Matt Tabak のUpdate Bulletinの後半です。
原文はこちら。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/khans-tarkir-update-bulletin-2014-09-17
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■変異の注釈文
「タルキール覇王譚」の変異の注釈文に些細な調整を加えました。「あなたはこれを、…裏向きに唱えてもよい/You may cast this face down …」(*6)と書いていたのを、「あなたはこのカードを、…裏向きに唱えてもよい/You may cast this card face down …」としました。従来の117枚の変異カード(*7)にも同じ変更が加えられました。
■《Dance of the Dead》
我々は通常、あなたの墓地から他の領域(普通は手札または戦場)にカードを戻す場合には「戻す/return」を使います。他のプレイヤーの戦場からも来るかもしれない場合は、「置く」を使います。《Dance of the Dead》はこの観点で間違っていました。もうひとつ、「カードに書いてあるとうれしい単語の数」の観点でも一線を超えちゃってるんですけど、その話はまたの機会に。
以前のテキスト:
Enchant creature card in a graveyard
When Dance of the Dead enters the battlefield, if it’s on the battlefield, it loses "enchant creature card in a graveyard" and gains "enchant creature put onto the battlefield with Dance of the Dead." Return enchanted creature card to the battlefield tapped under your control and attach Dance of the Dead to it. When Dance of the Dead leaves the battlefield, that creature’s controller sacrifices it.
Hi there. This wasn’t really part of the old wording. I’m just curious if you’re actually reading this.
Enchanted creature gets +1/+1 and doesn’t untap during its controller’s untap step. At the beginning of the upkeep(*8) of enchanted creature’s controller, that player may pay {o1}{oB}. If he or she does, untap that creature.
エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)
Dance of the Deadが戦場に出たとき、それが戦場にある場合、それは「エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)」を失い「エンチャント(Dance of the Deadによって戦場に出されたクリーチャー)」を得る。エンチャントされているクリーチャー・カードをタップ状態であなたのコントロール下で戦場に戻し、それにDance of the Deadをつける。Dance of the Deadが戦場を離れたとき、そのクリーチャーのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
やあ皆さん。実はこの行は以前のテキストの一部じゃないんだよね。このテキストをホントに読んでるのかどうか気になってね。
エンチャントされているクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに、それのコントローラー(*9)のアンタップ・ステップにアンタップしない。エンチャントされているクリーチャーのコントローラーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは{o1}{oB}を支払ってもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。
新しいテキスト:
Enchant creature card in a graveyard
When Dance of the Dead enters the battlefield, if it’s on the battlefield, it loses "enchant creature card in a graveyard" and gains "enchant creature put onto the battlefield with Dance of the Dead." Put enchanted creature card onto the battlefield tapped under your control and attach Dance of the Dead to it. When Dance of the Dead leaves the battlefield, that creature’s controller sacrifices it.
Enchanted creature gets +1/+1 and doesn’t untap during its controller’s untap step.
At the beginning of the upkeep of enchanted creature’s controller, that player may pay {o1}{oB}. If he or she does, untap that creature.
エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)
Dance of the Deadが戦場に出たとき、それが戦場にある場合、それは「エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)」を失い「エンチャント(Dance of the Deadによって戦場に出されたクリーチャー)」を得る。エンチャントされているクリーチャー・カードをタップ状態であなたのコントロール下で戦場に出し、それにDance of the Deadをつける。Dance of the Deadが戦場を離れたとき、そのクリーチャーのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
エンチャントされているクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに、それのコントローラー(*9)のアンタップ・ステップにアンタップしない。
エンチャントされているクリーチャーのコントローラーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは{o1}{oB}を支払ってもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。
■《頭巾被りの恐怖/Hooded Horror》
我々は通常、継続的に真であるような条件には「限り/as long as」を使います。特定の時点にしか関係のない場合であってもです。
以前のテキスト:
Hooded Horror can’t be blocked if defending player controls the most creatures or is tied for the most.
防御プレイヤーが最も多くのクリーチャーまたは最多と同数のクリーチャーをコントロールしている場合、頭巾被りの恐怖はブロックされない。
新しいテキスト:
Hooded Horror can’t be blocked as long as defending player controls the most creatures or is tied for the most.
防御プレイヤーが最も多くのクリーチャーまたは最多と同数のクリーチャーをコントロールしている限り、頭巾被りの恐怖はブロックされない。
■《ヒル結び/Leech Bonder》
我々は通常、クリーチャーの能力に出てくる「対象である、こいつ以外のクリーチャー」を表すのに、「他のクリーチャー/another target creature」(*10)を使います。《火炎放射/Cone of Flame》とか《増え続ける成長/Incremental Growth》とかのカードでは、「第3者/third target creature」と一緒に使う前例を作ってしまいました。もちろん、これらはソーサリーですから、「他の/another」という語が混乱を来たす心配はないのですが。
以前のテキスト:
Leech Bonder enters the battlefield with two -1/-1 counters on it. {oU}, {Untap}(*11): Move a counter from target creature onto another target creature. ({Untap} is the untap symbol.)
ヒル結びは-1/-1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
{oU}, {Untap}:クリーチャー1体と他のクリーチャー1体を対象とする。その前者の上に置かれているカウンター1個を、その後者の上に移動する。({Untap}はアンタップ・シンボルである。)
新しいテキスト:
Leech Bonder enters the battlefield with two -1/-1 counters on it.
{oU}, {Untap}: Move a counter from target creature onto a second target creature. ({Untap} is the untap symbol.)
ヒル結びは-1/-1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
{oU}, {Untap}:クリーチャー1体と2体目のクリーチャー1体を対象とする。その前者の上に置かれているカウンター1個を、その後者の上に移動する。({Untap}はアンタップ・シンボルである。)
■《ファイレクシアの接続具/Phyrexian Splicer》
我々は通常、異なる効果を伴う場合にのみモードを使います。《ファイレクシアの接続具》は、この点では若干風変わりなことになっていまして、対象に要求される性質の違いを選ぶのに使われています。このカードは、宣言の際に能力を選ぶ必要がありますが、それを表すのにもうちょっと判りやすい方法を見つけました(*12)。
以前のテキスト:
{o2}, {Tap}: Choose one — flying; first strike; shadow; or trample. Target creature with that ability loses it until end of turn and another target creature gains it until end of turn.
{o2}, {Tap}: 以下の4つから1つを選ぶ。「飛行」「先制攻撃」「シャドー」「トランプル」。その能力を持つクリーチャー1体と他のクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで前者はその能力を失い、ターン終了時まで後者はそれを得る。
新しいテキスト:
{o2}, {Tap}, Choose flying, first strike, trample, or shadow: Until end of turn, target creature with the chosen ability loses it and another target creature gains it.
{o2}, {Tap}, 飛行、先制攻撃、シャドー、トランプルから1つを選ぶ:選ばれた能力を持つクリーチャー1体と他のクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで前者はその能力を失い、ターン終了時まで後者はそれを得る。
■《防護の言葉/Sheltering Word》
我々は通常、キーワードから遠く離れた位置に書く場合に、調整を加えた注釈文を使います(*13)。ところで、こいつには1語入れ忘れていました。
以前のテキスト:
Target creature you control gains hexproof until end of turn. You gain life equal to that creature’s toughness. (A creature with hexproof can’t be the target of spells or abilities opponents control.)
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで呪禁を得る。あなたはそのクリーチャーのタフネスに等しい点数のライフを得る。(呪禁を持つクリーチャーは、対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない。)
新しいテキスト:
Target creature you control gains hexproof until end of turn. You gain life equal to that creature’s toughness. (A creature with hexproof can’t be the target of spells or abilities your opponents control.)
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで呪禁を得る。あなたはそのクリーチャーのタフネスに等しい点数のライフを得る。(呪禁を持つクリーチャーは、あなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない。)
■《死蔵の世話人、死零/Shirei, Shizo’s Caretaker》
我々は道常(*14)、あなたの墓地から戦場にカードを戻す場合には「あなたのコントロール下で」という指定を必要としていません。《死零》は不必要にもそうしていました。
以前のテキスト:
Whenever a creature with power 1 or less is put into your graveyard from the battlefield, you may return that card to the battlefield under your control at the beginning of the next end step if Shirei, Shizo’s Caretaker is still on the battlefield.
パワーが1以下のクリーチャーが戦場からあなたの墓地に置かれるたび、次の終了ステップの開始時に、死蔵の世話人、死零が戦場にある場合、あなたはそのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻してもよい。
新しいテキスト:
Whenever a creature with power 1 or less is put into your graveyard from the battlefield, you may return that card to the battlefield at the beginning of the next end step if Shirei, Shizo’s Caretaker is still on the battlefield.
パワーが1以下のクリーチャーが戦場からあなたの墓地に置かれるたび、次の終了ステップの開始時に、死蔵の世話人、死零が戦場にある場合、あなたはそのカードを戦場に戻してもよい。
訳註
(*6)「あなたはこれを、…裏向きに唱えてもよい/You may cast this face down …」
古いカードに書かれている注釈文は次の通りです。
しかし、この古い訳文は、上の注釈文の訳としては正確ではありません。原文に忠実に直訳すなら、次のようになるところです。
じゃあ誤訳なのかというと、そうではありません(と思います)。総合ルール 702.36aには次の文章が見えます。
さてしかし、今回の「タルキール覇王譚」の変異カードの日本語版では次のように訳されています。
該当部分は、通常であれば、『「古い日本語版の注釈文/古いオラクルの注釈文」が「新しい日本語版の注釈文/新しいオラクルの注釈文」に変わりました』と訳すべきところです。しかし、この記事の目的はオラクルの変更点を報知することです。この記事の訳文は、「日本語版がそれによってどう変わったかを説明する」のではなく、「原文がどう変わったかを日本語で説明する」ことに注力すべきでしょう。今回の変更とは関係ないところの訳し方が変わっているのをご覧に入れることに意味はありません。今回、オラクル原文では「card」の一語が挿入されているだけですから、そのことが判りやすいことを優先すべきです。そこでここでは、『「新しい日本語版の注釈文っぽく書いた古いオラクルの注釈文の私訳/古いオラクルの注釈文」が「新しい日本語版の注釈文/新しいオラクルの注釈文」に変わりました』という書き方にしました。
(*7) 従来の117枚の変異カード
憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury
Aphetto Alchemist
Aphetto Exterminator
Ascending Aven
Aven Liberator
Bane of the Living
Battering Craghorn
Birchlore Rangers
Blistering Firecat
Bloodstoke Howler
Boneknitter
Branchsnap Lorian
塩水の精霊/Brine Elemental
Broodhatch Nantuko
Cabal Executioner
Charging Slateback
金属殻のカニ/Chromeshell Crab
Crude Rampart
Daru Healer
Daru Lancer
Daru Mender
Daru Sanctifier
Dawning Purist
Defender of the Order
Dermoplasm
Disruptive Pitmage
Dwarven Blastminer
Ebonblade Reaper
Exalted Angel
Fallen Cleric
巣立つ大口獣/Fledgling Mawcor
Foothill Guide
運命の盗人/Fortune Thief
Frontline Strategist
ギャサンの略奪者/Gathan Raiders
Goblin Taskmaster
Gravel Slinger
Grinning Demon
Haunted Cadaver
Headhunter
Hystrodon
Imperial Hellkite
Infernal Caretaker
Ironfist Crusher
Karona’s Zealot
クローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraper
Krosan Colossus
Liege of the Axe
奈落のしもべ/Liege of the Pit
光糸の場/Lumithread Field
大渦のジン/Maelstrom Djinn
Master of the Veil
Mischievous Quanar
Mistform Seaswift
Mistform Shrieker
Nameless One
Nantuko Vigilante
Patron of the Wild
Primal Whisperer
Proteus Machine
Putrid Raptor
Quicksilver Dragon
Raven Guild Initiate
Raven Guild Master
Riptide Biologist
Riptide Entrancer
激浪のこそ泥/Riptide Pilferer
Riptide Survivor
Rockshard Elemental
Root Elemental
Scornful Egotist
Serpentine Basilisk
Shaleskin Plower
模る寄生/Shaper Parasite
Silent Specter
Skinthinner
Skirk Commando
Skirk Marauder
Skirk Volcanist
Skittish Valesk
流水の海蛇/Slipstream Serpent
Snapping Thragg
Snarling Undorak
Sootfeather Flock
魂の収集家/Soul Collector
Spined Basher
Spitting Gourna
セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit
Thrashing Mudspawn
時を曲げる者/Timebender
Titanic Bulvox
Towering Baloth
Treespring Lorian
Tribal Forcemage
またたかぬ水疱/Unblinking Bleb
Unstable Hulk
Venomspout Brackus
ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter
Voidmage Apprentice
非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy
Wall of Deceit
Warbreak Trumpeter
雨ざらしのボディガード/Weathered Bodyguards
Weaver of Lies
研磨車/Whetwheel
鞭棘ドレイク/Whip-Spine Drake
Whipcorder
Wingbeat Warrior
Woodcloaker
生けるものの洞窟/Zoetic Cavern
Zombie Cutthroat
111枚しかありませんなー。6枚足りません。
「タルキール覇王譚」にも変異カードは収録されていますが、「タルキール覇王譚」で初出のカードは最初から「You may cast this card」であり、オラクルの更新を受けたわけではありません(そもそも34枚もあるので、これらを数え忘れているというわけではないのは明かです)。
ところで、このオラクル変更は、「デュエルデッキ:迅速 vs 狡知」に収録されていたカードには既に実施されていました。そのタイミングで更新されたのは次の5枚のカードです。
水変化の精体/Aquamorph Entity
珊瑚のペテン師/Coral Trickster
残響の追跡者/Echo Tracer
水深の予見者/Fathom Seer
意志を曲げる者/Willbender
たぶん、これらも今回のUpdate Bulletinでまとめて報告しているのでしょう。しかし、それでも116枚。あと1枚は?
たぶんこれじゃないかな、と思うのは、
千の風/Thousand Winds
です。このカードは「タルキール覇王譚」に収録されていますが、「デュエルデッキ:迅速 vs 狡知」にも収録されていました。たぶん Matt は、「タルキール覇王譚」以外のセットに収録されている変異持ちのカードを数えて117枚だったから117枚だと思っちゃったのじゃないでしょうか。
(*8) At the beginning of the upkeep
これ、その直前のセンテンスとは別の能力ですから、本来はこの前に改行があるべきです。つまんないジョークを挟んだせいで行数が変わっちゃったから調整したのかな。と思ったけどどうも違うっぽい(後述)。
(*9) それのコントローラー
「its controller」の訳文は一定しないようです。スタンダードだけでもこんな感じ(注釈文(主に絆魂の)を除きます)。
「そのコントローラー」
《豚の呪い/Curse of the Swine(THS)》
《予記された運命/Fate Foretold(THS)》
《難局/Hour of Need(JOU)》
《阻まれた希望/Stymied Hopes(THS)》
「それのコントローラー」
《撤回命令/(JOU)》
《拡散スリヴァー/Diffusion Sliver(M15)》
《今わの際/Last Breath(THS)》
《市場の祝祭/Market Festival(JOU)》
《精神振り/Mindswipe(KTK)》
《抑圧的な光線/Oppressive Rays(JOU,M15)》
《一口の草毒/Sip of Hemlock(THS)》
《頑固な避妊/Stubborn Denial(KTK)》
《白鳥の歌/Swan Song(THS)》
《ティムールの魔除け/Temur Charm(KTK)》
《タッサの拒絶/Thassa’s Rebuff(BNG)》
《運命の三人組/Triad of Fates(THS)》
《新緑の安息所/Verdant Haven(M14,M15)》
《今わの際》は「シャドウムーア」では「そのコントローラー」だったのが「テーロス」では「それのコントローラー」に、《新緑の安息所》も「マジック2014」では「そのコントローラー」だったのが「マジック2015」で「それのコントローラー」に、それぞれ直されています。そこでここでは「それのコントローラー」を採用しました。
(*10) 他のクリーチャー/another target creature
ご覧のとおり、厳密な対訳ではありません。日本語版は、「Target creature gets ...」を、「クリーチャー1体を対象とする。それは…」と訳すので、「another target creature」は、単純にひとつながりの文章断片に訳されるわけじゃないんですよね。
(*11) {oU}, {Untap}
これ、その直前のセンテンスとは別の能力ですから、本来はこの前に改行があるべきです。今回はつまんないジョークは特に挿入されていないんですが(おもしろいジョークすらも)、それでもこうなるってことは編集の問題ですかね。…と思ったけどもしかしたら違うのかも(後述)。
(*12) もうちょっと判りやすい方法を見つけました
いや、これ、ちょっとマズいっすよね。対象を選ぶのはコストを支払うよりも前なので、コストとして能力を選ばせることにすると、対象を選ぶ段階では「選ばれた能力」は存在しません。さすがにこれは編集の問題ではありません。うーむ、 Matt もついに…。
モードは対象より前に選びますから、変更前のテキストならこの問題は生じません。が、モードを使う標準的なケースから外れていることは確かです。それを解決したいなら、総合ルール602.1bを使って、起動時に従うべき制限として「:」の後に書く方がいいんじゃないでしょうか。
(*13) キーワードから遠く離れた位置に書く場合に、調整を加えた注釈文を使います
この文章自体は正しいのですが。文頭に「我々は通常、」を書くために無理矢理挿入されているだけなので、《防護の言葉》のオラクル更新を理解するのに必要な説明ではありません。まあ、これはそういうのを楽しむための記事なので。
(*14) 我々は道常、
ジョークの解説をしないといけないのは訳者の敗北なんですが。原文は「We commanderly …」です。念のため、「commanderly」などという英単語は存在しません。最初の2つのデカいのを除き、ここまでの各項が「我々は通常、/We generally」で始まっていたことにはお気づきかと思いますが、その「generally」の「general/将軍」を「commander/司令官」に変えたってわけです。面白いですか? 面白いですね。ははは。で、どうしろと。
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おわりー。
原文はこちら。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/khans-tarkir-update-bulletin-2014-09-17
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■変異の注釈文
「タルキール覇王譚」の変異の注釈文に些細な調整を加えました。「あなたはこれを、…裏向きに唱えてもよい/You may cast this face down …」(*6)と書いていたのを、「あなたはこのカードを、…裏向きに唱えてもよい/You may cast this card face down …」としました。従来の117枚の変異カード(*7)にも同じ変更が加えられました。
■《Dance of the Dead》
我々は通常、あなたの墓地から他の領域(普通は手札または戦場)にカードを戻す場合には「戻す/return」を使います。他のプレイヤーの戦場からも来るかもしれない場合は、「置く」を使います。《Dance of the Dead》はこの観点で間違っていました。もうひとつ、「カードに書いてあるとうれしい単語の数」の観点でも一線を超えちゃってるんですけど、その話はまたの機会に。
以前のテキスト:
Enchant creature card in a graveyard
When Dance of the Dead enters the battlefield, if it’s on the battlefield, it loses "enchant creature card in a graveyard" and gains "enchant creature put onto the battlefield with Dance of the Dead." Return enchanted creature card to the battlefield tapped under your control and attach Dance of the Dead to it. When Dance of the Dead leaves the battlefield, that creature’s controller sacrifices it.
Hi there. This wasn’t really part of the old wording. I’m just curious if you’re actually reading this.
Enchanted creature gets +1/+1 and doesn’t untap during its controller’s untap step. At the beginning of the upkeep(*8) of enchanted creature’s controller, that player may pay {o1}{oB}. If he or she does, untap that creature.
エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)
Dance of the Deadが戦場に出たとき、それが戦場にある場合、それは「エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)」を失い「エンチャント(Dance of the Deadによって戦場に出されたクリーチャー)」を得る。エンチャントされているクリーチャー・カードをタップ状態であなたのコントロール下で戦場に戻し、それにDance of the Deadをつける。Dance of the Deadが戦場を離れたとき、そのクリーチャーのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
やあ皆さん。実はこの行は以前のテキストの一部じゃないんだよね。このテキストをホントに読んでるのかどうか気になってね。
エンチャントされているクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに、それのコントローラー(*9)のアンタップ・ステップにアンタップしない。エンチャントされているクリーチャーのコントローラーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは{o1}{oB}を支払ってもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。
新しいテキスト:
Enchant creature card in a graveyard
When Dance of the Dead enters the battlefield, if it’s on the battlefield, it loses "enchant creature card in a graveyard" and gains "enchant creature put onto the battlefield with Dance of the Dead." Put enchanted creature card onto the battlefield tapped under your control and attach Dance of the Dead to it. When Dance of the Dead leaves the battlefield, that creature’s controller sacrifices it.
Enchanted creature gets +1/+1 and doesn’t untap during its controller’s untap step.
At the beginning of the upkeep of enchanted creature’s controller, that player may pay {o1}{oB}. If he or she does, untap that creature.
エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)
Dance of the Deadが戦場に出たとき、それが戦場にある場合、それは「エンチャント(墓地にあるクリーチャー・カード)」を失い「エンチャント(Dance of the Deadによって戦場に出されたクリーチャー)」を得る。エンチャントされているクリーチャー・カードをタップ状態であなたのコントロール下で戦場に出し、それにDance of the Deadをつける。Dance of the Deadが戦場を離れたとき、そのクリーチャーのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
エンチャントされているクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに、それのコントローラー(*9)のアンタップ・ステップにアンタップしない。
エンチャントされているクリーチャーのコントローラーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは{o1}{oB}を支払ってもよい。そうした場合、そのクリーチャーをアンタップする。
■《頭巾被りの恐怖/Hooded Horror》
我々は通常、継続的に真であるような条件には「限り/as long as」を使います。特定の時点にしか関係のない場合であってもです。
以前のテキスト:
Hooded Horror can’t be blocked if defending player controls the most creatures or is tied for the most.
防御プレイヤーが最も多くのクリーチャーまたは最多と同数のクリーチャーをコントロールしている場合、頭巾被りの恐怖はブロックされない。
新しいテキスト:
Hooded Horror can’t be blocked as long as defending player controls the most creatures or is tied for the most.
防御プレイヤーが最も多くのクリーチャーまたは最多と同数のクリーチャーをコントロールしている限り、頭巾被りの恐怖はブロックされない。
■《ヒル結び/Leech Bonder》
我々は通常、クリーチャーの能力に出てくる「対象である、こいつ以外のクリーチャー」を表すのに、「他のクリーチャー/another target creature」(*10)を使います。《火炎放射/Cone of Flame》とか《増え続ける成長/Incremental Growth》とかのカードでは、「第3者/third target creature」と一緒に使う前例を作ってしまいました。もちろん、これらはソーサリーですから、「他の/another」という語が混乱を来たす心配はないのですが。
以前のテキスト:
Leech Bonder enters the battlefield with two -1/-1 counters on it. {oU}, {Untap}(*11): Move a counter from target creature onto another target creature. ({Untap} is the untap symbol.)
ヒル結びは-1/-1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
{oU}, {Untap}:クリーチャー1体と他のクリーチャー1体を対象とする。その前者の上に置かれているカウンター1個を、その後者の上に移動する。({Untap}はアンタップ・シンボルである。)
新しいテキスト:
Leech Bonder enters the battlefield with two -1/-1 counters on it.
{oU}, {Untap}: Move a counter from target creature onto a second target creature. ({Untap} is the untap symbol.)
ヒル結びは-1/-1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
{oU}, {Untap}:クリーチャー1体と2体目のクリーチャー1体を対象とする。その前者の上に置かれているカウンター1個を、その後者の上に移動する。({Untap}はアンタップ・シンボルである。)
■《ファイレクシアの接続具/Phyrexian Splicer》
我々は通常、異なる効果を伴う場合にのみモードを使います。《ファイレクシアの接続具》は、この点では若干風変わりなことになっていまして、対象に要求される性質の違いを選ぶのに使われています。このカードは、宣言の際に能力を選ぶ必要がありますが、それを表すのにもうちょっと判りやすい方法を見つけました(*12)。
以前のテキスト:
{o2}, {Tap}: Choose one — flying; first strike; shadow; or trample. Target creature with that ability loses it until end of turn and another target creature gains it until end of turn.
{o2}, {Tap}: 以下の4つから1つを選ぶ。「飛行」「先制攻撃」「シャドー」「トランプル」。その能力を持つクリーチャー1体と他のクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで前者はその能力を失い、ターン終了時まで後者はそれを得る。
新しいテキスト:
{o2}, {Tap}, Choose flying, first strike, trample, or shadow: Until end of turn, target creature with the chosen ability loses it and another target creature gains it.
{o2}, {Tap}, 飛行、先制攻撃、シャドー、トランプルから1つを選ぶ:選ばれた能力を持つクリーチャー1体と他のクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで前者はその能力を失い、ターン終了時まで後者はそれを得る。
■《防護の言葉/Sheltering Word》
我々は通常、キーワードから遠く離れた位置に書く場合に、調整を加えた注釈文を使います(*13)。ところで、こいつには1語入れ忘れていました。
以前のテキスト:
Target creature you control gains hexproof until end of turn. You gain life equal to that creature’s toughness. (A creature with hexproof can’t be the target of spells or abilities opponents control.)
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで呪禁を得る。あなたはそのクリーチャーのタフネスに等しい点数のライフを得る。(呪禁を持つクリーチャーは、対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない。)
新しいテキスト:
Target creature you control gains hexproof until end of turn. You gain life equal to that creature’s toughness. (A creature with hexproof can’t be the target of spells or abilities your opponents control.)
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで呪禁を得る。あなたはそのクリーチャーのタフネスに等しい点数のライフを得る。(呪禁を持つクリーチャーは、あなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない。)
■《死蔵の世話人、死零/Shirei, Shizo’s Caretaker》
我々は道常(*14)、あなたの墓地から戦場にカードを戻す場合には「あなたのコントロール下で」という指定を必要としていません。《死零》は不必要にもそうしていました。
以前のテキスト:
Whenever a creature with power 1 or less is put into your graveyard from the battlefield, you may return that card to the battlefield under your control at the beginning of the next end step if Shirei, Shizo’s Caretaker is still on the battlefield.
パワーが1以下のクリーチャーが戦場からあなたの墓地に置かれるたび、次の終了ステップの開始時に、死蔵の世話人、死零が戦場にある場合、あなたはそのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻してもよい。
新しいテキスト:
Whenever a creature with power 1 or less is put into your graveyard from the battlefield, you may return that card to the battlefield at the beginning of the next end step if Shirei, Shizo’s Caretaker is still on the battlefield.
パワーが1以下のクリーチャーが戦場からあなたの墓地に置かれるたび、次の終了ステップの開始時に、死蔵の世話人、死零が戦場にある場合、あなたはそのカードを戦場に戻してもよい。
訳註
(*6)「あなたはこれを、…裏向きに唱えてもよい/You may cast this face down …」
古いカードに書かれている注釈文は次の通りです。
You may cast this face down as a 2/2 creature for {o3}.これを従来の日本語版では次のように訳していました。
あなたはこれを、{o3}を支払うことで、裏向きの2/2のクリーチャーとして唱えてもよい。
しかし、この古い訳文は、上の注釈文の訳としては正確ではありません。原文に忠実に直訳すなら、次のようになるところです。
あなたはこれを、{o3}を支払うことで、2/2のクリーチャーとして裏向きに唱えてもよい。
じゃあ誤訳なのかというと、そうではありません(と思います)。総合ルール 702.36aには次の文章が見えます。
"Morph [cost]" means "You may cast this card as a 2/2 face-down creature, with no text, no name, no subtypes, and no mana cost by paying {3} rather than paying its mana cost."訳文はこうです。
変異 [コスト]/Morph [cost]」は、「あなたはこのカードを、本来のマナ・コストではなく{3}を支払うことで、裏向きで2/2の、文章やカード名やクリーチャー・タイプやエキスパンション・シンボル、マナ・コストを持たないクリーチャーとして唱えられる。」という意味である。これは妥当な訳です。どうやら、総合ルールの原文と注釈文の原文とは書きぶりが異なるにも関わらず、注釈文の訳文は総合ルールの訳文に書きぶりを揃えたようです。(これは方針の問題で、間違いではありません。「Target creature gets +1/+1.」を日本語版ではどう訳していますか?)
さてしかし、今回の「タルキール覇王譚」の変異カードの日本語版では次のように訳されています。
あなたはこのカードを、{o3}で2/2クリーチャーとして裏向きに唱えてもよい。カードの原文に忠実な訳になりました。方針変更です。
該当部分は、通常であれば、『「古い日本語版の注釈文/古いオラクルの注釈文」が「新しい日本語版の注釈文/新しいオラクルの注釈文」に変わりました』と訳すべきところです。しかし、この記事の目的はオラクルの変更点を報知することです。この記事の訳文は、「日本語版がそれによってどう変わったかを説明する」のではなく、「原文がどう変わったかを日本語で説明する」ことに注力すべきでしょう。今回の変更とは関係ないところの訳し方が変わっているのをご覧に入れることに意味はありません。今回、オラクル原文では「card」の一語が挿入されているだけですから、そのことが判りやすいことを優先すべきです。そこでここでは、『「新しい日本語版の注釈文っぽく書いた古いオラクルの注釈文の私訳/古いオラクルの注釈文」が「新しい日本語版の注釈文/新しいオラクルの注釈文」に変わりました』という書き方にしました。
(*7) 従来の117枚の変異カード
憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury
Aphetto Alchemist
Aphetto Exterminator
Ascending Aven
Aven Liberator
Bane of the Living
Battering Craghorn
Birchlore Rangers
Blistering Firecat
Bloodstoke Howler
Boneknitter
Branchsnap Lorian
塩水の精霊/Brine Elemental
Broodhatch Nantuko
Cabal Executioner
Charging Slateback
金属殻のカニ/Chromeshell Crab
Crude Rampart
Daru Healer
Daru Lancer
Daru Mender
Daru Sanctifier
Dawning Purist
Defender of the Order
Dermoplasm
Disruptive Pitmage
Dwarven Blastminer
Ebonblade Reaper
Exalted Angel
Fallen Cleric
巣立つ大口獣/Fledgling Mawcor
Foothill Guide
運命の盗人/Fortune Thief
Frontline Strategist
ギャサンの略奪者/Gathan Raiders
Goblin Taskmaster
Gravel Slinger
Grinning Demon
Haunted Cadaver
Headhunter
Hystrodon
Imperial Hellkite
Infernal Caretaker
Ironfist Crusher
Karona’s Zealot
クローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraper
Krosan Colossus
Liege of the Axe
奈落のしもべ/Liege of the Pit
光糸の場/Lumithread Field
大渦のジン/Maelstrom Djinn
Master of the Veil
Mischievous Quanar
Mistform Seaswift
Mistform Shrieker
Nameless One
Nantuko Vigilante
Patron of the Wild
Primal Whisperer
Proteus Machine
Putrid Raptor
Quicksilver Dragon
Raven Guild Initiate
Raven Guild Master
Riptide Biologist
Riptide Entrancer
激浪のこそ泥/Riptide Pilferer
Riptide Survivor
Rockshard Elemental
Root Elemental
Scornful Egotist
Serpentine Basilisk
Shaleskin Plower
模る寄生/Shaper Parasite
Silent Specter
Skinthinner
Skirk Commando
Skirk Marauder
Skirk Volcanist
Skittish Valesk
流水の海蛇/Slipstream Serpent
Snapping Thragg
Snarling Undorak
Sootfeather Flock
魂の収集家/Soul Collector
Spined Basher
Spitting Gourna
セロン教の隠遁者/Thelonite Hermit
Thrashing Mudspawn
時を曲げる者/Timebender
Titanic Bulvox
Towering Baloth
Treespring Lorian
Tribal Forcemage
またたかぬ水疱/Unblinking Bleb
Unstable Hulk
Venomspout Brackus
ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter
Voidmage Apprentice
非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy
Wall of Deceit
Warbreak Trumpeter
雨ざらしのボディガード/Weathered Bodyguards
Weaver of Lies
研磨車/Whetwheel
鞭棘ドレイク/Whip-Spine Drake
Whipcorder
Wingbeat Warrior
Woodcloaker
生けるものの洞窟/Zoetic Cavern
Zombie Cutthroat
111枚しかありませんなー。6枚足りません。
「タルキール覇王譚」にも変異カードは収録されていますが、「タルキール覇王譚」で初出のカードは最初から「You may cast this card」であり、オラクルの更新を受けたわけではありません(そもそも34枚もあるので、これらを数え忘れているというわけではないのは明かです)。
ところで、このオラクル変更は、「デュエルデッキ:迅速 vs 狡知」に収録されていたカードには既に実施されていました。そのタイミングで更新されたのは次の5枚のカードです。
水変化の精体/Aquamorph Entity
珊瑚のペテン師/Coral Trickster
残響の追跡者/Echo Tracer
水深の予見者/Fathom Seer
意志を曲げる者/Willbender
たぶん、これらも今回のUpdate Bulletinでまとめて報告しているのでしょう。しかし、それでも116枚。あと1枚は?
たぶんこれじゃないかな、と思うのは、
千の風/Thousand Winds
です。このカードは「タルキール覇王譚」に収録されていますが、「デュエルデッキ:迅速 vs 狡知」にも収録されていました。たぶん Matt は、「タルキール覇王譚」以外のセットに収録されている変異持ちのカードを数えて117枚だったから117枚だと思っちゃったのじゃないでしょうか。
(*8) At the beginning of the upkeep
これ、その直前のセンテンスとは別の能力ですから、本来はこの前に改行があるべきです。つまんないジョークを挟んだせいで行数が変わっちゃったから調整したのかな。と思ったけどどうも違うっぽい(後述)。
(*9) それのコントローラー
「its controller」の訳文は一定しないようです。スタンダードだけでもこんな感じ(注釈文(主に絆魂の)を除きます)。
「そのコントローラー」
《豚の呪い/Curse of the Swine(THS)》
《予記された運命/Fate Foretold(THS)》
《難局/Hour of Need(JOU)》
《阻まれた希望/Stymied Hopes(THS)》
「それのコントローラー」
《撤回命令/(JOU)》
《拡散スリヴァー/Diffusion Sliver(M15)》
《今わの際/Last Breath(THS)》
《市場の祝祭/Market Festival(JOU)》
《精神振り/Mindswipe(KTK)》
《抑圧的な光線/Oppressive Rays(JOU,M15)》
《一口の草毒/Sip of Hemlock(THS)》
《頑固な避妊/Stubborn Denial(KTK)》
《白鳥の歌/Swan Song(THS)》
《ティムールの魔除け/Temur Charm(KTK)》
《タッサの拒絶/Thassa’s Rebuff(BNG)》
《運命の三人組/Triad of Fates(THS)》
《新緑の安息所/Verdant Haven(M14,M15)》
《今わの際》は「シャドウムーア」では「そのコントローラー」だったのが「テーロス」では「それのコントローラー」に、《新緑の安息所》も「マジック2014」では「そのコントローラー」だったのが「マジック2015」で「それのコントローラー」に、それぞれ直されています。そこでここでは「それのコントローラー」を採用しました。
(*10) 他のクリーチャー/another target creature
ご覧のとおり、厳密な対訳ではありません。日本語版は、「Target creature gets ...」を、「クリーチャー1体を対象とする。それは…」と訳すので、「another target creature」は、単純にひとつながりの文章断片に訳されるわけじゃないんですよね。
(*11) {oU}, {Untap}
これ、その直前のセンテンスとは別の能力ですから、本来はこの前に改行があるべきです。今回はつまんないジョークは特に挿入されていないんですが(おもしろいジョークすらも)、それでもこうなるってことは編集の問題ですかね。…と思ったけどもしかしたら違うのかも(後述)。
(*12) もうちょっと判りやすい方法を見つけました
いや、これ、ちょっとマズいっすよね。対象を選ぶのはコストを支払うよりも前なので、コストとして能力を選ばせることにすると、対象を選ぶ段階では「選ばれた能力」は存在しません。さすがにこれは編集の問題ではありません。うーむ、 Matt もついに…。
モードは対象より前に選びますから、変更前のテキストならこの問題は生じません。が、モードを使う標準的なケースから外れていることは確かです。それを解決したいなら、総合ルール602.1bを使って、起動時に従うべき制限として「:」の後に書く方がいいんじゃないでしょうか。
(*13) キーワードから遠く離れた位置に書く場合に、調整を加えた注釈文を使います
この文章自体は正しいのですが。文頭に「我々は通常、」を書くために無理矢理挿入されているだけなので、《防護の言葉》のオラクル更新を理解するのに必要な説明ではありません。まあ、これはそういうのを楽しむための記事なので。
(*14) 我々は道常、
ジョークの解説をしないといけないのは訳者の敗北なんですが。原文は「We commanderly …」です。念のため、「commanderly」などという英単語は存在しません。最初の2つのデカいのを除き、ここまでの各項が「我々は通常、/We generally」で始まっていたことにはお気づきかと思いますが、その「generally」の「general/将軍」を「commander/司令官」に変えたってわけです。面白いですか? 面白いですね。ははは。で、どうしろと。
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おわりー。
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