(つづき)

2014年7月22日 ゲーム
Matt Tabak のUpdate Bulletinの後半です。
原文はこちら。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-2015-update-bulletin-2014-07-17

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■召集の注釈文(機能変更なし)
召集の注釈文は、昨年、能力の機能の詳細が変更されたときに更新されました。しかし、召集が「マジック2015」に戻ってくるにあたり、もう少し付け加えたいことがあります。ルールの意味を伝えるためには、フレイバーがいつでも使えますし、それはすごくいいことだと思います。多くのバリエーションを試した後、この能力が何を表そうとしているかを新人プレイヤーの頭に入れてもらうにはこのテキストがよいと分かりました。

以前の注釈文:
(Each creature you tap while casting this spell pays for {o1} or one mana of that creature’s color.)
(この呪文を唱える段階であなたがタップした各クリーチャーは、{o1}かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)

新しい注釈文:
(Your creatures can help cast this spell. Each creature you tap while casting this spell pays for {o1} or one mana of that creature’s color.)
(あなたのクリーチャーが、この呪文を唱える助けとなる。この呪文を唱える段階であなたがタップした各クリーチャーは、{o1}かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)

オラクルでは13枚のカード(*10)がこの更新を受けました。他に5枚のカード(*11)が、M15で再版されたために更新されました。

■基本のパワーとタフネス(機能変更なし)
クリーチャーのパワー/タフネスを特定の値に設定するカード、例えば《蛙変化/Turn to Frog》などは、常に混乱の元でした。「1/1になる」などと言っておきながら、他の継続的効果があるので往々にして正しくないからです。オーラや+1/+1カウンターや《巨大化/Giant Growth》などは、そのクリーチャーに変わらず適用されます。クリーチャーが1/1になったというのに実際は3/5だというのは疑いなく奇異なことです。この混乱を緩和すべく、我々は新しい用語を思いつきました。「基本のパワーとタフネス」です。クリーチャーのパワーとタフネスを特定の値に設定するカードはこの新しいテンプレートを使い、あなたは本質的には単に右下隅の数字を変えているだけなのだということを強調します。他の効果も依然として適用され得ます。(この件の検討を始めることを我々に説いてくれた、「マジック」の前デベロッパーMax McCall氏に特別の感謝を込めて。)

合わせて47枚のカード(*12)が更新されました。多くのバリエーションがあり、ここにすべてを載せるのは難しそうです。Gathererを「base」で検索すれば48枚のカードが見つかります(*13)。《ファイレクシアの堕落者/Phyrexian Debaser》だけ無視してください。

念のため、《変わり谷/Mutavault》のように自分自身をクリーチャー化するカードと、《機械の行進/March of the Machines》のように非クリーチャーに影響するっぽいカードは、この更新を受けていません。我々の調査によれば、《栄光の頌歌/Glorious Anthem》をコントロールしているときに最後の能力を起動した《変わり谷》が3/3になるかどうかについて混乱する人は少ないことが分かっています。

■占術(機能変更なし)
我々は「テーロス」ブロックを通じて占術の注釈文の様々なバリエーションに関するいくつかのガイドラインを確立してきました。それらは、調べたカードの枚数だけでなく、「占術」という語とその注釈文との間の距離にも基づいています。今回の更新では、それらのガイドラインを遡って適用し、古い占術カードの注釈文もキレイにしました。13枚のカード(*14)が更新されています。

■「デュアル・ランド」(機能変更なし)
もともとの10枚の「デュアル・ランド」のオラクルには一切のルール文章がありません。もともとのデュアル・ランドに印刷されたテキストが短編小説のようだったことを考えれば、これは実に奇妙なことです。今日、「ショック・ランド」(《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》などの「ラヴニカ」の土地サイクル)と同じ注釈文があってもいいんじゃないかということで、追加しました。いずれにせよ、マジック・オンラインやGathererで見たときにはカードがちょっと理解し易くなっていると思います。

■自身をクリーチャー化するエンチャント(機能変更なし)
以前の特殊タイプ、サブタイプ、およびカード・タイプを保ちつつパーマネントをクリーチャー化する能力には3種類の有効なテンプレートがあります。

能力に「in addition to its other types./他のタイプに加えて」クリーチャーになる、と書く。
能力に、クリーチャーになる、に続けて「It’s still a [type]./」と書く。土地はだいたいこのテンプレートを使います。
能力がアーティファクトをクリーチャーに変える。これはアーティファクト・クリーチャーに与えられた特別な例外です。この種の能力では最も数が多いので、読みやすいテンプレートにしています。


エンチャントをクリーチャーに変えるカードは4枚あります(《穏やかな霞/Halcyon Glaze》《オパール色の輝き/Opalescence》《動かぬ生/Still Life》《信仰の証/Testament of Faith》)が、土地と同様、2番目のテンプレートを使っています。我々は最初のテンプレートの方が、他のタイプが保持されることに関して明確だと感じました。この変更はもしかすると、この種の能力を標準化するより大きな計画の最初のステップかもしれません。が、おそらくそれは来年より早く実施されることはないでしょう。

■アンティ(機能変更なし)
アンティを賭けてのプレイは長らく忘れられていました。皆さんのお祖父さんたちが、電報を打ったりとか、お年寄りのやりそうなことの合間に「マジック」をプレイするときにやっていたものです。「マジック」の認定競技では明示的に禁止されていることと、地域の法律に違反する可能性があることを覚えておいてください。しかしながら、これら過ぎし日のカードも依然として存在しているのであり、つまりわたしはそれらのテキストに責任があります。「ante/アンティにする」の動詞としての用法には一貫性がありませんでした。それは総合ルールに定義がありますので、非標準的な使い方をしているいくつかのカードをキレイにしました。

《Amulet of Quoz》の以前のテキスト:
Remove Amulet of Quoz from your deck before playing if you’re not playing for ante.
{Tap}, Sacrifice Amulet of Quoz: Target opponent may add the top card of his or her library to the ante. If he or she doesn’t, you flip a coin. If you win the flip, that player loses the game. If you lose the flip, you lose the game. Activate this ability only during your upkeep.
アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前にAmulet of Quozをデッキから取り除く。
{Tap}, Amulet of Quozを生け贄に捧げる:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードをアンティに加えてもよい。そうしない場合、あなたはコイン投げをする。あなたがそのコイン投げに勝ったなら(*15)、そのプレイヤーはこのゲームに敗北する。あなたがそのコイン投げに負けたなら、あなたはこのゲームに敗北する。この能力は、あなたのアップキープの間にのみ起動できる。

《Amulet of Quoz》の新しいテキスト:
Remove Amulet of Quoz from your deck before playing if you’re not playing for ante.
{Tap}, Sacrifice Amulet of Quoz: Target opponent may ante the top card of his or her library. If he or she doesn’t, you flip a coin. If you win the flip, that player loses the game. If you lose the flip, you lose the game. Activate this ability only during your upkeep.
アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前にAmulet of Quozをデッキから取り除く。
{Tap}, Amulet of Quozを生け贄に捧げる:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードをアンティにしてもよい。そうしない場合、あなたはコイン投げをする。あなたがそのコイン投げに勝ったなら(*15)、そのプレイヤーはこのゲームに敗北する。あなたがそのコイン投げに負けたなら、あなたはこのゲームに敗北する。この能力は、あなたのアップキープの間にのみ起動できる。

《Contract from Below》の以前のテキスト:
Remove Contract from Below from your deck before playing if you’re not playing for ante.
Discard your hand, add the top card of your library to the ante, then draw seven cards.
アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前にContract from Belowをデッキから取り除く。
あなたの手札を捨て、あなたのライブラリーの一番上のカードをアンティに加え、その後カードを7枚引く。

《Contract from Below》の新しいテキスト:
Remove Contract from Below from your deck before playing if you’re not playing for ante.
Discard your hand, ante the top card of your library, then draw seven cards.
アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前にContract from Belowをデッキから取り除く。
あなたの手札を捨て、あなたのライブラリーの一番上のカードをアンティにし、その後カードを7枚引く。

《宝石の鳥/Jeweled Bird》の以前のテキスト:
Remove Jeweled Bird from your deck before playing if you’re not playing for ante.
{Tap}: Put Jeweled Bird into the ante. If you do, put all other cards you own from the ante into your graveyard, then draw a card.
アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に宝石の鳥をデッキから取り除く。
{Tap}:宝石の鳥をアンティに置く。そうした場合、アンティにあるあなたがオーナーである他のすべてのカードをあなたの墓地に置き、その後カードを1枚引く。

《宝石の鳥》の新しいテキスト:
Remove Jeweled Bird from your deck before playing if you’re not playing for ante.
{Tap}: Ante Jeweled Bird. If you do, put all other cards you own from the ante into your graveyard, then draw a card.
アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に宝石の鳥をデッキから取り除く。
{Tap}:宝石の鳥をアンティにする。そうした場合、アンティにあるあなたがオーナーである他のすべてのカードをあなたの墓地に置き、その後カードを1枚引く。

加えて、《Timmerian Fiends》に書いてある、所有権の交換が永続的であるとのテキストと同じものを、《嵐のイフリート/Tempest Efreet》にも追加しました。

《嵐のイフリート》の以前のテキスト:
Remove Tempest Efreet from your deck before playing if you’re not playing for ante.
{Tap}, Sacrifice Tempest Efreet: Target opponent may pay 10 life. If that player doesn’t, he or she reveals a card at random from his or her hand. Exchange ownership of the revealed card and Tempest Efreet. Put the revealed card into your hand and Tempest Efreet from anywhere into that player’s graveyard.
アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に嵐のイフリートをデッキから取り除く。
{Tap}, 嵐のイフリートを生け贄に捧げる:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは10点のライフを支払ってもよい。そのプレイヤーがそうしなかった場合、そのプレイヤーは自分の手札からカードを1枚無作為に選んで公開する。公開されたカードと嵐のイフリートの所有権を交換する。公開されたカードをあなたの手札に加え、嵐のイフリートをいずれかの領域からそのプレイヤーの墓地に置く。

《嵐のイフリート》の新しいテキスト:
Remove Tempest Efreet from your deck before playing if you’re not playing for ante.
{Tap}, Sacrifice Tempest Efreet: Target opponent may pay 10 life. If that player doesn’t, he or she reveals a card at random from his or her hand. Exchange ownership of the revealed card and Tempest Efreet. Put the revealed card into your hand and Tempest Efreet from anywhere into that player’s graveyard. This change in ownership is permanent.
アンティを賭けてプレイしていない場合、プレイ前に嵐のイフリートをデッキから取り除く。
{Tap}, 嵐のイフリートを生け贄に捧げる:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは10点のライフを支払ってもよい。そのプレイヤーがそうしなかった場合、そのプレイヤーは自分の手札からカードを1枚無作為に選んで公開する。公開されたカードと嵐のイフリートの所有権を交換する。公開されたカードをあなたの手札に加え、嵐のイフリートをいずれかの領域からそのプレイヤーの墓地に置く。この所有権の交換は永続的である。

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総合ルールの更新

<総合ルールが公開されてから改めて>

訳註

(*10) 13枚のカード
《救済の天使/Angel of Salvation》
《土着のワーム/Autochthon Wurm》
《ヴィトゥ=ガジーの詠唱/Chant of Vitu-Ghazi》
《議事会の乗馬兵/Conclave Equenaut》
《議事会の密集軍/Conclave Phalanx》
《議事会の祝福/Conclave’s Blessing》
《ヴィトゥ=ガジーの守護者/Guardian of Vitu-Ghazi》
《報いの時/Hour of Reckoning》
《カヴーの上等王/Kavu Primarch》
《根の血族の同盟者/Root-Kin Ally》
《種のばら撒き/Scatter the Seeds》
《大量の芽吹き/Sprout Swarm》
《隔離する活力/Sundering Vitae》

(*11) 5枚のカード
《召喚の調べ/Chord of Calling》
《貪る光/Devouring Light》
《かき集める勇気/Gather Courage》
《圧倒/Overwhelm》
《包囲ワーム/Siege Wurm》

(*12) 47枚のカード
《エイヴンの擬態術士/Aven Mimeomancer》
《戦門のミミック/Battlegate Mimic》
《Brine Hag》
《太陽の戦車/Chariot of the Sun》
《生命のサイクル/Cycle of Life》
《ダークスティールの突然変異/Darksteel Mutation》
《縮退/Diminish》
《ドラゴン化/Dragonshift》
《運命の大立者/Figure of Destiny》
《巨身化/Gigantiform》

《巨術士/Gigantomancer》
《畏敬の神格/Godhead of Awe》
《彫像の威圧者/Graven Dominator》
《Halfdane》
《お粗末/Humble》
《謙虚/Humility》
《墨深みの魔女/Inkfathom Witch》
《Island of Wak-Wak》
《木化/Lignify》
《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》

《夜空のミミック/Nightsky Mimic》
《オムニビアン/Omnibian》
《オパール色の輝き/Opalescence》
《羊術/Ovinize》
《激浪の刻み獣/Riptide Mangler》
《川滝のミミック/Riverfall Mimic》
《歩哨/Sentinel》
《セレンディブの魔術師/Serendib Sorcerer》
《姿奪い/Shape Stealer》
《岸砕きのミミック/Shorecrasher Mimic》

《Singing Tree》
《肌変わり/Skinshifter》
《蛇変化/Snakeform》
《魔術師の女王/Sorceress Queen》
《突然の俗化/Sudden Spoiling》
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》
《海溝喰らい/Trench Gorger》
《変化+点火/Turn+Burn》
《蛙変化/Turn to Frog》

《ヴァティ・イル=ダル/Vhati il-Dal》
《Wall of Tombstones》
《ヴェリズ・ヴェルの翼/Wings of Velis Vel》
《森潜みのミミック/Woodlurker Mimic》

・・・何故44枚しか無いのかは(*13)で。

(*13) Gathererを「base」で検索すれば48枚のカードが見つかります
実際は《変化+点火/Turn+Burn》がかぶるので、47種類です。そのうち2種類(《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》《変身術士の戯れ/Polymorphist’s Jest》)はM15の新出カードなので、オラクルが変更されたカードとなると、上記の44種類です。

(*14) 13枚のカード
カード検索データベースを管理している者としては、その13枚を特定しないといけませんし、本当に13枚かどうかを確認する必要もあります。占術に関係するカード(占術を持つとは限らない)79種類を1枚ずつ調べるということでメンドクサイんですなー。

《占いフクロウ/Augury Owl》
《卑下/Condescend》
《水晶球/Crystal Ball》
《見張る者の目/Eyes of the Watcher》
《残忍な突進/Ferocious Charge》
《襲い掛かる恐怖/Fill with Fright》
《希望の喪失/Lose Hope》
《秘教の思索/Mystic Speculation》
《水銀海/Quicksilver Sea》
《血清の幻視/Serum Visions》
《断固/Stand Firm》
《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》
《またたかぬ水疱/Unblinking Bleb》

(*15) あなたがそのコイン投げに勝ったなら
「if you win the flip」の訳語は、最近変わったようです。少し前は「あなたがそのコイン投げに勝った場合」でした。

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