■「マジック・ザ・ギャザリング カード検索データベース」:カード・データの更新
遅くなりましたが、2016年4月7日発表のオラクル更新を反映しました。

マジック・サポート http://www4.atpages.jp/kakoiku/index.php?lang=Japanese

「Update Bulletin」の該当部分を訳しました。
原文はこちらです。

http://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/shadows-over-innistrad-update-bulletin-oracle-text-2016-04-07

=============
■■■■■■■■■■■■
「イニストラードを覆う影」更新報告 - オラクル・テキスト
■■■■■■■■■■■■

■《モンドロネンのシャーマン/Mondronen Shaman》(機能変更なし)
「闇の隆盛」の《モンドロネンのシャーマン》は、その前のセットの《ウルヴェンワルドの神秘家/Ulvenwald Mystics》に倣わず、クリーチャー・タイプの順番を入れ替えちゃってました。「イニストラードを覆う影」でクリーチャー・タイプを定めるにあたり、これらは揃えることにしました。

従来のタイプ行:
Creature—Human Werewolf Shaman
クリーチャー ― 人間・狼男・シャーマン

新しいタイプ行:
Creature—Human Shaman Werewolf
クリーチャー ― 人間・シャーマン・狼男

■「消失」の注釈文(機能変更なし)
進行中のプロジェクトの1つに、古いキーワード能力の注釈文の見直しというのがあります。今回ざっと見て、「消失」の注釈文の「パーマネント」を、より適切である「クリーチャー」(または、1件については「オーラ」)に置き換えることにしました。

新しい注釈文:
This creature enters the battlefield with four time counters on it. At the beginning of your upkeep, remove a time counter from it. When the last is removed, sacrifice it.
このクリーチャーは、時間カウンターが4個置かれた状態で戦場に出る。あなたのアップキープの開始時に、それの上から時間カウンターを1個取り除く。最後の1個が取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。

影響を受けるカード:《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》、《カルシダーム/Calciderm》、《クロノゾア/Chronozoa》、《命取りの幼虫/Deadly Grub》、《デッドウッドのツリーフォーク/Deadwood Treefolk》、《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》、《溶岩核の精霊/Lavacore Elemental》、《迷えるオーラ術師/Lost Auramancers》、《残虐無道の裂け目ワーム/Ravaging Riftwurm》、《現実の酸/Reality Acid》(そのオーラ)、《魂繋ぎのゴーレム/Soultether Golem》、および《衰退するワーム/Waning Wurm》

■《火想者の高巣、ニヴィックス/Nivix, Aerie of the Firemind》(機能変更なし)
最後の能力は、唱えようとするカードが「インスタントかソーサリー」である場合、と書いていました。その時点ではまだそれは追放されていますから、ここでは「インスタントかソーサリー・カード」と書くのが正確です。

従来のルール文章:
{Tap}: Add {C} to your mana pool.
{2}{U}{R}, {Tap}: Exile the top card of your library. Until your next turn, you may cast that card if it’s an instant or sorcery.
{Tap}:あなたのマナ・プールに{C}を加える。
{2}{U}{R}, {Tap}:あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。あなたの次のターンまで、そのカードがインスタントかソーサリーである場合、あなたはそれを唱えてもよい。

新しいルール文章:
{Tap}: Add {C} to your mana pool.
{2}{U}{R}, {Tap}: Exile the top card of your library. Until your next turn, you may cast that card if it’s an instant or sorcery card.
{Tap}:あなたのマナ・プールに{C}を加える。
{2}{U}{R}, {Tap}:あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。あなたの次のターンまで、そのカードがインスタントかソーサリー・カードである場合、あなたはそれを唱えてもよい。

■《繭/Cocoon》(機能変更なし)
「戦場に出たとき」の能力は他の常在型能力よりも先に来るのが普通ですので、真ん中の2つの能力の順序を入れ替えました。加えて、「無期限に」の注釈文は、あっても紛らわしいだけで役に立たないことが分かったので、取り除きました。

従来のルール文章:
Enchant creature you control
Enchanted creature doesn’t untap during your untap step if Cocoon has a pupa counter on it.
When Cocoon enters the battlefield, tap enchanted creature and put three pupa counters on Cocoon.
At the beginning of your upkeep, remove a pupa counter from Cocoon. If you can’t, sacrifice it, put a +1/+1 counter on enchanted creature, and that creature gains flying. (This effect lasts indefinitely.)
エンチャント(あなたがコントロールするクリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは、繭の上にpupaカウンターが置かれているなら(*1)、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
繭が戦場に出たとき、エンチャントされているクリーチャーをタップし、繭の上にpupaカウンターを3個置く。
あなたのアップキープの開始時に、繭からpupaカウンターを1個取り除く。そうできない場合、それを生け贄に捧げ、エンチャントされているクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置き、そのクリーチャーは飛行を得る。(この効果は無期限に続く。)

新しいルール文章:
Enchant creature you control
When Cocoon enters the battlefield, tap enchanted creature and put three pupa counters on Cocoon.
Enchanted creature doesn’t untap during your untap step if Cocoon has a pupa counter on it.
At the beginning of your upkeep, remove a pupa counter from Cocoon. If you can’t, sacrifice it, put a +1/+1 counter on enchanted creature, and that creature gains flying.
エンチャント(あなたがコントロールするクリーチャー)
繭が戦場に出たとき、エンチャントされているクリーチャーをタップし、繭の上にpupaカウンターを3個置く。
エンチャントされているクリーチャーは、繭の上にpupaカウンターが置かれているなら(*1)、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、繭からpupaカウンターを1個取り除く。そうできない場合、それを生け贄に捧げ、エンチャントされているクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置き、そのクリーチャーは飛行を得る。

■《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》(機能変更なし)
魅力たっぷりのカードに騙されるのなんて簡単なんですから。例えばアナフェンザです。単純そうな能力ですが、その文章の裏にはたくさんの問題が埋まっているんです。まあ見てください。

「死亡」誘発型能力を完封してくれるのは、このカードの魅力の1つです。でも、トークンのことを忘れちゃいませんか? そう、やつらも死にます。なんてこった。(《安らかなる眠り/Rest in Peace》と較べてみてください。)加えて、最後の能力の「クリーチャー・カード」が厳密に何を意味するかが曖昧です。これが誘発型能力なら、墓地のカードを参照すべきですね。しかし、これは誘発型能力ではなく置換効果です。なので、最後に戦場にあったパーマネントを見なくてはなりません。とすれば「クリーチャー・カード」は意味不明です。そう印刷されてますけど。両面カードとかのメンドクサいケースを除くと、パーマネントに影響を及ぼしている継続的効果は普通は無視されません。アナフェンザの能力は、クリーチャーであり、かつカードであるようなあらゆるものに適用させたいもののはずです。つまり、トークンは違います。よって、クリーチャー化した土地カードは追放されます。「授与」を持ち、墓地に行く時点でオーラであるカードは追放されず、実際に墓地に行きます。まあなんとへんてこな。

我々は結局、最後の能力の表現に、それが厳密に何をするのかを表すように言い足すのが一番だと判断しました。今後この種のカードは、より厳しく精査されることになるでしょう。

従来のルール文章:
Whenever Anafenza, the Foremost attacks, put a +1/+1 counter on another target tapped creature you control.
If a creature card would be put into an opponent’s graveyard from anywhere, exile it instead.
先頭に立つもの、アナフェンザが攻撃するたび、あなたがコントロールする他のタップ状態のクリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンターを1個置く。
クリーチャー・カードがいずれかの領域から対戦相手の墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。

新しいルール文章:
Whenever Anafenza, the Foremost attacks, put a +1/+1 counter on another target tapped creature you control.
If a nontoken creature an opponent owns would die or a creature card not on the battlefield would be put into an opponent’s graveyard, exile that card instead.
先頭に立つもの、アナフェンザが攻撃するたび、あなたがコントロールする他のタップ状態のクリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンターを1個置く。
いずれかの対戦相手がオーナーであるトークンでないクリーチャーが死亡するかまたは戦場にないクリーチャー・カードが対戦相手の墓地に置かれるなら、代わりにそのカードを追放する。

=============

訳註
*1 繭の上にpupaカウンターが置かれているなら(*1)
「if A has a B counter on it」の和訳テンプレートの話なんですが。
こういう能力では、「as long as」が使われることが多く(例えば《エイヴンの擬態術士/Aven Mimeomancer》)、その場合は「~置かれているかぎり」と訳されます。「as long as」がある場合とない場合とで機能に差はなさそうですが、とはいえ「as long as」って書いてないのに「~置かれているかぎり」とは訳せません。
では、「as long as」がないときのテンプレートは?
比較的古いカードでは「置かれている場合」でした(《宝石の洞窟/Gemstone Caverns(TSP)》と《ジョイラの時虫/Jhoira’s Timebug(TSP)》)。ところが最近のカードだと、「置かれているなら」なんですね(《打ち倒し/Bring Low(KTK)》と《下生えの勇者/Undergrowth Champion(BFZ)》)。今回は後者を採用しました。
なお、「機能的に差はなさそう」って書きましたけど、それでも「as long as」は、カウンターを置く能力と同じ文内の常在型能力の記述に使われることが多いような感じはします(例外は明神サイクルと《雷叫び/Thunderblust》)。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索