■「マジック・ザ・ギャザリング 総合ルール・ビューワ」:新規ルールの登録
2016年1月16日発効の総合ルールを登録しました。
http://www4.atpages.jp/kakoiku/crv.php?lang=ja

遅くなってごめんなさい。
というかもはやタイムリーにこの記事を出せないことにはあまり罪悪感を感じていない・・・。

Update Bulletin も訳しました。原文はこちらです。

http://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/oath-gatewatch-update-bulletin-comprehensive-rule-changes-2016-01-29

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「ゲートウォッチの誓い」更新報告 - 総合ルールの変更
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■103.4e と 903.8
このルール(*1)は、統率者戦におけるマリガンの手順を規定していたものです。昨年上期に、基本のマリガン・ルールの方に占術を加えてしまったので、「統率者(2015年版)」の更新のおり、統率者戦では占術しないように取り除いたのです。占術はもともと入れる予定じゃなかったんですよね。なので、103.4eと908.3(*2)を調整して対応しました。
しかしその後、委員会(*3)は、マリガンに関する決定を下し、103.4e は「ゲートウォッチの誓い」の更新以後、完全に削除されることになりました。公式の「統率者戦」マリガン・ルールは、今や他のゲームと同じです。多人数戦の場合、最初の1回はカードを失うことなくマリガンできます。マリガンの後(2人対戦であれ多人数戦であれ)、もし初期手札枚数よりも少ない手札を持っていたなら、占術1してかまいません。

■106.6 と 106.6a
これらのルールは、呪文や能力によってマナの点数を増やすカードと、そのマナの「付帯事項」との間の相互作用を明確に説明しています。付帯事項には、そのマナが何に使えるかとか、そのマナを使ったときに生じる追加効果とか、そのマナを使うと誘発する遅延誘発型能力とかがあります。例えば、あなたが《マナの反射/Mana Reflection》をコントロールしていて、《紅蓮術師のゴーグル/Pyromancer’s Goggles》をタップしたなら、生み出された2点の赤マナのそれぞれに、遅延誘発型能力がついてきます。そのマナのうちの1つをソーサリーを唱えるのに使ったなら、適切な能力が誘発し、呪文をコピーします。その後、そのターン内にもう一方のマナをインスタントを唱えるのに使えますし、それもまたコピーされます。これは、意図するところは明白であり、ルーリングがそれを裏付ける一例ですが、何であれ明記されている方がいいですよね。

■106.10 (新規)
不特定マナ・シンボルで表されるマナがマナ・プールに加えられるケースを扱うルールです。《精霊の共鳴/Elemental Resonance》を使うこともあるかもしれませんし。

■107.4 と 107.4c
シンボルの一覧に {C} が加わりました。

■108.2a
このルールは、用語「カード」を、その、なんだ、つまり、カードに書くときの使い方について説明しています。だいたいにおいて、「カード」と書いてあったら、それは戦場に無いカードのことを意味します。しかし、「いずれかの領域から」墓地にカードを動かす場合、「カード」は戦場にあるカードも含む万能句になります。通常は「トークンでないパーマネント」と書くのですが。《太陽と月の輪/Wheel of Sun and Moon》のようなカードに魅力的なテンプレートを使いたいと思えば、この「カード」の例外的な使い方も許容できます。というわけで、そう書けるようにルールを手直ししました。

■117.7a
このルールは、コストに含まれる不特定マナの点数を減らす効果(例えば「あなたがクリーチャー・呪文を唱えるためのコストは{1}少なくなる」(*4))について説明しています。これらは、色マナおよび無色マナの要求に影響することはありません。例えば、《大いなる歪み、コジレック/Kozilek, the Great Distortion》を、どうにかして {9} 少ないコストで唱える場合でも(マジっすか。スゴいっすね)、依然として {C}{C} は支払うということです。

■117.7d (新規)
この新しいルールは、コストが、それに含まれる無色マナ部分を越える点数の無色マナだけ減らされるケースを扱います。今のところそれは不可能ですが、色マナの減少に関する同様のルールに倣います。(公平のために言うと、そっちのルールもある特殊なケースでのみ使われます:《カルニのハイドラ/Khalni Hydra》+何かコストを追加する効果+9体以上の緑のクリーチャーですね。ああ、あと、家族にわたしの職業を説明するときにも使われます(*5)。)

■202.1a
このルール、ちょっとだけ変えました。マナ・コストの支払い方を説明しているんですが、無色マナを必要とする可能性もあるので。さあ、想像してみて!

■207.2c
能力語の一覧に「盟友/Cohort」が加わりました。

■700.2
モードを持つ呪文や能力の説明を、我々が今日使用しているところの数多の驚嘆すべき記法を含有せしめる様変更しました。箇条書きも含まれます。

■700.2d (新規)
今や「統率者(2015年版)」の合流点カードがありますから、1つのモードを2回以上選んだ場合に各モードが独立に対象を要求する点を定めるルールが必要になりました。例えば、《新緑の合流点/Verdant Confluence》の最初のモードは、あなたがそのモードを選ぶたび、異なるクリーチャーを対象に選ぶこともできれば、同じクリーチャーを対象に選ぶこともできます。

■701.32 (新規)
ルールも支援して!

■702.115 とそのサブルール群 (新規)
新たなキーワード「無尽/Myriad」を扱う無尽の新ルール。

■702.25b
フェイズ・アウトしたパーマネントが戦闘から取り除かれる事実がフェイジングのルールに書かれていませんでした。それはおかしいので、ここに記しました。

■702.116
「怒涛/Surge」に関する新しいルール、提供はわたしの大好きな柑橘系炭酸飲料、ダイエット・マウンテン・デューです。「デューでダイエットはこれだけ!(*6)」

■800.5
ここでは多人数戦におけるマリガン・ルールを再度規定していますが、最初のマリガンで何が起きるかを少し詳しく述べています。つまり、6枚ではなく7枚引くということです。それはだいたいにおいて正しいのですが、常にというわけではないので、言い回しは少し抽象化してあります。

■903.9
MTGCommander.net(*7) では「Rule 4」として知られているこのルールは、統率者の固有色以外のマナを出そうとすると、代わりに無色マナが得られるということを定めています。そのルールはもはやありません。今や、わたしが青の統率者デッキを使っていて、あなたの《森/Forest》のコントロールを得たなら、タップして {G} を出せます。

■用語集
変更された項目:不特定マナ、モード、待機(些細な編集上の調整(*8))
新たな項目:無尽、支援、怒涛


訳註

*1 このルール
項題が「103.4e と 903.8」なんですから、「これらのルール」でなくてはおかしいんですけど、原文が「This rule」なんです。何故そうなのかは Matt に聞いてください。

*2 908.3
もちろん 903.8 の間違いです。 Matt が何かを間違えるときはたいてい意図的なんですけど(そしてそれを訳註で説明させられるハメになるんですけど)、これはどうも違うっぽい。(そして意図的であろうがなかろうが説明はさせられる。)

*3 委員会
EDH Rules Committee のことでしょう(日本語の正式名称は不勉強で存じません)。要するに統率者戦のルールを決めている人たちです。今は6人いるのかな?

https://twitter.com/mtgcommander
http://mtgcommander.net/rules.php

*4 「あなたがクリーチャー・呪文を唱えるためのコストは{1}少なくなる」
"~ spells you cast cost {d} less to cast" の翻訳テンプレートの話なんですが。
従来は、「あなたが唱える~呪文を唱えるためのコストは{d}少なくなる」でした。例えば《イロアスの英雄/Hero of Iroas(THS)》「あなたが唱えるオーラ呪文は、それを唱えるためのコストが{1}少なくなる。」
それが「タルキール龍紀伝」のときに「あなたが~・呪文を唱えるためのコストは{d}少なくなる」に変わって、例えば《龍王の召使い/Dragonlord’s Servant》は「あなたがドラゴン・呪文を唱えるためのコストは{1}少なくなる。」です(他に《遮る霊気/Obscuring Æther》)。「マジック・オリジン」「戦乱のゼンディカー」も同じです(《万神殿の伝令/Herald of the Pantheon》《ジェイスの聖域/Jace’s Sanctum》《コジレックの伝令/Herald of Kozilek》)。たぶんこれが最新のテンプレートなんでしょう。
しかし、何故か「モダンマスターズ 2015年版」は、1枚だけなんですけど、ちょっと違うテンプレートなんですよね・・・。《遥か忘れられし御幣/Long-Forgotten Gohei》は「あなたが唱える秘儀・呪文を唱えるためのコストは{1}少なくなる。」です。「唱える」が入ってるのは古いテンプレートと同じですが、ナカグロが入ってるのは新しい。何か間違えたのかな。

*5 ああ、あと、家族にわたしの職業を説明するときにも使われます
Matt が嫁さんに、「ほとんど誰も使わないようなカードが3枚揃ったときだけ使われるルールを整備するのは誰にでもできることじゃないんだよ、例えば・・・」などと一生懸命説明しているところを想像すると面白いかもしれないです。冗談を説明するの好きじゃないんですが。

*6 デューでダイエットはこれだけ!
原文は「It’s the only diet with Dew!」。ダイエット・マウンテン・デューの広告の売り文句「It’s the Only Diet with Dew In It!」ですね。それが何故「怒涛/Surge」の新ルールの説明になっているのかというと、Surge はコカ・コーラで、マウンテン・デューはペプシなんです。たぶんそれだけ。

*7 MTGCommander.net
上にも書きましたがこちらです。
http://mtgcommander.net/rules.php

*8 些細な編集上の変更
「alternate」が「alternative」に変わっただけです。たぶん、他の項目(「怒涛」とか)と平仄を合わせるための調整でしょう。
日本語版の変更はありません。
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以上ばい。

コメント

nophoto
通りすがり
2016年3月21日9:34

最初がいきなり「ゲートウォッチの近い」になってます…

いく
2016年3月21日9:54

ご指摘ありがとうございます。早速修正しました。

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