の嵐》(と《霜のブレス》)の不正な対象は影響を受けず、普通にアンタップするようになります。
■613.1f
このルールは世界的に有名な種類別システムの第6種です。能力追加効果、能力除去効果に加えて、「元型」が持つような「持つことができない」能力もここに分類されます。
■614.15
このルールは自己置換効果について述べています。呪文や能力の解決時に、その呪文や能力の他の部分を修正する効果のことです。お馴染みの例題は《記憶の欠落/Memory Lapse》です。「呪文を打ち消す」と書いてありますが、それは普通ならそれをそのオーナーの墓地に置くことを意味します。ところがこいつは自己置換効果を持っていて、それを変更し、その呪文は代わりにオーナーのライブラリーの一番上に行きます。普通、自己時間効果は、置換を受ける効果を持つ能力の一部です。が、能力語が絡む場合は例外を作ることにしました。例えば、《隊商の夜番/Caravan Vigil》の自己置換効果は、陰鬱のために別の能力として表現されていますが、その最初の能力を置換します。この構造が適正であることを説明する文を、このルールに追加しました。
■700.5
「神々の軍勢」の神々に見られる、2色への信心の定義を追加しました。つまりそれは、両方の色の一方または両方であるマナ・シンボルの数です。白/青混成マナ・シンボルは、白への信心にも青への信心にも、白と青への信心にも、1を加えます。
■701.3d
このルールには、オーラ、装備品、ないし城砦が、あるオブジェクトやプレイヤーから別のものに移動する場合、そのオブジェクトやプレイヤーからはずれることを明記しました。とはいえそれは「はずれた」わけではありません。例えば、授与を持つオーラは、オーラであることを停めることなく、あるクリーチャーから別のに移動できます。
■701.22c
アーチエネミー戦における計略を実行中にすることを、カードを引くことと同じような整理にしました。《Plots That Span Centuries》(*2)のおかげで、複数の計略を同時に実行中にすることが起こり得たのですが、これは論理に破綻を来たしました。現在このルールは、それらの3枚の計略は1枚ずつ実行中にされることを規定しています。
(*2) 「《Plots That Span Centuries》」
「アーチエネミー」の販促用に刷られた計略カードのうちの1つでして、Gathererには載っていません(なので、「マジック・サポート」のカード検索データベースにも載っていません)。「あなたがこの計略を実行中にしたとき、次にあなたが計略を1つ実行中にする場合、代わりに計略を3つ実行中にする。/When you set scheme in motion, the next time you would set a scheme in motion, set three schemes in motion instead.」という誘発型能力を持ちます。
■702.103(*3)
この新しい項には、貢納に関するルールが書かれています。
(*3) 702.103
このルール説の日本語版のタイトルは、何故か「貢納」とだけ書かれています。702節の慣例に従うならば、「貢納/Tribute」でないといけないはずですが。メンドクサくなっちゃったんですかなー。
■706.10
《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》のおかげで、今や誘発型能力もコピーされ得ます。何度かの更新を膨れっ面で抵抗してきたのですが、遂にこの呪文と能力のコピーに関するルールも、その事実を認めることとなりました。
■715.4b
サブゲームのルールを改訂してやったぜ! 従来それは、サブゲームの開始時と終了時にプレイヤーが持つカウンター(毒カウンターとか)がどうなるかについて何も定めていませんでした。メイン・ゲームにおけるあなたの毒カウンターはサブゲームには持ち込まれませんが、あなたのお戻りをお待ちしております。
■810.9d
ちょっとした打ち間違い(*4)を直しました。
(*4) 「打ち間違い」
「one of」とすべきところを「one if」と書いてました。総合ルールは多くの言語に翻訳されます。多くの訳者は当然気がついただろうと思うんですが。その辺の報告体制とかはどうなってるんでしょうかねぇ。
■903.10
このルールは、他人がオーナーである統率者を統率領域から唱える場合(《メレティスのダクソス/Daxos of Meletis》で生じ得ます)でも、「統率者税」が適用されるように改訂されました。
■用語集
「貢納」を加えました。
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